ロビン・ソダーリング 

ボルグに始まり、エドバーグ、ビランデル、エンクイスト、ノーマン・・・挙げ始めたらきりがないくらい、素晴らしい選手を次々と輩出してきたスウェーデン。

国の人口から考えると、どうしてこんなにすごい選手が、次々と現れるのか・・・

スウェーデンはテニス王国だと思っていた。

しかし、そのテニス王国にも陰りが見られるようになり、ついにトップ10には誰もいなくなってしまった。

そんな中、全仏オープンで、一気に世界の中心に躍り出た選手がいた。

それがロビン・ソダーリング。

193cmの長身。胸をはって、長い手をしなる鞭のように使って、高い打点からフラット系で打ってくる姿は、惚れ惚れする。

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2009年の全仏オープン。その年に5連覇を狙っていたナダルと、4回戦での対戦、6-2, 6-7(2), 6-4, 7-6(2) で破り、初出場以来、一度も負けたことがない(とんでもない記録ですが)ナダルに初めての黒星をつけた。

その後も、順調に勝ち上がり、決勝でフェデラーと対戦。フェデラーは、この時、ソダーリングに勝ったことによって、生涯グランドスラムをなし得たのであった。

この時の表彰式、さすがのフェデラーも感極まって、涙を見せていたが、ソダーリングが「フェデラーには今まで10回対戦し、10連敗。さすがに11連敗はないと思って、決勝に臨みましたが、11回になってしまいました」と、周囲の笑いを誘うスピーチをして、表彰式は明るい雰囲気となり、みんなが笑顔で、フェデラーの偉業を称えた。

その翌年、2010年の全仏では、ソダーリングはフェデラーを準決勝で破り、決勝に進出。決勝ではナダルに負けはしたものの、2年連続のグランドスラム決勝進出は、彼が一発屋ではなく、真のトッププレイヤーであることを示した。

そして、その年の年末には、ランキング4位となり、フェデラー、ナダル、ジョコビッチに次ぐ選手は、ソダーリングであった。

しかし、翌年の2011年夏、彼を悲劇が襲った。伝染性単核球症である。松岡修造さんもこれにかかり、苦しんだ時期があった。

「伝染性単核球症」はEBウィルスというウィルス感染で、発熱、咽頭痛、リンパ節腫脹などの症状が出現し、通常は数日でよくなるが、症状が数カ月も続き、発熱などの体調不良を繰り返す場合がある。

ソダーリングが自ら語った経過からも、体調がよくなって、練習を再開しようとすると、また熱が出る、というのを繰り返していたようだ。何回かATPツアーに参戦の意思表示をしていたが、それを撤回せざるを得なかったのは、その病気のやっかいな経過のせいであろう。

あんなに華々しい活躍をしていたソダーリングが、よりによって、この疾患にかかって、戦線を離脱することになるとは・・・

私は、きっと戻ってきてくれると信じて、ずっと待っているのだが・・・

先日、ストックホルムで行われた、ATPチャンピオンズツアーの映像を見ると、なんと、ソダーリングが観戦してた。

いくらか、顔がふっくらした印象だった。子どもも生まれて、幸せに暮らしているらしい。

もう、ツアーに戻ってきてはくれないのかな・・・

しかし、彼が、あまりにつらい現実を受け止め、それを乗り越えて、幸せに暮らしてくれていることが、一番願わしいことだと思う。

 

全仏オープンでの、その後のナダルの快進撃は周知の通りだが、そのナダルに全仏オープンでただ一人、土をつけた男として、毎回名前が挙がるのが、私はうれしい。

ソダーリング、ワクワクさせる試合をたくさん見せてくれて、ありがとう。

 

 


カテゴリー: お気に入りの選手 | 投稿者なおにゃお 18:16 | 2件のコメント

コメント(2)

  1. そうですね~ どちらが勝つのかわからない、内容の濃い試合を観るのが、楽しいですよね~

    なおにゃお なおにゃお より: 2013年10月19日 15:58 返信
  2.  時代は違いますがグラフやサンプラスの様に、勝ったり負けたりするライバルが沢山いた方が充実した選手生活だと思います。やはり一人勝ちの状況は面白くないですよ、見る側からすれば・・・。

    T・E・ローラン より: 2013年10月18日 18:57 返信

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