月別アーカイブ: 2019年5月

不調でもテニスは好き

不調、というのはいわゆる選手が言うところのスランプとかではなくて、2年くらい前に腱板損傷という肩のケガをして、だましだまし使いながら、より肩に負担のかからないサーブのフォームとかを考えたりしながら続けていましたが、12月くらいに悪化して、我慢ができずに診断を受けたら肩腱板断裂、ということでした。

 

2月くらいには下からワインドアップして腕を挙上して、サーブを打つのに前腕を外旋させていくともう痛みで力が抜けてしまいます。それでサーブそのものがもう打てなくなるんだろう、っていうなんだかもうテニスへのモチベーションがすべて落ち込んでいくのを感じていました。

 

地元にある、何かあればお世話になっている整形外科さんへ行って、仕事を休むことはできないが何とかなる方法はないものか、と相談したところ、ちょっとした治療をしてもらって、2週間くらい経ってから、ややケアの仕方によっては動かせる範囲が広がったり、痛くない日が出るようになりました。

 

以前に肘の腱を切ってしまったときにも、同じような治療をしてもらって半年くらいかかっていたはずのテニス肘(その時は2回目だった)が2か月くらいで不通にラリーができる程度になったことを覚えていて、その時のような感じで今回も2か月くらい経ったところで徐々に良くなっていることを感じられるようになってきました。

 

というわけで、日によってという条件ではありますが、1セットくらい、確率重視っぽいサーブしか打たない(セカンドを打つと数が増えるからなるべくファーストを入れたい)ゲームだったら、何とかできる感じに。

 

ゆうべ、お世話になっているスクールの最上級クラスで久々にゲームに入り、若くて元気のいい人たちを相手にダブルスでほんの3ゲームくらいだけ、混ぜてもらいました。

そのあとに、自然とすごくテンションが上がっている自分がいました。

力は入れないようにしているけど、動く形のパワーを活かしてタッチの感覚につなげただけのサーブから、サーブ&ボレーにいくソリッドな感覚

そのボレーをしっかり止めるような感じで浮かないようにコントロールし、次のポジションに移ってプレッシャーをかける。。。

そういう、数か月間だけですが離れていたような感覚に戻れて、高揚したんだと思います。

大したプレーはしていないですが、できる喜びってすごいなと初めてくらいの感じで自覚しました。

肩が痛むときは、フォアハンドストロークも振りはじめで上腕が外旋すると痛み、遠いハイボレーとかに腕を伸ばそうとすると痛み、何でもないラリーができる癖に今までのようにうまく打てない、と分かってしまうと自分がやっていることがつまらないものに感じていたのかもしれません。

その12月からつかっているラケットのフィーリングとか、使うストリングスの種類やテンション、その結果として自分のテニスのタッチがまたよくなる、なんていうことも、いままでは「できる」という条件の下で考えて作っていましたが、いまはそのおかげで使いやすくてレベルが下がらない、という喜びのもとにもなっています。

 

身近な方だったら、試させてもらった人も読んでくれているかもしれませんが、私のラケットを、ちょっとだけ感覚がずれてるんじゃないかな、って見える人に渡してあげると、なにもアドバイスしなくてもいい球を打てるようになる、魔法のラケット(対象者を選ぶ)っぽいところまで作れるようになったんです。

私が背が高くて、力が強くて、とか、先天的にボールを打つ感覚が優れていたようなプレーヤーじゃなかったから、そういう道具のほうにも「うまくなる要素」を考えるようになったのかもしれません。

まだまだ、テニスを楽しめることがわかりました。生業としている身とはいえ、これってすごく幸せなことですよね!

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:46 | コメントをどうぞ

初めてはきんちょうする

youtubeに投稿するようになりまして、おかげさまで「実際にレッスンを受けてみたい」をいうオファーをすこし、頂けるようになりました。

これまでも色々なお客様を見させてもらってきましたし、スクールでは体験レッスンに来られる方も多々いらっしゃるので、「はじめて見る」お客さまって、そんなに苦手という意識はありません。

また、あたらしい勉強ができるという点では、すごく見させてもらおうっていう気持ちもあるんですね。ラケットの握り方やそれに合わせた身体の使い方、またはどんなふうにボールを見て反応するか、と言うのを見ると、その人の身体の内部で起こっている反応を見ることが出来るような気がします。

もちろん、言葉で言い表せるものばかりではないので、一緒にラケットを持ちながら「今こんな感じでボールタッチしますよね?」というところから、それを「こんな感じで」って伝える時間は、コーチとしては凄く楽しい。

しかしながら、急にここんところ「YouTubeをみて永木コーチにお願いしたい」というオファーが幾つか来ただけで、なぜかその方が「先に私がどんな人か」を知って、それから来てくれるということにナニカすごく緊張する感じになっています。

私が画面の中でどんなふうに映っているのか、捉え方は人それぞれなんじゃないかと思っています。

特に私は撮影の時にキャラを作るようなこともしないでやっていますし、友人からは「本当にいつも通りのナガキさんだよねー」って逆に感心?されてるようなコメントももらったりしていますから、緊張するようなことも無くていいのかもしれないんですけど、実際にそういうオファーをもらうと、やはり最初のメールをいただいた時点で緊張しますね~(笑)

ただ、お会いしてご要望を聞いて、どんな具合なのかを実際に見させてもらうと、思った事しか言えなくなるので、その辺からはいつも通りに戻ります。

経験上、癖の強い人の癖を直すことは今まで成功したことがなく、その独特のリズムの上で出来ることを考えたほうが良かろう、とかっていうパターンになることも少々ありました。

たいがいは、体ってこういう構造だし、ボールとラケットの力学的な条件を考えるとこんな風にスイングを作ったらいいんじゃないか、ということをその人のボールの打ち方と、その方がどんな風に自分のイメージを持ち、そのうえでどんなショットを打てるようになりたいのかが聞ければ、一生懸命考えます。

頭の中には3D?というかその人が動いているイメージとか、手の中にボールを打った感覚がどんな風に宿ればいいかをイメージするところから、欲しい要素や、ボールへのアクセスの仕方なんかを説明していくようにしていきます。

ボールってまっすぐ見ているだけでは見えない事もあったり、体をひねったり後ろへ向いたりすることで腕の使い方が変わることが凄くあるので、慣れないと出来ない事も、上級者のテクニックの中にはあります。

ボールやラケット、またスイング中の自分の動きに意識がある人は最初っから上手く見えて、例えばタイミングをボールに合わせないとスイングが始められない人や、力を入れると凄い速さのラケットが動く、というような印象の人(ジュニア初心者などはそんな感じが多い)には、動きのイメージが出来ないと何も始められません。

聞く耳には知識を入れていっても大丈夫なんですが、このレベルの人は聞いて納得してもまずできません。自分の体を操縦しなれていない。

人間、自分では無意識に出来ている事がかなりあって、そんなもんだろうって勝手に体が対応しちゃうことが多いものです。

たとえば、二本の足で立っていることだって、どこの筋肉にどうやって力を入れると倒れずにいられるのか、なんて意識しないですよね。

ラケットって5本の指でぐわって持って何となくボールに合わせて振ればどうにかなるんだろうと思っていると上手くいきません。

上手い人ってそこに感覚があるんですよね。スイング中のラケットがどっちに向いていてどこを走ってやってくるのか、それが飛んでくるボールに合っているのかいないのかも、先に準備されたものになっているはずなんです。

飛んでくるボールをよく見ているだけではなくて、そのボールを見ながら準備する物の最適解は何かを先に準備出来るようになっているという事。

瞬時にその判断が出来る、という事が基本をやりこなしているという事であり、判断通りの準備が結果を外さない、ということはその人にはパターン認識ができていて瞬時に引き出しが開くようになっている、という訓練されたものの上に出来ています。

最初は緊張するものなんですが、やっていくうちにどんな人でなにを求めているのかがプレーに表れてくるようで、すごく楽しくなってきます。

今後はホームページなどを整備して、そういう人たちをもっと受け入れできるようにしていきたいとも思っています。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:23 | コメントをどうぞ

クレーコートシーズン

ゴールデンウイークには、今年初めての経験でしたが、ジュニアテニストーナメントの行われた秩父へ、ジュニア選手の帯同コーチとしてテニスキャンプを開催しました。

秩父ミューズパーク、という所で、テニスコートが実に52面もある!それも点在しているのではなく、区画の中が全部コートっていうエリアがあって、壮観でした。

そこに参加してくれたジュニアも頑張ってくれて、初めて会った日よりも試合の日の方がパフォーマンスが高く、練習の成果や作戦についてもしっかりやってくれていました。

そういう経験もなかったものですから、とても刺激的でした。

さて、そこがクレーコートだったのですが、大学生の頃以来?のクレーコートでのテニス。

前日まで大雨で、コートが緩んでいて、我々が使う時間までローラーを入れて作業してもらっていたようですが、それでもフットワークで足跡が掘れていきます。

昔ながら、という感じでラインテープやそういった足跡でイレギュラーするんですが、バウンドがすごく高くなって、恥ずかしながら空振りとかしちゃいます。

普段はライジングで打つリズムでコートに立ちますし、ポジションやフットワークのイメージがどうしても普段の形になりますが、この日はさすがに下がってバウンドが見えるようにしました。普段よりも3歩ぶんくらい下がっての風景は、バウンドの遅いコートっていうこともあってラリーを終わらせない、打っても終わりにならない、っていう風景でしたね。。。この中で果てしなくラリー続いちゃうような試合って。。。おっかねぇ~って思っちゃったりしました。

 

さて、そんなクレーコート体験をしてきた今年も、プロテニスの世界でもクレーコートシーズンはいよいよ佳境に。あとはもう今週のローマと来週から始まるロラン=ギャロのみ。

ことしはですね。。。クレーコートのテニスに、新しい方の波がかつての王者を飲み込もうとしている勢いのあるテニスになってきていますね。

ナダルが負けてる!っていう衝撃もあるんですが、全体にラリーのペースが速くなってきている気がします。それに伴って展開がハードコートに近づきつつある。

そのパターンと言えばフェデラーが筆頭に上がるはずですが、今年はジョコビッチが高い集中を保ってコートに君臨している感じです。

もちろんナダルも弱くなったようには見えません。ただ、彼の世界中を驚かせたコートカバリングをもってしても撃ち抜かれているシーンがさすがに増えた。それだけラリーのペースが速くて止まらない。

ナダルのような選手は、常に相手よりもテンポが速く、カウンターのコースがきつく出来たら逆襲へ、というパターンで王者に居続けている訳ですが、相手がそれを凌駕しようと遠いところへ、深く早い球を打ってきても角度を付けたり、深く返すショットが鋭かったりすることでカウンターになり、相手がそれ以上にきついボールで攻め込めないうちに逆襲していました。

今年は、そのテニスの上にもっときつい2球目や3球目に続けられてしまう、というパターンが見受けられます。ナダルをもってしてもさすがにボールが浅くなって振り抜かれてとれない、というシーンで驚きの連続でした。

 

かたや錦織選手は、そのレベルに一歩で送れるようなシーンがある様に見えます。去年からWOWOWが見れるようになったので、沢山見ましたが、先に攻める、が効果がでれば錦織はまだまだ強いテニスを維持していますが、クレーコートでは単発というか、速いコートでのテニスよりもラリーがタフになってしまいます。

受け身のパターンでどうしても後手に回ってしまうようなシーンが多くて、みていてはらはらします。それでも勝っちゃうような試合がまだあるんで、錦織圭ってほんとにすごい選手だなぁと関心もしますが、ナダルを倒すような選手はちょっと次元が変わっていているようにも見えるので、今年のフレンチはきつそうな予感。。。

ゆうべも好調というか、勝つ気満々のシュワルツマンにストレート負けを喫しましたね。シュワルツマンもテニスも良かったし、何しろタフに狙い続ける素晴らしいテニスでしたから、昨日は仕方なかったかもしれません。

フレンチオープンは、2週間の長丁場でもあるし、よりきつくなります。ローマでの錦織も、マドリッドでの錦織も、調子に波がありましたが、彼自身が自信に満ちている時にはやはり無双の強さがあると思います。そうでなければ世界のトップ10を維持することなんて絶対にできないわけですからね。

前半は生き残るイメージがあると思いますから、まずその1週目をイメージよく乗り切ってほしいと思います。

ドローはどうでしょうかね。。。楽しみです。

 

カテゴリー: プロ選手オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:31 | コメントをどうぞ