リアルタイムで観ていました。
1セット目から、ドキドキしていました。対戦相手のペールは、リズムにクセのあるサーブ。フォームもなで肩?なのか腕が下がったところからコースの読みづらいスイング。
序盤からドロップショット、バックハンドへ回り込んでのひっぱたきなど、曲者でした。
試合を見ていて思い起こしたのは、ナダルが去年からカモられているブラウンとの戦い。
ブラウンも、ロケットのようなリターンから、一気にネットに詰めてドロップなど、走ってリズムをつかみたいナダルを相手に、なるべくラリーをしたくないという姿勢を貫いていました。
錦織は、ペールに対してグッドリターンをお見舞いしてラリーを始めて圧倒するはずのところが、そのリターンが思うようにコートに入らない。
ゆいつ、フォアハンドのストレート系が良かったですが、感覚の違う(ボールが高めに出てアウトする)タッチにも苦しんでいたように見えたし、サーブのコースを読み切れずに後手に回り、ブレイクのチャンスを活かしきれないようなシーンがたくさんありました。
第4セットのタイブレークまで、それでも自分のキープを続け、流れを相手に渡し切らずに持ち込んで、タイブレークも3−0スタートの展開でしたが、1つのミニブレイクを自ら潰してしまい、最初のマッチポイントがそのミスだったので、悔やみきれないミスになってしまったように思えます。
自分の形のゲームではないにせよ、要所だけは締めて2セット、3セットをとり、そのタイブレークが最後の関所だったはずなのが、取りこぼしてしまいました。
個人的なイメージなんですが、ゲームでの特徴は、錦織ってフェデラーに似ていると思っています。超攻撃型のテニス。
ただ、頼る武器が違いますね。フェデラーはサーブとフォアハンド。
錦織はリターンとバックハンドがカギを握ります。
世界のトップ選手ですから、その二つずつがなければダメなのか、というわけでもなく、錦織のフォアハンドはやはり脅威でしょうし、フェデラーのバックハンドも多様性があって攻めづらいところなんだと思います。
サービスゲームが安定してキープでき、セットの序盤でブレイクを得てリードすれば、精神的にも落ち着いて逃げ切りに入れる。
試合の中では、1ゲーム、調子の悪い時にはセットの中で1ゲーム、ブレイクの芽がでてピンチを迎えるゲームがある。それでもデュースにもつれながらもキープをすると、その試合は勝てる雰囲気を多く帯びてきます。
よく似ているのは、テンポの速いラリーの展開、相手にテニスをさせて迎え撃つよりも、自分の展開を先に作り、相手の動きを牛耳るような試合をします。
比較すると、ジョコビッチはそういう攻撃もできるし、相手の攻撃を許さない高い守備力を持っていて、バランス良くそれらを出し入れできる。
マレーやナダルは、相手に先に踏み込ませて、どこまででも走れる反応とダッシュで、先に攻めたかった相手の動きの逆側へカウンターを取りに行くのがうまい。
錦織とフェデラーは、ベースラインから下がらずにどんどんテンポを上げていける、というのが特徴でしょうか。相手は走っても走っても振り回されて自分の自由なショットでゲームを作れなくなります。
それが、今日はリターンから作れずに、ブレイクがなかなかできない後半の戦いでした。
いつも、勝っている時でも、こういう紙一重のところをなんとかしてきていまのランキングに入るんだろうなぁ…
今日は負けてしまって日本中が落胆したような感じですが、考えてみれば、たまたま相手に持っていかれただけで、錦織の凄さは変わりません。
ただ今後は、テンポを上げてネットプレーのでフィニッシュするとか、1stサーブが精度高く入って、相手がどうしてもブレイクできないような、フェデラーがもっている要素をなにか持てるようになりませんかねぇ。。。
外野だから好きな事言えるんですけど。。。