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シャラポワフルセットで初戦突破

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女子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は15日、シングルス1回戦が行われ、3年ぶり4度目の優勝を目指す世界ランク40位のM・シャラポワ(ロシア)が第16シードのA・バーティ(オーストラリア)を7-5, 3-6, 6-2のフルセットで破り、2年連続の初戦突破を果たした。


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2度目の対戦となったこの試合、ファーストサービスが入った時に74パーセントの確率でポイントを獲得した31歳のシャラポワは、2時間30分の激闘を制し2回戦進出を決めた。

シャラポワはベスト16進出をかけて、世界ランク34位のD・チブルコワ(スロバキア)と対戦する。チブルコワはワイルドカード(主催者推薦枠)で出場の同271位のF・スキアボーネ(イタリア)をフルセットで下し、BNLイタリア国際2年連続の初戦突破を果たした。

一方、敗れたバーティは自身初のBNLイタリア国際2回戦進出を逃した。

また、第1シードのS・ハレプ(ルーマニア)や第2シードのC・ウォズニアッキ(デンマーク)、第3シードのG・ムグルサ(スペイン)らは1回戦免除のため2回戦から登場する。世界ランク21位の大坂なおみは自身初のBNLイタリア国際2回戦進出を果たし、ベスト16進出をかけてハレプと対戦する。

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アメフト悪質反則問題を考える

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 大学スポーツのアメリカンフットボール(以下、アメフット)で、悪質で危険な反則プレーが問題視されている。アメフットはヘルメットやフェイス(マウス)ガードなどを身につけて全力で選手同士がぶつかり合うフルコンタクトのスポーツだが、大学スポーツという教育の場での選手の指導法にも疑問が生じるとともに、報道によれば当事者大学関係者同士の応答にズレがあるようで議論は拡がり続けている。

かなり危険だったアメフット草創期
 問題になっている反則プレーは、2018年5月6日、日本大学と関西学院大学のアメフット部の定期戦で起きた事例だが、この記事では当該プレーの内容や大学の対応などとは別に、アメフットという競技における事故や傷害の管理、対処の事例などに焦点を当てる。また、アメフットという競技自体についての論評も控えたい。

 アマチュアであれプロであれ、どんなスポーツも基本的に危険がともなう。だが、ルール無視の意図的な反則が行われれば危険度はさらに増すだろう。肉体的な接触の多いフルコンタクトのスポーツでは、特にルールを守ることが重要だ。

 米国の大学スポーツでは、単独の競技だけではなくアメフット、バスケットボール、野球、アイスホッケー、テニス、ゴルフなど多種多様な競技大会を運営する全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association、NCAA)があり、観戦スポーツの巨大ビジネスとして組織管理をしている。だが、そもそもNCAAの発足の理由はアメフットで試合中の怪我や死亡事故が多発したからだ(※1)。

 NCAA発足の背景になった20世紀初頭のアメフットは、ラグビーから派生したこともあり、ヘルメットもヘッドギア程度でかなり危険な競技だった。NFLでヘルメットが義務づけられたのは1940年で、1970年代の初頭に現状のヘルメットやフェイスガードが登場する。致命的な頭部外傷は減ってきてはいるが(※2)、1990~2010年までの10年間で米国の高校大学のアメフト選手の243人が亡くなっているのも事実だ(※3)。

 日本の大学アメフットでも、1982年に京都大学アメフット部のランニングバックの選手が試合中に頭部を強く打って亡くなっているし、2015年12月には名古屋大学アメフット部の部員がやはり頭部外傷事故(練習中)で亡くなっている。

 今回の議論にも関係すると考えられるのは、被害者の所属する関西学院大学アメフト部の主力選手が2003年夏の合宿中に亡くなっていることと、2016年11月に関西学院高等部のアメフット部の高校生部員が試合中に受けた衝撃がもとになった急性硬膜下血腫で亡くなっていることだろう。関西学院としては、これら過去の事例からアメフット競技における事故について特に強い想いを抱いていると考えられる。

 アメフトはヘルメットやフェイスガード、プロテクターをつけ、全力でぶつかり合う競技だ。ヘルメットなどで防備していても、また致命傷に至らなくても、脳に障害が残ったり関節が脱臼したりしてリハビリを続けざるを得なくなるような事故も多い。

 1991~2003年の関東大学アメフット秋季公式戦では、2567件の外傷事故が発生している。股関節の靱帯損傷415件、足関節靱帯損傷408件、脳しんとう235件、頸椎ねんざ・バーナー症候群(頸部神経障害)192件、肩関節脱臼139件、大腿部挫傷117件、腹部挫傷111件などだ(※4)。

大丈夫か日本版NCAA
 アメフットの場合、体格差や体力強化の差、体重差、上位と下位の競技レベルの差なども事故が起きる要因といわれる。日本では、ぶつかり合う際の効果を狙って体重を増やすあまり、それが傷害につながるという研究(※5)もある。この研究によれば、肥満型の選手は特にラインマン・ポジションに多いようだ。

 大学アメフット部の場合、日本の大学生は米国の大学生よりも練習中の傷害率(Injury Rate)が約6倍も高いという研究(※6)もある。怪我をしている間は練習ができず体力も強化できないという悪循環があるのではないかと指摘する研究者もいるが、米国の練習環境や競技シーズンとの違いもあるようだ(※7)。

 アメフットに特有のヘルメットなども技術的な進化を遂げているが、こうした防具を過信せず、十分なトレーニングや準備をし、危険なプレーに注意するべきだろう。ヘルメットの強度測定などによれば、脳しんとうを確実に防ぐことは不可能であり、アメフットに限らずこうしたヘルメットは必ず経年劣化するという(※8)。

 日本のアメフット部大学生のヘルメットに与える衝撃度(直線加速度、Linear Acceleration)を調べた研究(※9)によれば、試合中のヘルメットへの衝撃度16.77g、練習中15.87gで頭部への衝撃が練習中より試合中のほうで強い。また、練習中にヘルメットへの衝突が平均14.3回、試合中は15.7回で、衝突回数はいずれに米国より多かったという。

 いわゆる「日本版NCAA」ということで大学スポーツ改革が叫ばれているが、今回の事件と議論はこれまで各大学がバラバラに行ってきた大学スポーツのガバナンスをどうするか、という問題にもつながる。米国のNCAAを一つの目標に掲げる場合、どうしてもビジネスの視点が強調されがちだが、学生である選手の指導や教育の側面をおろそかにすると危険だろう。

 よくスポーツマンシップなどというが、古代ローマのユウェナリス(Juvenalis)の「A sound mind in a sound body」のアイロニーを引くまでもなく、競技スポーツにはライバル心、対抗心、戦意、闘争心、さらに敵愾心といった攻撃的な感情がつきものであり、スポーツマンシップはついつい暴力的な言動に奔ってしまう選手の戒めのための言葉だ。ルールというものはそのためにもある(※10)。

 ちなみにスポーツ事故が起きた場合、加害者に故意か過失(注意義務違反など)があれば法的な責任を問われることになる。スポーツ競技では、故意に反則を犯して相手を傷つける事例は少なく、加害者が否定する場合、それを立証することはかなり難しいだろう。

 特にアメフットのようなフルコンタクトの競技では、相手との肉体的な接触が不可避だ。それゆえに怪我などを避けるためにヘルメットやプロテクターの着用がルールで義務づけられている。

 明らかに悪質な特に危険な反則ということになれば、映像などから故意による違法性も立証され得る。それは、その行為の結果がどうなるか状況から加害者が予想でき、十分にその行為を回避できる余裕があり、なおかつそれを知りつつ反則を犯している可能性が高い場合などだ。そして、もしもこれが指導者の指示による戦術的プレーだったとすれば、選手だけではなく組織に対しても責任追及がなされるかもしれない。

※1:Rodney K. Smith, “Head Injuries, Student Welfare, and Saving College Football: A Game Plan for the NCAA.” Pepperdine Law Review, Vol.41, No.2, 267, 2014

※2:Barry P. Boden, et al., “Catastrophic Head Injuries in High School and College Football Players.” The American Journal of Sports Medicine, Vol.35, Issue7, 2007

※3:Barry P. Boden, et al., “Fatalities in High School and College Football Players.” The American Journal of Sports Medicine, Vol.41, Issue5, 2013

※4:藤谷博人ら、「関東大学アメリカンフットボール秋季公式戦における過去13年間の外傷─近年の傾向とその対策─」、日本整形外科スポーツ医科学雑誌、第25巻、第2号、263-268、2005

※5:仲立貴ら、「肥満アメリカンフットボール選手の身体組成と体力特性に関する研究」、日本体育大学紀要、第39巻、第2号、93-99、2010

※6:K Kuzuhara, et al., “Analysis of collegiate football injuries in a Kansai division 1 team using injury rates per 1,000 athleteexposures.” Japanese journal of orthopaedic sports medicine, Vol.17, 542-550, 2009

※7:Junta Iguchi, et al., “Physical and Performance Characteristics of Japanese Division 1 Collegiate Football Players.” Journal of Strength and Conditioning Research, Vol25(2), 3368-3377, 2011

※8:Daniel H. Daneshvar, et al., “Helmets and Mouth Guards: The Role of Personal Equipment in Preventing Sport-Related Concussions.” Clinics in Sports Medicine, Vol.30, Issue1, 145-163, 2011

※9:Takashi Fukuda, et al., “Impact on the head during collisions between university American football players- focusing on the number of head impacts and linear head acceleration.” The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine, Vol.6(4), 241-249, 2017

※10:Jerry Freischlag, et al., “Violence in Sports: Its Causes and Some Solutions.” Physical Educator, Vol.36, No.4, 182-185, 1979

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シャポバロフ フルセットでベルディヒに逆転

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男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は15日、シングルス1回戦が行われ、世界ランク29位のD・シャポバロフ(カナダ)が第15シードのT・ベルディヒ(チェコ共和国)を1-6, 6-3, 7-6(7-5)の逆転で下し、大会初の2回戦進出を果たした。


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この試合、第1セットを落としたシャポバロフだったが、1ブレークを守りきって第2セットを奪い返してセットカウント1-1に。ファイナルセットは互いにサービスキープが続いたが、最後はシャポバロフがタイブレークを制し、2時間4分の激闘をものにした。

2回戦では、世界ランク44位のR・ハーセ(オランダ)と対戦する。ハーセは1回戦で、同50位のD・メドヴェデフ(ロシア)を逆転で破っての勝ち上がり。

19歳のシャポバロフはクレーシーズンに入ってから2大会連続で初戦敗退を喫していたが、前週のムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)では、昨年8月のロジャーズ・カップ(カナダ/モントリオール、ハード、ATP1000)以来2度目の「ATPマスターズ1000」4強入りを果たした。

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テニス界のメガネ先輩 加治遥

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今年2月に行われた平昌冬季五輪、カーリング女子の韓国代表、金恩貞(キム・ウンジョン)を覚えているだろうか。日本との好勝負や銀メダルに輝いた実力に加え、印象的な眼鏡姿と「メガネ先輩」の愛称でも注目を集めた。トップアスリートと眼鏡の組み合わせは珍しいが、日本の女子テニス界ホープにも“メガネ先輩”がいた!?


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 加治遥(島津製作所)はプロ転向2年目の23歳。昨年は「富士薬品セイムスウィメンズカップin甲府」で優勝、「全日本選手権」で4強入りするなど、1年間で世界ランキングを622位から321位に急上昇させた。今年1月には同283位に到達。200位台前半が目安とされるグランドスラム予選出場を、当面の目標に据えている。

 165センチの長身から繰り出す力強いストローク戦を得意にする加治は2016年、園田学園女子大4年の春から眼鏡を常用している。「最初は違和感がありましたが慣れました。チャームポイントというか、私を知ってもらえるきっかけだと、前向きに捉えています」と笑顔を見せた。

 もともと近視でコンタクトレンズを使っていた。ところが、スポーツ専門の目の検査を受けた際、思いがけない診断を受けた。「瞳の左右で動きの捉え方にズレがあって疲れやすいようです」。矯正のため特別なレンズの眼鏡を使用。「劇的な変化は分からないけど、コーチからは『力みが減った』と言われます」と、好調につながっている。

 将来的にはグランドスラム本戦や、日本代表の舞台での活躍を夢に抱く加治。先の平昌五輪では、スピードスケート女子の金メダリスト小平奈緒から刺激を受けた。「成績だけでなく発言やふるまいも素晴らしかった。私もいつか、小平さんのように皆に愛され応援される選手になりたいんです」。理想像はレンズ越しにくっきりと見えている。

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錦織圭 ロペスにストレート勝ち

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男子テニスのBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)は14日、シングルス1回戦が行われ、世界ランク24位の錦織圭が同33位のF・ロペス(スペイン)を7-6 (7-5), 6-4のストレートで破り、初戦突破を果たした。


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この日、錦織は第1セットをタイブレークの末に先取。第2セットは第1ゲームでブレークに成功する好スタートを切ったが、第6ゲームでロペスにブレークバックを許しゲームカウント3-3に追いつかれる。

そして、第7ゲームで再びブレークチャンスを握った錦織は、ロペスのドロップショットに対して猛ダッシュでネットへ走り拾うも、ボールは2バウンドしたようにも見えるものだった。

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しかしポイントは続行され、ロペスはスマッシュをミスして、このセット2度目のブレークを許した。錦織の拾ったボールが2バウンドしていたとロペスは主審へアピールし、怒りをあらわにした。

この様子はTENNIS TVのツイッターに掲載されている。

その後、集中力を切らさなかった錦織が1時間48分で勝利した。

2回戦で錦織は、世界ランク4位で第3シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。両者は5度目の対戦で、錦織の3勝1敗。昨年1月のブリスベン国際(オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250)決勝ではディミトロフにフルセットで敗れている。

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大坂なおみ アザレンカに圧勝

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【イタリア・ローマ14日発】テニスのイタリア国際女子シングルス1回戦で、世界ランキング21位の大坂なおみ(20=日清食品)が元1位で現在84位のビクトリア・アザレンカ(28=ベラルーシ)に6―0、6―3でストレート勝ちし、2回戦に進出した。


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 第1セットは、昨年出産から復帰したアザレンカにまったくテニスをさせずに圧倒。しかし、第2セットの第1ゲームでいきなりブレークを許した。だが、第4ゲームにアザレンカがミスを連発したためブレークバックに成功。第6ゲームでも相手のミスを誘ってブレーク。そのまま押し切り、2年前の対戦では完敗を喫した元世界1位を相手に、成長した姿を見せつけた。

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期待の16歳 内島萌夏

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 わずか2週間の短い期間に、内島萌夏(うちじま・もゆか)は奈良くるみが勝つ姿を見て、2度泣いた。

 1度目は、2週間前のフェドカップ(女子国別対抗戦)のとき。日本代表チームに「サポートメンバー」として帯同していた内島は、試合前には奈良の練習相手を務め、試合中はベンチから応援し、奈良が日本の窮地を救う勝ち星をつかんだときには、感動で涙した。


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 2度目は、5月6日に行なわれたカンガルーカップ国際女子テニスの決勝戦後。このときの内島は準優勝者として、今しがた自分を破ったばかりの奈良が優勝カップを掲げる姿を、大粒の涙を流して見上げていた。

「もゆちゃんが打つボールを見て、私のほうから試合前のアップをお願いしたんです」

 フェドカップで日本の命運がかかった試合を控えた日、奈良は16歳の少女を自ら練習相手に指名したことを明かした。

「打つボールからして、この子は違うなと。こんなこと言うと偉そうに聞こえますが、うまく育てば本当に楽しみな選手だなと思ったので」

 プロ10年の経験を持ち、世界のトッププレーヤーと幾度も戦ってきた奈良の目にも、内島の打球は世界レベルだと映る。

「この子は絶対に、強くなるだろうな……」

 実際にボールを受け、さらに確信を深めた奈良は、とはいえ「まさかこんなにすぐに決勝で戦うとは思いませんでした」と、驚き混じりの笑みを浮かべた。

 内島がフェドカップのサポートメンバーに呼ばれたのは、昨年末に行なわれた22歳以下ナショナルチーム合宿への参加が契機だった。このとき、ナショナルチームの吉川真司コーチは172cmの長身をしならせボールをクリーンに打ち抜く16歳を見て、幸福な衝撃を受けたという。

「とてもしなやかで、身体の動きに無駄がない。余計なことをせずに、ボールに力を伝える能力がある」

 その高い身体能力やボールを捕らえる天性の感覚は、「(大坂)なおみに似た才能」を想起させた。しかも試合形式の打ち合いでは、攻めるべき局面を見極めつつ、ラリーを組み立てる「ゲーム力」もある。

「すごいタレントがいる。これは大切に育てなくては……」

 そう思った吉川はフェドカップの合宿に内島を呼び、さらには今回のカンガルーカップでもワイルドカードを出してくれるよう、主催者側に働きかけた。

「フットワークなどにはまだ改善の余地があるが、逆にそれだけ伸びしろもある」

 柔軟な未完の大器には、次々と新たな経験と刺激が注ぎ込まれた。

 内島の伸びしろが豊かなことは、彼女がテニスを始めてまだ7年という事実が物語りもする。

 父親の赴任先であり、母親の母国でもあるマレーシアで生まれた内島がテニスに出会ったのは、日本に帰国して1年ほど経ったとき。最初は家族での遊びとして始まり、そのうち、となり駅のテニススクールに週1回ほど通うようになる。

 そんな彼女のテニスキャリアが最初の転機を迎えたのが、6年前のこどもの日。都内のテニススクール開催のイベントで試合をしていた内島に、同スクールのコーチが「ウチでやらない?」と声をかけた。

 そこから才能の原石が光を放つまで、さほど長い年月を要しはしない。2年前に全国中学生選手権で日本の頂点に立つと、昨年は16歳にして全日本ジュニア18歳以下の部で優勝。次々に戦いの舞台を広げる内島の疾走は、今年のゴールデンウィークで国内外のプロ選手が集うカンガルーカップの決勝にまで至った。

 決勝で日本のフロントランナーの奈良と戦う内島は、失うもののない強みで伸びやかにコートを駆け、早々にリードを奪う。だが、4ゲーム目の序盤で奈良が転倒したとき、「打ち込むより、ボールを左右に散らし、相手を走らせたほうがいいのかも」との考えが頭をよぎり、その思いが彼女のリズムを内から崩した。

 機動力と戦術眼に勝(まさ)る奈良にしてみれば、コートを広く使う打ち合いは自分の土俵だ。10ゲーム連取した奈良が瞬(またた)く間に勝利まで1ゲームに……内島から見れば、敗戦までわずか4ポイントに追い込まれた。

実力と経験に勝るベテランが、若い挑戦者を軽くいなす――。そのようなシナリオの終わりが見えたそのとき、ここから16歳の驚異の追い上げが始まることを予感できた者は少なかっただろう。だが、後がなくなり、「自分からフォアハンドで叩こう」と開き直った内島の強打には、それまでの流れを劇的に反転させる威力が宿る。

 ベースラインから下がらず、高い打点で叩く内島のショットが次々に奈良のラケットの先をかすめていく。ウイナーの度に客席から沸き起こる驚嘆の声と、「まさか」の予感をまといながら、内島が5ゲーム連取で奈良を捉えた。

 もつれこんだタイブレークも、内島が序盤でリードした。だが、余裕を持って打ったはずの甘いドロップショットが、結果的に最後のターニングポイントとなる。最後はバックのショットがラインを超え、内島の挑戦は1時間28分で終幕した。

 表彰式でマイクを握り、まずは大会関係者たちに謝意を述べた内島は、奈良へと顔を向け、「奈良さん、おめでとうございます……」と言うと、そこからは溢れる涙に胸を塞がれ、言葉を続けられなかった。幾度も手の甲で目もとを拭い、「多くのことを今日の試合で学びました」となんとか絞り出した彼女は、涙声で、それでも力強く断言した。

「奈良さんのように、世界で活躍する選手になりたいです」

とめどなく落ちる涙の内訳は、「ここまで来られたことにびっくり」という驚きと、「いいプレーもあったし、課題も見つかった」という充実感。しかし、もっとも大きかったのは、「悔しい気持ち」だと彼女は言う。

「勝てたかもしれない」という悔いを抱え、同時に「相手にいろいろと考えさせるプレー」ができる奈良のすごさも肌身で感じた。それはジュニアの試合では知ることのない、新たな世界への扉である。

「観客がたくさんいて、今までと違った雰囲気のなかで試合ができた。こういうところで戦いたいと思いました」という彼女の世界ランキングは、今回の準優勝で400位を切り、戦いの舞台はさらに広がる。

 6年前のこどもの日に本格的に歩み始めた内島萌夏のテニスキャリアは、16歳のこどもの日の翌日、大人への大きな一歩を踏み出した。

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杉田祐一抜け出せない不調 初戦8連敗

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<テニス:イタリア国際>◇13日◇ローマ◇男子シングルス1回戦

 世界46位の杉田祐一(29=三菱電機)が、なかなか不調から抜け出せない。1回戦で、同59位のR・ハリソン(米国)に6-7、3-6で敗退。これで、2月のドバイ選手権でベスト8に入ったのを最後に、8大会連続で初戦敗退と「迷走じゃないけど、ちょっと抜け出せない感覚がある」。この日も、チャンスでフォアハンドがことごとく安定感を欠き「明らかに狂っている。メンタル的なものもある」と打ち明けた。


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 「開き直りたい自分もいる」と言うが、それも「なかなかエネルギーが出てこない」。ただ、弱みを見せて、他の選手につけ込まれるのもプロとしては失格だ。だから努めて「平静を装うしかない」。

 昨年7月に、トルコのアンタルヤ・オープンで、日本男子3人目のツアー優勝を飾った。錦織圭(28)が右手首のけがで離脱する中、エースとして日本を引っ張ってきた。しかし、それが信じられないほどの不調だが「今の方が優勝した時よりも大事な時期」と、しっかりと向き合う気構えだ。

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ワウリンカ 復帰戦勝てず

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グランドスラムで3度優勝しているスタン・ワウリンカ(スイス)は、左膝の手術から未だに復調できていなかった。


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2月以来初めての実戦となった「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 ローマ」の1回戦で、ワウリンカは世界ランク55位のスティーブ・ジョンソン(アメリカ)に 6-4、6-4で敗れた。

ジョンソンの17回に対して、ワウリンカは30回のアンフォーストエラーを記録。第1セット、第2セットでそれぞれ1度ずつブレークされ、たった2度のブレークチャンスはいずれもブレークすることができなかった。

ワウリンカは昨年8月に2度の手術を受けており、1月の「全豪オープン」で復帰。「全豪オープン」では2回戦でテニス・サングレン(アメリカ)に敗北。そして2月の「オープン13 マルセイユ」での大会では左膝の故障を理由に、イーリャ・イバシュカ(ベラルーシ)との2回戦を途中棄権しており、今回がそれからの復帰戦となっていたが、残念ながら勝利とはならなかった。

勝利したジョンソンは、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)とジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)との勝者と2回戦で対戦する。

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ティーム ズベレフを抑え優勝

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「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 マドリード」(スペイン・マドリード/5月6日~13日/クレーコート)の最終日、決勝で第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が対戦。6-4、6-4のストレートでズベレフが勝利し、優勝を決めた。試合時間は1時間18分。

ズベレフはデニス・シャポバロフ(カナダ)を、ティームは第6シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)をそれぞれ準決勝で倒しての決勝戦となった。


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両者は過去に5回対戦しており、ズベレフから見て1勝4敗、特にクレーコートでは0勝2敗となっている。クレーコートを得意とし、準々決勝で「クレーキング」の異名を持つラファエル・ナダル(スペイン)を破ったティームだが、昨年からめきめきと力をつけてきたズベレフの方がティームの力を上回った。

第1セット、ティームのサービスゲームから試合は始まった。ズベレフは、第1ゲームでティームのミスとダブルフォルトによってブレークに成功し、ラッキーなスタートを切る。その後は両者ともに一歩も譲らぬゲームが続き、お互いにキープを続けていく。そして第1ゲームで得たリードを守り切ったズベレフが6-4で第1セットを先取した。第1セットでのブレークポイントは、両者を通じて第1ゲームの1本のみという、非常に拮抗した試合展開となった。

第2セットもズベレフが第1ゲームでブレークに成功してリードを作る。そしてここからズベレフはティームに1本もブレークポイントを与えることなくキープを続けていく。最後はティームのショットがリターンアウトとなり、ズベレフが第2セットも6-4で取って優勝を決めた。

ズベレフは今大会に出場するのは2年連続2回目。昨年はベスト8止まりだったが、今年は全試合ストレートで、しかも相手に与えたブレークポイントはわずかに1本だけで、それもセーブしており、ほぼ完璧ともいえる優勝を果たした。そしてこの勝利は、ズベレフにとって自身8回目、クレーコートでは4回目の優勝となる。

マスターズ3回目の優勝となるズベレフは試合後のインタビューに「信じられないくらい嬉しい。言葉になりません」と答えた。また「先週の『BMWオープン』もクレーコートで、そこでも優勝しているし、そこでのいい感触がこの大会にもあったような気がする」とコメントした。そして次戦となる「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 ローマ」については、「ディフェンディングチャンピオンとして、とにかく頑張ります」と答えた。

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