さて、サーブ&ボレーヤーと言えば、試合内容をソリッドにして観客を魅了する、職人芸のようなゲームの達人・・・プロならね。
思い浮かぶ名前をあげれば、マッケンローやエドバーグ、サンプラス・・・古いな。
日本人なら、どうあっても鈴木貴男は外せないし、全日本をみにいけば松井俊英もぜったい見たいコートになります。
プレーが面白くなるのは、研ぎ澄まされた感覚で無ければ届かないようなボールを、その人にしかわからないような感覚できちっとコントロールしてくるのを見ている時。
近年では、ティム・ヘンマンの引退以降はそんなに職人気質なサーブ&ボレーヤーがいなくなった、なんて思っていましたが、これも古くなるけどテイラー・デントもいたし、なんならカルロビッチはサーブ&ボレーヤーですよね?サーブがすごすぎてボレーヤーな印象が薄い気もしますが、ストローク戦を粘り強くこなしている印象はさらにない。
ビッグ・サーブを活かすにはネット、なんて普通に言われていた時代は、サンプラスがオールラウンダーのように言われたところから一旦終わりになっていったのでしょうか。今では彼のプレースタイルはサーブ&ボレーに分類した方が分かりやすい気もしますが、登場した時にはストロークで相手を圧倒できる力もあり「スーパーオールラウンダー」と言われたと思います。
しかし史上最高とうたわれたサーブを存分に活かすサーブ&ボレーがゲームの主軸だったと思います。
さてさてそんな中、今年の全豪から、ネットプレーが華やかな時代をまた開いたような気になりませんか?
去年はフェデラーが「SABR」を利用して夏ころから新しい戦術で驚異のキープ率をたたき出し、その影響だったんでしょうか?グッドサーブを放り込んだらネットをとって速攻でポイントをとろう、という流れが来ていると思います。
ラオニッチがおおきなブレイクスルーを果たしました。準決勝のマレー戦では、フルセットまで粘ったマレーが試合をものにしましたが、序盤のラオニッチの猛攻はすばらしく、このテニスで決勝のジョコビッチ戦が見たいと思ってしまったのはワタシだけでは無かったでしょう。
ジュニアでも今はボレーも上手くこなすし、こ洒落たドロップショットなんかも打てる子が多くなりました。昔はそんなことしたら「スライスなんかで逃げるな!」とか「そういうのはまだ早い」なんて言われていたかもしれません。でも、戦術を育てるんだから、まだ早いもなにもなかったんでしょうね。
タッチの感覚はスライスやボレーを育てるだけではなく、確実にオーバーヘッドのショットの精度を増す効果があると思います。
ストロークがものすごいけどサーブがそうでもない選手は観たことありますが、ボレーがすごい選手は間違いなくサーブもすごい人でしたしね。
これからまた、ビッグサーバーを中心に、ネットプレーでポイントのパターンを構成する人がふえてくるんでしょうか?
楽しみです。