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サーブのインパクトについて

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あらゆるショットの成否は、ラケットがボールに当たるときに決まります。良いスイングや意図的なスイングが出来ていたとしても、当たり損ねや空振りでは意味がありません。

いいかえると、スイングというのは正しい(イメージ通りの)インパクトの為にある、ということになります。

前回サーブが得意と思える条件に付いて書きましたので、サーブについて正しいインパクトというのはどうなのか、ということを考えることで、サーブのもっとも初歩的なこと、その動作に要求されていることは何かを考えてみたいと思います。

球種がいくつかあるとします。

フラット・スライス・スピン・・・境界線がはっきりしたものというわけではないので、トップスライスとか、キャノンサーブやツイストとか、見た人の印象で新語も生まれます。これらはみんな、ラケットがボールに当たるときに出来る「差」によって生まれます。

狙った点が一緒…打ったサーブの飛球到達点が同じような所になるには、インパクトの面の向きは同じになる必要があります。回転や効果が違ってくるのは、インパクト前のスイングの侵入角度などのラケットヘッドの動きの差によるものです。

標準をフラットサーブとしてインパクトを考える

フラットサーブというのは、無回転とか、回転数の少ない、ととらえるのは良くないと思っています。サーブのスイングから生まれるインパクトでは強く当てられるようになればなるほどスイング方向からの影響で厚く回転がかかるものだからです。要は、「厚い当たりの速いサーブ」です。

オーバーヘッドショット(サーブやスマッシュ)のパワーは、インパクト時のラケットヘッドの速度に依存します。この速度を高めるには前腕のプロネーションが必要になります。この動作は複合した肩から手首までの複合した動きから生まれるので、動作の細かい説明は出来ないと思ってください。出来たとして、理解できたとしても頭で考えながらやると遅くなります。以下に説明をしていきます。

※プロネーションの説明※

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手を洗って、濡れたままの手についた水滴を、拭かずに払う動きをイメージしてみてください。両腕を胸位の高さに上げると、指が内側になるように払いますね。はい、それがプロネーションによって生まれる「手の先端のトップスピード」です。

濡れた指の水滴を、イタズラに正面の人に向かってかけるようにするなら、顔の上の高さからスナップを使ってピュッと飛ばしますね。これもプロネーションを使ったオーバーヘッドのスイングです。

では、ラケットの先に水滴がついている、と想像したらどうでしょうか?手だったら手首の位置を中心に指が速度を増して水滴が飛ぶようにします。

ラケットのグリップをもっているなら、グリップエンドの部分とくに小指と薬指の2本のあたりを中心にヘッドが回るようにして、ピュッと振ることが出来ます。

さて、厚いグリップではできないですね。薄めであれば、コンチネンタルでなくても大丈夫ですから、ラケットの先端がグリップエンドを中心に水滴がついていたら飛ばせるくらいの動きをさせてみましょう。けっこう手首だけではできませんよ。

プロネーションの動きは、肘が伸ばされていく方向の腕の動きということもできます。きれいにできている時には、打点は腕が伸びきったあたりに自然になっているはずです。細かいことは考えずにラケットを振ってボールを打って自分の身体で確かめてみましょう。

さてここで注意です!

ここまでで、よく「ひじの角度が〇度でなければいけない」とか、「ここでの手首の動きはどう…」と細かいところが気になって、動作のどこかしらを止めて調べようとする人が結構いるんです。関節の可動域とか、人によって違うものなので、違和感の出るような形で無理にやるよりは、「先っぽについた水滴をピュッと払う」という動きをラケットをもってやってみる事と、それを頭の上でボールに当てて飛ばしてみることが先です。

ボールに当たる感覚がかすれてしまうとかで、うまくいかないと感じる人もいると思います。やり方が悪いのではなくて、ポイントがずれているんですね。ラケットに当たってスパッと飛んでいくところは、何度も言うように、先っぽについた水滴なら、まっすぐ飛ぶイメージがあるんじゃないでしょうか?水滴が離れるところは、狙ったラインに乗せるポイントなので、ボールを打つときにもその位置に合わせられるかどうかがカギになります。

コントロールのことは、後回しにしましょう。どうやったらどっちに飛んでいくのかがわかったら、狙ったところに打ってみようと思うのが上達を目指している人の自然なことだと思っています。だから、手首だけでスパッと打てたら、それがどのくらいの勢いで、どのくらい自分の意思を反映したものになるか、感じ取りながら練習をしていきましょう。

最初から100点満点になる方法はありません。徐々にやり方や感覚を掴んでいくうちに、「わかった!」と思う頃には自分の技術になっているはずです。

ライター:永木康弘

テニス歴31年、46歳。フリーテニスコーチ。

専門学校時代に雑誌編集を学び、雑誌社で編集のアルバイトを経験。

テニスコーチとして勤務を続け、41歳で独立。現在はフリーのスクールコーチとして活躍中。

関東・関西の首都圏で行われているジュニア向けのテニスキャンプや、ワンデイクリニックなどを担当。

 

カテゴリー: スキル・練習 | 投稿者オールサム | 7,717件のコメント