目覚めるのが早かったせいか?赤ちゃんはみんな見えるのかわからないけど、
不思議な生き物?が我が家の屋根の上で騒いでいる、姿は、赤ちゃんみたいだけど、
顔はお爺ちゃんみたいに皺くちゃで、体はトカゲみたいに長い尻尾があり、
コウモリのような翼がついている、牛の顔のも居る、話声が聞こえて来た、
『向かいのお婆さんは、そろそろ寿命だ』って言ってたので、
うちのお婆ちゃんにこの話をしたら、
『ヒーロー、こんな事、絶対に他人に言ったら駄目だよ。』って言われたので、
見えても無視するようにしたら、段々と見えなくなった、
4日後に向かいのお婆さんは亡くなった、その後も不思議な事があった、
ある風が強い夜、ランプが揺れて影を動かす、それが怖くて早めに寝てると、
遠くから馬の樋爪の音が近づいてくる、音はどんどん大きくなり、
ついには家の前まで来て、前足を大きく上げたかと思うと、家の雨戸を叩き破り、
家の中に入って来た、うわ~と泣いて飛び起きた、
お婆ちゃんが、『どうしたの』って聞いたので、夢の話をしたら、顔色が変わって、
これは何かのお告げかも知れないって言って、お母さんと3人で避難する事になった、
風は台風だった、勝手口の小さな戸から出ると、顔も上げられないほどの大風、
3人で体を寄せ合って、ようやく石垣で組んだ塀の外のに出た途端、
家が1メートルぐらい上に持ち上がり、その後、地面に叩きつけられて崩れ落ちた、
命からがら従兄妹の家を訪ねて行くと、『
お前らは、縁起が悪いから家には入れられない、馬小屋で泊まれ!』だって、
納屋に入ると、馬たちが歓迎してくれてる気がして、気持ちが落ち着き、
ロフトの上に藁を敷いて寝ると暖かく、豊かな匂いがして、直ぐに眠りについた、
もしかしたら、この馬達が教えてくれたのかな?って子供ながらに思った、
沖縄には、ユイマール精神ってのがあって、困った時には、互いに助け協力しあう、
台風で破壊された我が家も、材料費と食事だけで、村の青年団が力を合わせ、家を建ててくれた、