写真のプロスタッフは、通称「ホワイト・グラフ」と呼ばれ、シグネチャーモデルが日本でも発売されました。フレームが柔らかく、乗せるようにボールを飛ばしてくれる名機でした。
この写真のものは、本人が使用していますから、もちろんホンモノ。フェースサイズ85のもので、日本で発売されたものとは中身の違うもの。
ウイルソンはプロ用の工房をシカゴに持っていて、その「プロルーム」では専用の金型で狂いのない専用ラケット(製造時の個体差がでない)を作ってくれるそうです。
そんなホンモノが、師匠の「ラケットスタジオ」にありまして、「これホンモノだよ」と教わってかなり興奮しました。
シュテフィ・グラフのラケット系譜は、ダンロップ「MAX200G」シリーズ・そしてウイルソンに契約移籍してからの「ProStaff」シリーズ。
で、昨日、コートで初めて坂本師匠とボールをうつ機会を得たのですが、そのコートに件のホワイトグラフが!
なるほど、ストリングを通してあったので、打ってみたければいいよ、ってことなのね!鼻の穴もふくらみます(笑)。
オタク会議のAさんと、坂本師匠を相手に、アップなしでいきなり2−1のストローク。
師匠も黄金時代の法政大学の体育会出身ですから、ショットはハンパない。え?お歳はいくつ?っていう勢いのショットが深く伸びてくる。シャープで重い、フラットドライブです。バックハンドはいくら深く打っても振り遅れない不思議なスライス。これのバウンドがまた低くて、見慣れないから合わせるのが必死でした。
ほんの2分くらいですかね。(2分でも長い方か)
ホワイトグラフを打たせていただきました。グリップサイズ4、重さは350g前後でしょうか、グリップが太くてしっかり持てるのと、振りやすいイーブンバランスだったので、思った以上に打ち返せました。
振った感触としては、フレームの所在というより、ラケットの芯がはっきり手に伝わり、フラットでターンっと合わせるのが一番コントロールがしやすかったです。ミスを恐れずに打点を前でとってしっかり振り抜く、そんな感じでボールが芯にのると、不思議なくらいスパッとボールが飛んで、狙った軌道に乗っていきます。
自分のラケットではもうちょっと斜めにボールに入れて、回転をしっかりかけるような感触でないと吹っ飛んでいっちゃう感があるんですが、このラケットはすこしヘッドが遅れてさえくれれば、スパッと振り抜いちゃった方が威力もコントロールもいい。何より打ってる感がすごくいい。
スライスはワタシの打ち方だと、低めの打点を前で叩くような切り方の時が一番良かったかな。肩口位の位置は、もうちょっとアジャストするのに何度か打ちたかったです。
とはいえ、自分のラケットにするわけじゃないですから、いい加減にしときな、って師匠に怒られるまで使っちゃいましたが、確かにそんなに本気にならなくても良かったかなとおもいました。
でも、そのくらい打球感が良くて、打っていたくなるラケットでした。
裏話としては、有名な話かもしれませんが、グラフがウイルソンにMAX200Gの打球感を求めて造らせたというラケットだということですね。
フレームの柔らかさ、ボールを包み込むような感じ、それでいて芯があって打ち抜ける感じが素晴らしいものでした。
グラフ本人が手にしたものではないそうですが、間違いなくシカゴのプロルームからでてきた、ホンモノだということですから、貴重な体験でしたし、興奮しすぎて調子に乗っちゃった?くらい夢中で打っていました。
じつは、T2000も打たせてもらったんです!(笑)
それはまた後で