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ラケット偽装広告に警鐘を鳴らす。

インタビュアーがアンディ・マレー選手に「最近のラケットの進化はテニスにどのような変化をもたらしましたか?」の問いに
マレー選手は「ラケットって進化しました?僕は8年前にジュニアの大会で優勝したときから同じラケットとストリングスを使い続けています。」

寅さん「それを言っちゃおしまいよ」

カテゴリー: テニスラケット | 投稿者ryu 20:02 | 1件のコメント

西岡選手、ダニエル選手とトッププロのフォームの違い。

まずは失礼な表現をお詫びします。
西岡選手、ダニエル選手のフォームを一言で言うとワカメのようなジュニアのフォームです。

トッププロはドッシリとした構えからゆっくりとしたフォームで重い球が放たれる錯覚を利用したテニスです。

ダニエル選手が先日のデビスカップでガスケ選手の球をこう表現しています。

「チャンスボールだと思ったらそうではなかった。」

ツアーファイナルでジョコビッチ選手の打った何気ない球が予想以上に伸びてきて錦織選手がコントロールミスをしている場面が随所にありました。

ゆっくりなのになぜ重い球になるのか。
2つ理由があると思います。2つは1つでどちらがかけても連動しなくなり相乗効果は生まれなくなります。
1つは重いラケットを使用しているという点です。ジョコビッチ選手やフェデラー選手のようなフラットドライブ系のストロークを主軸した選手はラケット単体で340gのラケットを使用しています。伊達公子選手は370gです。例に倣うとトミック選手もプロの中では重いラケットを使用していると推測されます。フォニーニ選手は例外で315gでしたがバランスが325mmとスイングウェイトは重いと思われます。
スピン系の選手はナダル選手で314g、バランス325mm(数年前のデータ)、ツォンガ選手で325gのバランス325mmでフラット系の選手と比べ軽めです。

 

もう1つは腕と体の一体形成によるフォームです。
ヒントはWTA最高5位の160cmのドミニカ・チブルコワ選手の躍進にありました。
彼女のストロークのフォームを観察しますと体と腕を固定してオープンスタンスで凧が回転するように体重をぶつけるフォームで腕によるフォロースルーはほとんどありません。
錦織選手も同じ種類のフォームと言えると思います。
ちなみに303g~315g程度のラケットでも一体形成の凧回転による体重をぶつけるストロークによりゆっくりとしたフォームから相手が押されてしまう球を打つことができました。一般愛好家へのダウンサイジングが可能だと思います。

 

 

カテゴリー: テニスフォーム, テニス選手 | 投稿者ryu 12:56 | 2件のコメント

初心者の球出しはテニスを下手にする下地を作ってしまう可能性を秘めています。

ケルバー、ズベレフ兄弟を生んだ現代ドイツテニスの立役者でベッカー、グラフの幼少期のコーチでドイツテニスの総責任者でテニス学者のリチャード・ショーンボーン氏。
彼が長年の経験と研究を元に書いた著書で初めてテニスをする人たちへ述べていることを引用します。

[1] 一番最初にラケットのグリップを教えないコーチからテニスを教わるのは時間の無駄だからやめるべき。
[2] フォロースルーの位置を指導しないこと。
[3] 球出しはテニスとは別の競技だということを初めて試合をして悟ることになるのでやめるべき。
どうしても球出しをするならどこに来るかわからないランダムな球出しにするべき。

驚いたことにわたくしの経験した日本のテニススクールの十数校では真逆のことが十数年行われているのです。

[1]についての考察
最初にグリップを教えるのにはジュニアに関しては賛否両論があります。押し付けではなく自分で試行錯誤することにその人の独自性が生まれ無限の可能性を秘めているからです。
しかし、ウエスタングリップでスマッシュを打っている人に対してグリップを見ずに横向きで打ってくださいとアドバイスしている光景を何度も見ました。これはウエスタングリップだから前向きであり横向きをつくるのであれば先にコンチネンタルグリップを教える必要があると思います。
実はバドミントン教室のスマッシュでも同じアドバイスを受けて運動連鎖が途切れて下手になってしまっいる子供がいました。

[2]についての考察
大人のテニススクールでは日常的に「こうしない」と物まねをしてフォロースルーの修正指導が行われています。一例を紹介したいと思います。
その人はイースタングリップでフラット系の球を打っていました。「ラケットを下から」や「スピン、スピン」とワイパースイングのアドバイスを受けました。
実際にイースタングリップでストロークを打つと2つのアドバイスは非常にやりづらいことに気づきます。
[1]のグリップとつながっているわけですがグリップを見ずに厚いグリップが前提で教えられていたのです。
その人は打点が遅れているときにオーバーしやすいことに気づき遅れたときはスライスで対処しました。

[3]についての考察
前提条件として初心者を対象にしています。
練習したあとにゲームをしますが、テニススクールによって練習とゲームの質の差に愕然とした差を感じたことがありました。様々なテニススクールを経験することによりメニュー内容に大きな違いがあることに気づきました。一例を上げます。
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<初中級クラス>
Aスクール:クロスラリーやストレートラリーでアップ→反面クロスのボレーストローク等→全面を使った形式・テーマ練習→ゲーム
Bスクール:球出し練習30分~45分→コートを3分割しての個別練習→形式練習→ゲーム
Aスクールが圧倒的にゲームが上手いです。
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初心者の球出しによる弊害は次のようなことが考えられます。
[1] 空間認識が養われずらい→ボールがコートのどこにあるかという認識です。
ある実験があります。カエルを小さな箱に入れて育てるとその箱より高くジャンプしなくなるというものです。
[2] ボールがどこにくるかわかっていることが多く、どこにくるかわからないという不安要素の少ない状況下で習得した技術は実際のゲームとは異なると同時にプレッシャー下で崩れやすい。程度の差はあれプレシャー下の中で習得した技術は実際のゲームで生きてくると思います。
[3] [1]と[2]からテニスで大事な「予測」が養われず実際のテニスではワンテンポ遅れてしまう→緊張や混乱を生む→ミスが多くなるということが言えると思います。
リチャード・ショーンボーン氏は端的に「テニスとは別の競技の練習」と表現しています。
このワンテンポ違うテニスを最初に習得してしまうと後のテニス自体が下手になります。
最初が肝心とはテニスにも当てはまるのです。

カテゴリー: テニススクール | 投稿者ryu 02:17 | 1件のコメント

テニススクールで下手にされる現象

ボレーの練習で同じ高さや速さの球出しでフォームが固定されてしまい実際のゲームのランダムな球で同じように打ってしまい下手になっていました。

よくテニスはゴルフのフォーム習得と比較されるときがあります。
テニスは同じ場所で打つことは一生に一度あるかないかと言われています。
ゴルフのスイング回数では問題にならないような筋肉疲労もテニスは回数が圧倒的に多く固定されたフォームで打ち続けることにより特定の筋肉が疲労しやすくなります。
ケルバー選手VS土居選手の試合を呼び起こします。ケルバー選手を追い込んだ四角四面の土居選手のテニスに対してケルバー選手はクロスボールを急遽ストレートに方向転換してラケットをフォロースルーでスネに当てながらも捻じ込んだのです。
大事なのはボールの行く末だと思います。

カテゴリー: テニススクール | 投稿者ryu 00:52 | 1件のコメント