以前にも書いたのですが、前にお世話になっていた練習会に、車椅子テニスをやられる方がいらっしゃいました。
それまで自分は車椅子の方と接する機会がなかったので、いろいろな事を考えさせられました。
一番に考えたのは、その方と練習する時、どういうボールを打ったらいいのか、という事でした。
なるべく返球しやすい所に打とうと思うのですが、これが本当に難しいのです。
まあ、2バウンドまでOKなので、短くてもいいのですが、あまり高く弾むボールはとても打ちにくそうでした。
その当時、自分はバウンドしてから伸びるボールを打つことを目標にしていまして、全然安定していないものだから、バウンドしてからのボールが全く一定せず、本当に迷惑をかけました。
そのことを謝ると、「それが自分の練習になるんですから、気にせずどんどん打って下さい。」と却ってこちらが励まされました。
車椅子を操りながら返球するのは本当に大変なんだと、その方を見てしみじみ思ったものでした。
そして、車椅子テニスがまだまだ認知されていないことも、痛感しました。
公立学校のコートを申し込んだ時には、車椅子はお断り、と言われたこともありました。
その理由は「コートにタイヤの跡がつくから」というものでした。
車椅子の方は、ちょっと悲しそうに、「後なんてつかないんですけどね。」とおっしゃっていました。
また、段差があるために車椅子ではコートに入れない、コートに入れても他の設備(例えばトイレ)にスロープがない、という所もありました。
都のコートの時は、コート横に車をつけるのですが、「危険なんだから、コートを取らないで欲しいんだよな」と言われたこともありました。
初めてのコートでは、管理人の方が、「車椅子でテニスをやられる方を、初めて見ましたよ」と必ずおっしゃっていました。
車椅子の方は、平素お使いの車椅子とは別に、テニス用の車椅子を用意しなければなりません。
そのことに気が付いて、車椅子テニスの大会を見ると、確かに普段見ている物とは全然違います。
だから、必ず車が必要です。
自分自身の支度も、移動するのも、コートへ行くのも、本当に何もかも大変です。
でも、それでも、「練習できるんで、ありがたいです。」とおっしゃってました。
いまも、頑張って練習されているんでしょうか。
自分は何の役にも立てませんでしたが、車椅子テニスの方に、周りの方が少しでも理解をして下さることを願います。