テニススクール裏話。コーチはつらいよ編。

皆さんテニススクールに求めるものはなんですか?(読んでいる人がいればの話ですが。)
入会時のアンケートにあるように運動目的、技術向上、ストレス解消など様々だと思います。
歯医者さんで来院時のアンケートを形だけのものとして見ていないことがあり審美が目的なので「虫歯は治療しない」にチェックをしても虫歯があるので削ろうとする歯科医がいます。別のいきつけの歯医者さんで見てもらったところ「この程度では削らない」と言われました。

ラウンジの立ち聞きや飲み会の話しでは女性はストレス解消の人が多いのです。
打ち方とかウンチクが多いコーチは嫌だって人は5、6人いました(語弊があるといけませんが技術的なアドバイスが好きな人も1人います。)。
女性はストレス解消でバカ打ちしてもパワーがないからバカ打ちに見えない。

1対1のラリーで女性にスライスや当てただけの死んだ球を打ってあからさまに手加減するコーチは嫌だって人がかなり多いのです。「あたしたち ナメられてる」って言ってる。

ただ返したり一番弱く返すというのは簡単なんです。要するに手抜き。その人の運動能力を考慮して取れなさそうで取れるところに絶妙に配球したり どんな球も吸収して打ちやすい球に変換して返してきたり嫌らしい組み立てや配球して走らせていつの間にかたくさん打ってミスをしないから延々と続いてしまう状況が続くのが面白い。
現役時代の肩書きだけすごくてウンチクだけ多くて全然走らない取らないコーチやツーバンで返球するコーチもいます。
コーチが先にすぐミスしてしまう人が多くなってきた印象です。

カテゴリー: テニススクール | 投稿者ryu 18:19 | 1件のコメント

全豪女子ダブルス準決勝の勝敗を分けたものとは。

2017年2月11日 一部加筆修正致しました。

先日の日本VSフランスのデビスカップ・ダブルスでフランスのエルベール選手が不調なのは明らかでした。マウ選手が察知し、カバーし続けたあの試合はダブルスの勝敗を分ける教科書的な試合でした。

全豪女子ダブルス準決勝の穂積選手・加藤選手VSマテックサンズ選手・サファロバ選手の試合は教科書どおりの結果となり最後のマッチポイントにすべてが集約していました。
加藤選手はミルザ・ストリコバ戦のようなすばらしいテンポのよい動きから明らかにスタミナ切れで動きにキレがなくなっていました。穂積選手のポーチのフェイントで出るのか出ないのかわからない状態でスルーしてしまったので穂積選手の目隠しで加藤選手が止まってしまい加藤選手がミスしてしまった。穂積選手の「迷い」が生み出した失点でした。

ブレークポイントが長引きブレーク出来なかった次のゲームは体力の回復が間に合わずブレークされやすいのはテニスでは常識なので積極的に出ていかないといけないのにサービスゲームなのに守ってしまった。
大事な場面や緊張する場面での前衛の穂積選手の消極性が目立ちます。加藤選手の決勝まで体力を持たせる体力ゲージ増強も急務でしょう。
対してダブルスNo.1のマテックサンズ選手はその前のゲームは不調のサファロバ選手のサーバーを助けるべくミスをしても積極的に関わり続けました。

お互いの歯車が噛み合っているときはいいのですがパートナーが不調な時間帯や試合は必ずといっていいほど現れます。そのときにパートナーを守ることができるかが拮抗した試合の勝敗を分けていたのです。

カテゴリー: テニス選手 | 投稿者ryu 09:58 | 2件のコメント

日本はダブルス大国になれるはずなのになぜ消極的なのか。

全豪女子ダブルスの穂積選手、加藤選手の素晴らしいプレーぶりは記憶に新しいですね。加藤選手がロブをドライブボレーでカットした
り、随所でドライブボレーを多様していたのが斬新だったと思います。いままでにない攻撃パターンでした。

日本がダブルス大国になれる根拠としてまずテニススクールでダブルスをたくさんやっている。練習環境・練習相手が豊富。
テレビの解説陣もダブルスの技術解説はシングルスより的を得ている。
日本人が得意な型を開発しやすい。 オリンピックの男子リレーのバトンタッチのテクニックのようにコンビネーションによる技術的要因が入り込める余地がある。

何より日本人体型のすばしっこさはダブルス向きでハードヒッターと俊足タイプの凸凹コンビは自然に緩急をつけられる黄金スペックになりうる。自分がハードヒッタータイプであれば浮球や細かな球をカバーしてくれる俊足コントロールプレーヤーと組むといった感じです。
杉山愛というグランドスラマーの実績が選手の世界で通用するという精神的リミッターをはずしてくれる。
男子もサーブ・リターンの障壁がありますが鈴木選手・岩渕選手の純日本育ちでATPタイトルで優勝している。
特に女子は可能性は無限に広がりますね。

ダブルスから得られることととして外人の角度のあるサーブや球に慣れることができることが大きいと思います。
ダブルスを起点としてシングルスで躍進した女子選手は全米優勝者のサマンサ・ストーサー選手、サラ・エラーニ・ロベルタ・ビンチ組みの両選手はその後、シングルスでトップ10入りを果たしました。
逆に早々にシングルスに見切りをつけてダブルス専門に転向して成功した選手として2015年、2016年WTAダブルスNo.1のサニア・ミルザ選手がいます。
フェドカップ・デビスカップはダブルスが鍵を握ることは過言ではないと思います。

カテゴリー: テニス選手 | 投稿者ryu 09:12 | 1件のコメント

プロが躍進を遂げたきっかけとは。

試合前や試合後にインタビュアーが選手に「成績がよくなった理由はなんだと思いますか?」と聞く場面があります。
いくつか紹介したいと思います。

サラ・エラーニ選手   「ラケットを少し長くしたの。」 WTA8位になった頃です。
ドミニカ・チブルコワ選手「ラケットを少し重くしたの。」
スタン・ワウリンカ選手 「筋力トレーニングをしてから。」20位前後で停滞していた頃です。

サラ・エラーニ選手はバボラのピュアドライブからピュアドライブ+へ変更しています。
ここで突然クイズなのですが、3者の目的はなんだと思いますか?
そうです。強い球を打つためです。

2011年全米優勝者サマンサ・ストーサー選手
「女子サーフィン世界王者の彼女に頼んでメンタルトレーナーをお願いしたの。」

彼女は「強い球」を打つことが出来ていたので「強い心」を手に入れたかったのでしょうか。
では。

カテゴリー: テニスラケット, テニス選手 | 投稿者ryu 10:44 | 1件のコメント

ラケット偽装広告に警鐘を鳴らす。

インタビュアーがアンディ・マレー選手に「最近のラケットの進化はテニスにどのような変化をもたらしましたか?」の問いに
マレー選手は「ラケットって進化しました?僕は8年前にジュニアの大会で優勝したときから同じラケットとストリングスを使い続けています。」

寅さん「それを言っちゃおしまいよ」

カテゴリー: テニスラケット | 投稿者ryu 20:02 | 1件のコメント

西岡選手、ダニエル選手とトッププロのフォームの違い。

まずは失礼な表現をお詫びします。
西岡選手、ダニエル選手のフォームを一言で言うとワカメのようなジュニアのフォームです。

トッププロはドッシリとした構えからゆっくりとしたフォームで重い球が放たれる錯覚を利用したテニスです。

ダニエル選手が先日のデビスカップでガスケ選手の球をこう表現しています。

「チャンスボールだと思ったらそうではなかった。」

ツアーファイナルでジョコビッチ選手の打った何気ない球が予想以上に伸びてきて錦織選手がコントロールミスをしている場面が随所にありました。

ゆっくりなのになぜ重い球になるのか。
2つ理由があると思います。2つは1つでどちらがかけても連動しなくなり相乗効果は生まれなくなります。
1つは重いラケットを使用しているという点です。ジョコビッチ選手やフェデラー選手のようなフラットドライブ系のストロークを主軸した選手はラケット単体で340gのラケットを使用しています。伊達公子選手は370gです。例に倣うとトミック選手もプロの中では重いラケットを使用していると推測されます。フォニーニ選手は例外で315gでしたがバランスが325mmとスイングウェイトは重いと思われます。
スピン系の選手はナダル選手で314g、バランス325mm(数年前のデータ)、ツォンガ選手で325gのバランス325mmでフラット系の選手と比べ軽めです。

 

もう1つは腕と体の一体形成によるフォームです。
ヒントはWTA最高5位の160cmのドミニカ・チブルコワ選手の躍進にありました。
彼女のストロークのフォームを観察しますと体と腕を固定してオープンスタンスで凧が回転するように体重をぶつけるフォームで腕によるフォロースルーはほとんどありません。
錦織選手も同じ種類のフォームと言えると思います。
ちなみに303g~315g程度のラケットでも一体形成の凧回転による体重をぶつけるストロークによりゆっくりとしたフォームから相手が押されてしまう球を打つことができました。一般愛好家へのダウンサイジングが可能だと思います。

 

 

カテゴリー: テニスフォーム, テニス選手 | 投稿者ryu 12:56 | 2件のコメント

初心者の球出しはテニスを下手にする下地を作ってしまう可能性を秘めています。

ケルバー、ズベレフ兄弟を生んだ現代ドイツテニスの立役者でベッカー、グラフの幼少期のコーチでドイツテニスの総責任者でテニス学者のリチャード・ショーンボーン氏。
彼が長年の経験と研究を元に書いた著書で初めてテニスをする人たちへ述べていることを引用します。

[1] 一番最初にラケットのグリップを教えないコーチからテニスを教わるのは時間の無駄だからやめるべき。
[2] フォロースルーの位置を指導しないこと。
[3] 球出しはテニスとは別の競技だということを初めて試合をして悟ることになるのでやめるべき。
どうしても球出しをするならどこに来るかわからないランダムな球出しにするべき。

驚いたことにわたくしの経験した日本のテニススクールの十数校では真逆のことが十数年行われているのです。

[1]についての考察
最初にグリップを教えるのにはジュニアに関しては賛否両論があります。押し付けではなく自分で試行錯誤することにその人の独自性が生まれ無限の可能性を秘めているからです。
しかし、ウエスタングリップでスマッシュを打っている人に対してグリップを見ずに横向きで打ってくださいとアドバイスしている光景を何度も見ました。これはウエスタングリップだから前向きであり横向きをつくるのであれば先にコンチネンタルグリップを教える必要があると思います。
実はバドミントン教室のスマッシュでも同じアドバイスを受けて運動連鎖が途切れて下手になってしまっいる子供がいました。

[2]についての考察
大人のテニススクールでは日常的に「こうしない」と物まねをしてフォロースルーの修正指導が行われています。一例を紹介したいと思います。
その人はイースタングリップでフラット系の球を打っていました。「ラケットを下から」や「スピン、スピン」とワイパースイングのアドバイスを受けました。
実際にイースタングリップでストロークを打つと2つのアドバイスは非常にやりづらいことに気づきます。
[1]のグリップとつながっているわけですがグリップを見ずに厚いグリップが前提で教えられていたのです。
その人は打点が遅れているときにオーバーしやすいことに気づき遅れたときはスライスで対処しました。

[3]についての考察
前提条件として初心者を対象にしています。
練習したあとにゲームをしますが、テニススクールによって練習とゲームの質の差に愕然とした差を感じたことがありました。様々なテニススクールを経験することによりメニュー内容に大きな違いがあることに気づきました。一例を上げます。
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<初中級クラス>
Aスクール:クロスラリーやストレートラリーでアップ→反面クロスのボレーストローク等→全面を使った形式・テーマ練習→ゲーム
Bスクール:球出し練習30分~45分→コートを3分割しての個別練習→形式練習→ゲーム
Aスクールが圧倒的にゲームが上手いです。
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初心者の球出しによる弊害は次のようなことが考えられます。
[1] 空間認識が養われずらい→ボールがコートのどこにあるかという認識です。
ある実験があります。カエルを小さな箱に入れて育てるとその箱より高くジャンプしなくなるというものです。
[2] ボールがどこにくるかわかっていることが多く、どこにくるかわからないという不安要素の少ない状況下で習得した技術は実際のゲームとは異なると同時にプレッシャー下で崩れやすい。程度の差はあれプレシャー下の中で習得した技術は実際のゲームで生きてくると思います。
[3] [1]と[2]からテニスで大事な「予測」が養われず実際のテニスではワンテンポ遅れてしまう→緊張や混乱を生む→ミスが多くなるということが言えると思います。
リチャード・ショーンボーン氏は端的に「テニスとは別の競技の練習」と表現しています。
このワンテンポ違うテニスを最初に習得してしまうと後のテニス自体が下手になります。
最初が肝心とはテニスにも当てはまるのです。

カテゴリー: テニススクール | 投稿者ryu 02:17 | 1件のコメント

テニススクールで下手にされる現象

ボレーの練習で同じ高さや速さの球出しでフォームが固定されてしまい実際のゲームのランダムな球で同じように打ってしまい下手になっていました。

よくテニスはゴルフのフォーム習得と比較されるときがあります。
テニスは同じ場所で打つことは一生に一度あるかないかと言われています。
ゴルフのスイング回数では問題にならないような筋肉疲労もテニスは回数が圧倒的に多く固定されたフォームで打ち続けることにより特定の筋肉が疲労しやすくなります。
ケルバー選手VS土居選手の試合を呼び起こします。ケルバー選手を追い込んだ四角四面の土居選手のテニスに対してケルバー選手はクロスボールを急遽ストレートに方向転換してラケットをフォロースルーでスネに当てながらも捻じ込んだのです。
大事なのはボールの行く末だと思います。

カテゴリー: テニススクール | 投稿者ryu 00:52 | 1件のコメント

デビスカップ・ダブルスの杉田選手にガッカリしました。

フランス平行陣、日本ツーバックで杉田選手が強いと思われるショットを相手のいるほうに打ち込んでフランスにいなされる場面が多々ありました。
あんなに速い球はいるでしょうか?
相手のいるほうに速い球を打っても失礼ですがもっと強い球を受けたことがあるフランスにとっては痛くもかゆくもないでしょう。
最後はお決まりのネットミス。前にデビスカップで杉田選手がダブルスで出場した試合も同じでしたね。
フランスの足元に何球も何球もしつこく沈めて浅くなった球や浮いた球やドロップショットを引き出してそこから展開していけばいいのではないでしょうか。
スペインのロペス、グラノイエルスのダブルスはツーバックから相手の足元に沈めて浮いた球をボレーやスイングボレーで2人でジワジワと歩きながら前に詰めて行きます。

カテゴリー: テニス選手 | 投稿者ryu 23:52 | コメントをどうぞ

ラケットが形成する球種

大坂なおみ選手が語られる際、セレナ・ウイリアムズ選手が引き合いに出されます。
大きな違いは球種で大坂選手はフラット系、ウイリアムズ選手はスピン系なのです。
大坂選手の球種は良くも悪くもラケットの性格がそのまま出ています。
▼大坂なおみ選手
ヨネックス98インチ ストリングス:ポリエステル
▼セレナ・ウイリアムズ選手
ウイルソン104インチ ストリングス:縦ナチュラル、横4G

キレはありますが全豪では大事なポイントで安定感に欠けるショットが随所に現れました。
慣れによるものかラケットの相性によるものか今後明らかになっていくと思いますがウォズニアッキ選手が一時期バボラのアエロプロドライブからヨネックスに変更して元のバボラに戻したように合う合わないがありますのでウイルソン104インチも試してもらいたいです。
今のままですと大事なポイントが取れないただのハードヒッターで終わる可能性があるからです。

カテゴリー: テニスラケット, テニス選手 | 投稿者ryu 23:21 | 1件のコメント