打点はどこか、ということを明確にすることは、コントロールを確立することです。
ということは、飛んでくるボールをよく見ていても、打点はどこかは示されません。
自分の形で打点を知るべきで、そこでのボールの感覚から体が覚えていくものでもあると思います。ラケットにこんな風に当たると、あんな感じで飛んでいく、それがイメージしたショットになっているならいいわけだし、そうでなければ次はこんな風にやってみよう、って自分で工夫していくものだと思います。
それだけに奥が深い。
教えていると、再現性を上げるためにテンポよく腕を動かして、自動的に同じところにボールが飛ばせるようになるトレーニングとか、それに足のテンポを合わせて動く練習とか、動いて戻ることでバランスをとる練習とか、段階的に体に「一つの動作」として覚えやすいようにしていくことかなぁと思っています。
動きは、頭で理解していることを順序よくやっていくことで最初の段階をやると思いますが、プレーに昇華していく頃には、自動的にできるような動きになっている方がいいものです。
自動的にできる、ということは反射的に動ける、ということで、頭を使ってやらずとも自然と形になるようになるまでの反復練習が必要になってきます。
動きにはリズムが必ず必要で、だから足を止めての練習は長くやってはいけないものになります。よほど初歩的な練習でもない限り、動きを入れて、自分が相手のショットに対して時間を測るような感じで自分のリズムを使えるようにしておく必要があります。それは、必ずあるものです。
短いテンポのもの、長いテンポのものと両方必要で、最後のスイングの動作に合わせるところのために、最初に短いテンポのものをしっかりやっておく必要もあるはずです。
その中では、体のバランスに偏りがあると、どうしても打球後のリカバリの動作に差が出ます。いいショットを放てるようになっても、相手がそれを返してくる可能性がある以上、すぐに戻って構えていなければならなくなるはずです。
こんな基本的なことをわざわざ書くのは、やっぱりちゃんとできている人の方が少ないからですね。多分、ワタシ自身を含めて。
打点の設定には、奥行きが必要になってきます。
相手のショットはスピードや回転、深さや高さなどの要素を持っていて、相手ショットのコースにうまく入れたとしても、その要素の分、いつも同じ打点でとれることはないからです。
平面的なストライクゾーンを広くとれるように構えのバランスを良くすることももちろん必須ですが、そう言った勢の強さとか、バウンドに合わせるためには、腰と肩のひねりこみを使って奥行きを出せないと、どうしても苦手な球種ができるはずです。
やや腰を落とし、重心を安定させるために膝や腰には柔軟性を作れるようにしていないと、スイングが良いだけで良いショットは生まれません。
軸足は後ろ足にありますから、そこを意識していないと突っ込んでしまう人も結構います。
ボールをどうやってみるか、そこの部分にも大きく影響してくるものなので、姿勢の良さ、動きのバランスを取れるかどうか、そういったことは無視はできません。
みなさん「いかに良いスイングができるようになるか」って悩みますが、体って筋肉が記憶情報を持っているので急には変えられないことの方が多いものです。せいぜい、テイクバックの時に面を伏せようとか、スイングを下から上へ、なんていうことに気を取られてしまって相手のショットが難しくなればやっぱりできませんでした、なんてことになることがほとんどですから、ラケットがボールを捉える打点にいかにうまく入り口を作れるかとか、ラケットにボールが当たる時の感触を揃えられるか、そういうことをきちんとできるようにしていく中で打ち方はその人のオリジナルが生まれると思います。
守らなければならない約束はきちんと押さえた上で、自分なりに形を作っていけば、それを相手が打ったボールに合わせられるようにラリーの練習を活かしていけばいいわけです。
練習が好きな人は、そういうことを楽しめる人で、試合が好きな人でうまい人は、もう自分のショットを変えなくても変化をつけたり、相手の変化に対応出来る自信がある人です。