試合に出て、勝てるようになりたい!
そりゃあ、テニスやって、どのくらい上手くなったか知るには試合をしてみるのが一番の方法ですし、同時に練習というプレッシャーの軽いプレーと、試合中という極端にミスを恐れるプレッシャーの状況とを知るには、これしかないです。
で、試合に出ると、みな一様に思うのは
「上手くなって、勝てるようになりたい!」ということでしょう。
そう思わない人は、きっと自発的には試合に出ていなかったんでしょうし、モチベーションそのものに問題がある。
さてそこでですが、自分の試合も含めて(日曜日試合だったんですが、初戦負け…)どうやって試合に勝つのか、と。
試合、とかくよりも、言い方を変えれば「戦い」にいって「勝つ」ということです。
戦うには、武器が必要です。防具も。
剣道の試合に出て、竹刀も防具もなかったら、病院送りになりそうな気がしますよね!
自分が空手や体術の達人だったら、その体や術が武器であり防具でもありますから、竹刀も身につける面や胴なども必要ないかもしれませんが。。。
テニスの試合を、こないだ見たんです。市民大会。
どうやって勝ってるんだろう、って見てたんですが、こりゃあこっちが勝つねと思って見ているペアさんたちは、ちゃんと攻めているし、相手が攻めてきてもきっちり次の攻撃をさせないか、さらに守りを厚くするかします。攻めるときも、軽いジャブくらいでは油断せず、間断なく攻め、スキを見せない。
でも、そんなことができるペアはすごく目立ちます。
大概のペアは、たまたま勝って、たまたま負けているように見えます。
いやいや、皆さん真剣にプレーされていますよ!よく考えて、ペアで話してプレーをしている風景を目にします。
けど外から見ていると、ミスを怖がるのかチャンスをきちんとものにできない。
ロブを上げて相手が間に合いそうなのにポジションも変えずに立ち尽くしている。
構えの格好はしていますけど、スマッシュとるのにそこじゃ間に合わなくないですか?要するに、防具は正しく装着されていませんよ!ってことです。
それで、何の練習をしてきたんだ、ってことになりますよね。
一生懸命練習をして、コーチの言うことを聞いて、立ち位置やら配球のテクニックを学んできたんじゃないでしょうか?
それは、こういう状況ではこんなパターンになることが多いですよ、っていうシチュエーションを作ってのモデルケースを紹介したにすぎない。実際の動きは、現場でその時になってみないとわからないものですから、その時に想定内の動きとしてできるようにしておきたいから練習しているわけです。
今やった動きが試合で出ますよ(学校で、ここの部分試験に出るよ)、だから覚えておいてね!
っていうような気分で聞いているから、そのことだけを記憶しておこうとするのが間違いなんですよね。
ここではこんな引っ掛け問題が出るから、答えの出し方はここんとこ気をつけながら解くように!っていう対策ならいいと思いますけど。。。(違うか)
自分の武器が何で、どうやってそれを使えるようにしたらいいか考えないと、接近戦(刀での斬り合いだとしたら)なのに自分の武器が長い槍だったら、相手が近くにいちゃあ使えません。
槍の達人だって、6畳間に入れられたら剣の達人にはどうやっても勝ち方が見つけられなくないですか?振り回すと壁か柱に邪魔されて攻めも守りもできない。
じゃあこの柄を折るか、って発想でもなければ間合いが変えられません。
そうじゃなければしのぎつつ庭に出て、広くなった瞬間槍が役に立つ。
じぶんの武器を変化させることも、じぶんの武器を振るいやすい場にもちこむのも、試合のテクニックです。それこそが自分の武器であり、強み。
急に槍を剣に持ち替えても、じぶんは槍の専門だから戦えない、じゃあ最初っから試合が決まったようなもんです。
習ってきたことしかできない、じゃあ工夫のある人たちとは差が出てしまいます。
まして、自分の武器が何であるかわかっていない人では、戦いにすらならないでしょう。
「あの人、試合で当たったことある」を自分で思い出せる人は、戦った相手です。
けど、強い人って、自分と当たったことを覚えてくれてないことありませんか?
それ、相手にならなかったんです。
試合はしたけど、戦いにならなかったから、その人はその戦場を歩いて通り過ぎたとしか思っていないから、風景の一つでしかなく、記憶には残らなかったんです。
悲しいですよね。一生懸命練習してきて、その扱い。
まだ足りないのか、って思う人はきっと強くなります。
武器を見つけて、磨いて、強くなります。
自分のことばかりじゃなくて、相手を知り(武器は何か、得意な戦い方はどうか、どうやって守れば負けないか)、自分の場はどこかを探して、強くなります。
立ち位置や、配球を教わりたい人は、手っ取り早く達人が今どうやって勝ったかを教わりたいだけで、自分が強くなったような気分に浸りたいか、それを知ったら達人のようになれると勘違いしているんです。
達人がそれを作り上げるのにどれだけ修練を積み、練り上げる時間を使ったか。
そこを見ずに憧れても、届きませんね。
上手い人も上手くなる人もいますし、苦労せずになることだってありますが、強くなるには自分で創意工夫する必要があります。
その苦労は、楽しいんですよ。出来てきますから。自分のことがわかってきますから。自分のことが好きになる。
だから練習が楽しくなるんです。