過去2回記載しました、書籍「テニスプロはつらいよ」の感想の完結編です。
最後は、この本の主人公の関口プロではなく、本で紹介されている、その他の選手の動向です。
関口プロと同年代の選手で、インカレで優勝し、全日本でも上位へ行った選手が、周りは、当然プロになると思っていたのが、学生テニスを最後に引退すると、民間企業へ就職し、今は営業職で飛び回っていると。
『プロか就職かの狭間で心が揺れることもあった。
しかし、プロになった自分を想像してみると、世界ランキングが150位~200位の自分はイメージできても、100位以内にいる自分がそうしてもイメージできなかった』と。
そして、もう1人。全日本ランキング1位、全日本優勝経験者の言葉です。
『何でテニスを選んでしまったんだろうーーーと思うことがあります。
野球やサッカーなら日本で一番の選手のことは誰でも知っていると思います。たとえは変ですが、インターハイを獲ってプロ入りした時点で、僕は野球ならドラフト1位選手のようなもの。
だけど、僕が街を歩いていても誰も振り返ることはありません。日本ランキング1位になっても、全日本を獲っても僕のことを知らないのです。
結局テニスは、グランドスラム大会で活躍してなんぼの世界なんですね。だけど、そこまでがあまりに厳しい。子供のときにこんな厳しい世界だと知っていたら、テニスではなく野球を選んでいたかもーーー最近、そんなことを思うんです』
この本を読んであらためて、テニス(特に日本のテニス)選手の過酷さが伝わってきました。
この実態がわかると、とても、自分の子供(孫)をテニス選手にしようとは思えないほど、厳しい現実がありました。
結局、4回読み返しました。テニス愛好家の必読書と推薦します!