マニア垂涎の「ラケットスタジオ」

通勤に使っている道路で、もとは花屋さん?というテント看板のお店。

いままではそこのお店はすでに営業をしていないお店で、珍しくシャッターが開いていました。

ガラス戸に貼られていたシールに見覚えが。「RA-TEST」

むかし、このラテスト(ラケットテスト)のオリジナルラケットである、セミオーダーのフレームでラケットを作ってもらったことがありました。

数日前に、朝の通勤途中でそれをみつけ、日中時間があって、もしシャッターが開いていたらご挨拶させていただこうと、心に決めておりました。

 

で、今日、昼日中に通りがかったところ、

開いていました!!

ガラス戸を開け、「こんにちは〜」と入ると、「はい!」と反応のいい声。

自分の身分を明かし、とても興味があって、一度ぜひお話を伺いたかった旨つたえると、快く席を作ってくださって、2時間ちかく、お邪魔させていただきました。

ラケットスタジオ、という店名?お名刺をいただいて、その代表者として店をやられている、坂本さん、というおじさんがとても凄い人でした。

 

どんなお店だか、知っている人は知っているかもしれませんね。

 

ラケットのチューニングの専門ショップです。

坂本さんご本人からも、「もう小売はやっていない」とおっしゃっていましたが、店内にはラケットの展示が。

よく見ると、フェースのテンションをグリップのところで変えられる、「マグレガー・バーゲリン」や、ストリングス面が二つある「ブラックバーン」などの珍しいものをはじめ、ビンテージラケットばかりが並んでいました。そして、グリップをまだウレタン形成していない状態の、ラテスト・ラケット。

そして、壁一枚隔てて、工房。

 

この工房が。。。

 

自分で作業台を木工で組まれていて、丈夫で使い勝手のいいものを気持ち良く置かれていました。

各ラケットメーカーのグリップ成型用の金型をサイズ1〜6まで揃えており、グリップサイズだけでなく、長さや重さ、バランスまで調整してラケットを自分好みにチューニングのできる、というところ。

もちろんストリンギングもできますが、メインはこのチューニングのためのショップということなんです。

測定のための機械もさまざま。これ揃えるの、おかねかかるんだよ〜

バランス測定器(静止バランス)

スイングウェート測定器

ラテスト値の測定器(フレームの硬さを測る)

面圧の測定器

フレームの硬さの簡易型測定器(素材の周波数を測る)

いーやーあー。。。

絶句しました。楽しくて。

お話を伺いながら、なんど目を丸くしたか。

ご主人の坂本さんは、もとウイルソンの開発チームにいらしたそうで、そこから業界の深部をそうとう歩いてこられた、そっちの世界のレジェンド的な方でした。

失礼ながら、存じ上げませんでした。ワタシ、現場サイド一辺倒だったもので。。。

ラケットの本質とは、フレームの話、メーカーからは言えないラケットの秘密、大事なストリングスの話、プレーヤーの感覚と職人との間の話。。。興味がつきません。

ワタシが知りたいな、と思ったことがあっても接点も見にいく機会もなくて知りえなかったことを、ほんの2時間足らずの間にたくさん伺うことができました。

何より凄いのは、初対面のワタシにも、会ってすぐになにも包み隠さずに色々と教えてくださったことです。

まさに、目を見張るような時間で、聞いたことを忘れちゃいそうなのを必死で頭の中にメモしておきます。

膝をつきあわせて話してくださっている坂本さんも、だんだん活き活きして目が輝いてきているようでした。吸い込まれるようにオタクのワタシが必死でその話の深さについて行っている状態。

先週、せっかくの機会を逃した「オタクの社会科見学」の、十分代用になり、ものすごく勉強させていただきました。

時間があったら、通っちゃいます。


カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 17:36 | 1件のコメント