ウイルソン・T2000=スチールラケット

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高校生の頃、大好きな選手で、テレビの前で正座して観戦したり、立ち上がって一緒にガッツポーズをとらせていただいた、コナーズ先生。
この写真、カッコいいなぁ〜

さて、コナーズ先生が愛したウイルソンの名機「T2000」を坂本師匠のおかげで打たせていただくことができました。

スチールラケットの代表、なんてワタシの世代だと思っちゃいますが、これの原型はラコステが作っています。ツインチューブのスチール(鉄)成形にワイヤを通してあって、ワイヤに引っ掛けてストリンギングする、いまや張り替えられる人を探すと大変なことになるラケットです(笑)

坂本師匠が張ってくれます!

オタク会員のAさんがT5000をもっていて、このラケットはフレームのヨーク部にブリッジがしてあってすこし剛性を上げているモデルですが、仕様はほとんどあと一緒です。

Aさんはこういうヴィンテージラケットを安く中古ショップで探してきては自分で打ってみたいという人なので、師匠に張り替えてもらって打っていたそうです。

ワタシもこのあとにコートに駆けつけ、「ナガキさんも打ってみれば?」って貸してもらったのが師匠のT2000。

wilsont2000

ごっつぁんです。

使ったことのない方はわからないと思いますが、(ワタシも持って使ってみるまでは全く想像もしてませんでした)フレームがハンパなくしなる。

どのくらいって、地面に落ちているボールを、ラケットでトトンってピックアップするじゃないですか、あれができないんです。カーボンのフレームだと硬いから、ボールの反発力でトトンってできますが、ボールの硬さより柔らかい(!)ので、ボールが動きません(笑)。

それってどういうことなんだろ、ってボールを打つと、カーボンではスイングを純粋に速くすればその分スパーンと強く飛ぶんですが、このラケットだとかえって遅くなる。

打ったことのない人、わかります?師匠も、「ちゃんと打てるかな〜?」って小馬鹿にしたような感じで心配してくれた(笑)から、さすがにわかるんでしょうね。同じ感覚でしかスイングできない人には、まず無理です。

これでもテニス歴30年めの、コーチの端くれ

…3秒考えました(笑)。よし、叩かないでそっと乗せて打とう!

そしたら、フレームからビビリが消えて、スーッと伸びていくように打ち返せました。

おおーっ!って思いましたよね。

打点に手を入れる。グリップからフレームを先にしならせながら早めに打点に入れていく。グリップ側だけを引っ張るようにして、金魚すくいの金魚を逃さないような感じで押し出すと、うまくいきます。

よぉーし!って思ったら、師匠が「どれ、貸してごらん」と余裕の笑み。

さっきまで使っていた師匠オリジナルのピングロメット・ラケットとか、プリンスのモノ(MONO)←知ってます?から握り変えたT2000。

なんか、ネットの向こう側で師匠が異様なオーラ出してました(笑)

一番しっくり来るような、自然な一体感。ワタシがコーチだからですかね。そういう雰囲気を見えちゃうの。

坂本師匠に握られたT2000は、不思議なほどボールが伸びてきました。

さっきまでは勢いの強い、シャープで重いフラットドライブだったのですが、それより手前で落ちる、それでいてバウンドがグイッと伸びてくる、意志を持ったボールのようになりました。

不思議〜?

ワタシがスライスでうまいこと滑らせた低いバウンドは、手元に食い込ませたからミスしてくれるか、と思いきや、ネットの下からスウッっと浮き上がってくる、生き物のような動きをしてきて、面食らったワタシがフレームに当ててしまう、なんてこともあって、まさに使い込んできた師匠ならではのパフォーマンス。

 

いや〜、参りました。

有明の錦織のイベントにマッケンローが来た時も、鈴木貴男にウッドのマックスプライを渡された時もこんな「うわ〜、違和感ないんだけど!」って思いました(そん時はスタジアムの3階席で、はるか遠くから見たんですけど…)が、まさかこんなところにレジェンドが(笑)←言い過ぎっすか?

やっぱしね、興奮しますね。。。

もう45歳なんですけど…子供に帰りました。

他にも打ってみたいラケットがあったんですけど、これ以上調子に乗ってたらどれか壊しそう。。。

なので自分のラケット(これも借り物)使ってました(笑)


カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:10 | コメントをどうぞ