月別アーカイブ: 2016年2月

「手打ち」を定義してみたいと思います

よく、「手打ちになった」といいますが、手だけで打てるショットもあるし、悪くない場合もある。

身体が入って邪魔になることだってあるし、じゃあ「手打ち」の基準てなんだ?と思いまして、考えてみようと思います。

こういう試み、2年も前だったらやってなかったな。。。基本「打ち方オタク」ですから、いろいろな生徒さんを見させてもらいながら考えたり、グリップの神様に目をかけてもらったりしたので、さすがに勉強しましたね。

で、、一つの答えとしては、「体の軸が折れたら」、手打ちです。

腕しか動いていないような形ってかえってむつかしいですし、自然にできることじゃない。手打ちになりやすい人の原因は、足の動きが悪くて、ボール慣れしていないとかの理由で相手ショットの飛んでくる軌道の予測と実際が合わせられなくて打点に腕力でラケットをコントロールするような動きのことをいう、のだと思います。

「あぶない刑事」の舘ひろしが、走ってるバイクの上でショットガンをぶっ放しても転ばないのと同じで、走っている人間も、走っているときには転べません。両足を交互に動かしていることでバランスが中心に来るからです。だから、足が急に止まるような、躓いたり、滑ったりしないと転ばない。

で、テニスは動きながらボールを打つことが多いスポーツですから、基本、姿勢はよくないといけないものです。背筋は伸びていた方がいいと思いますが、足から見て腕を回す回転運動ができる軸が確保されていれば、猫背でも大丈夫ですが。

だから、崩されて打つ状況だったら、手打ちになるけどそれでも打ち返さなきゃならない。

ちょっとやってみればわかると思いますが、

背中をまっすぐにしてラケットを振ってみる。で、それから頭を下げて、腰が折れた状態で同じところまでスイングできるかやってみる。

ぜんぜん体が回らなくなると思います。で、腕を振るのに、けっこう身体って回してるんだなってことがわかると思います。

腕とともに、肩も回転する。で、両肩の中心が背骨になるわけです。

腕が片方になることが多い、フォアハンドではそこそこ対応できますが、両手打ちの人が多くなるバックハンドでは、姿勢が崩れてスイング量が確保できず、ショットに威力が出せない人も結構見かけます。

両手打ちで打ち方の形だけは普通に見えても、妙にリーチがなくて、届かないような格好になって頑張っている人、いませんか?

姿勢が悪くないんだったら、軸足からラケットが多い形になってしまているので、全体に軸が傾いているせいなんです。

たとえば、ラケットを持った姿勢から、打つ前に両腕を高く上げてみれるかどうかやってみましょう。

いつものフォームの中に、それをやって間に合うかどうか。

テイクバックしながら腕を高くすると、どうしても肩が回ります。上げられないとしたら、最初っから折れてますよ(笑)。打ち方が変わっちゃうので、ボールコントロールのことは気にしないでください。

肩が回るような動きができると、ボールは楽に飛んでいくので、飛ばせるゆとりを感じるようになったら、インパクトのラケット面にすこし気を遣う余裕ができるはずです。コントロールはそこからで大丈夫。

腰が折れても、軸をのこすことはできます。それって腰を意識するよりも、膝を使ってバランスをとれるようにすればいいんです。

スイングをしながら膝を柔らかく保つと、身体が倒れてしまわないように、両ひざの間を締めつけるような動きになるはずです。スライドフットワークを使うような感じの時ですね。プロはハードコートでも滑るようですが、ここいらへんではオムニコートで簡単に滑れますからね。

あるいは、モーグルステップのとき。空中でバランスをとるのに、腰の位置がきまるように軽く飛びながら姿勢を安定させるのに膝を使います。

頭で考えながらの作業ではないですね。同時進行でスイングの動作をしながら一方ではバランスを保とうとしている、っていうことでしょうから。

肩と腰はひねりこみがあると、そういった間接群は動き出しをスムースにしてくれたり、可動域を広げてくれたりします。

ボールが飛んでくると初心者のうちは必ず緊張しますから、最初のうちにそこいらへんの動きが固くなる傾向があります。慣れてくるごとに動かせるようにしていくには、反復練習の際に意識してリズムをとることです。

腕の位置を低いところで回すよりも、高いところで回す方が自然と肩と腰は大きく動くようですから、テイクバックで腕を上げるようにする(上から引く、という意味ではありません)と、重心が上がってしまいますが、そこで膝がそういう体を制御するようになると、腰をひねるような動きが入るようになります。

 

・・・言葉で書くのはむつかしいですね。

足の動きの悪い人に、インパクトの前に一瞬わざとラケットを高く上げてみて、というようにやってみると、足が動かざるを得ないような形になり、リズムの取り方がわかると、きゅうにスムースに動けるようになったりします。

そういったところは意識して動かせない人もいる(ボールが飛んでくるプレッシャーで固くなるとか)のですが、失敗ショットになってもいいから、という練習の際に軽い気持ちでやってもらえれば、すすすっと足が軽くなるのがわかる…というか、つい動いちゃう?ようになります。

基本形が手打ちの人はボールを飛ばすのに腕力を使わなくてはならなくなる分、インパクトが不安定になりやすく、身体が突っ込んだりして力んだ形になりやすいものです。

腰の動きとスイングやインパクトの関連が薄くなるスライスやボレーの時にはそうでもないでしょうけど、トップスピンのスイングの時には安定させて強いボールを打ち続けられるようにするには必要なことだと思います。

で、スライスやボレーの時ほど足のうごきがあるので、バランスを保つための動きはしちゃってることになると思いますが。。。

 

ま、ラリーを続ける以上、動いていられるような状態を作れていないとならないわけですが。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:55 | コメントをどうぞ

ポジショニングにある四次元

一次元・直線

二次元・平面

三次元・立体

四次元=時間軸をプラス

ここが三次元ですから、時間は存在し感じるものであるが固定や可視化はできないものです。

なんか難しい話が出てきましたが、こうやって書いていたってちゃんとそういう定義を教わったわけではないのでドキドキもんですが(汗)。

テニスコートのポジショニングについてです。

ネットをとるときに、どこまで上がるのがいいのか?という質問をよくいただきます。

コート図A-Cポジション

 

こんな風に考えてみましょう。コート上に、だいたいでいいので目盛りを振るようにA・B・Cという線を引きます。

Aはネットの近く

Bはサービスラインより少し前

Cはサービスラインのすこし後ろ

という概念的なもので大丈夫です。こういうのを正確に知ろうとしてもわかるもんじゃありません。

で、これを任意の位置からパッシングショットを打つとして、たとえばわかりやすいようにこんな

コート図合理的待機位置

右利きの相手だったら、フォア側のコーナーからパッシングショットを打つ可能性があるのは、大体ですが水色の破線のエリア。

それで、水色の破線がクロス側とストレート側に範囲を持つのですが、それを二等分する線が黒の矢印。

だいたい、このラインに沿ってポジションをイメージすれば、両方の真ん中になりますよ、という一般的な説明です。

おそらく、水色の破線は狙って打てる、可能な限りの最大値といっていいと思います。とくにショートクロス側の狭い三角のエリアには入ることがあるかもしれませんが、ミラクルっぽいので無視します。

 

プレーヤーには、まずAのラインから立ってもらって、図の位置から実際にランダムにパッシングショットを打ってもらいます。球出しでやれば正確にできると思います。

それを、Bのラインから、また、Cのラインから、それぞれボールを追ってやっていただきます。

球出しの条件は、Cのラインをノーバウンドで超えられる程度の強さのボールを出すこと。

Aは、反応というよりも予測があてずっぽうでも当たれば取れますが、逆を突かれるとかタイミングを外すとすぐに抜かれるようになります。

Bは、ちょっと反応を間違えてもラケットを出して届けば大丈夫、という時間的なゆとりができますが、走っていけるほどではないかもしれません。

Cでは、おそらく相手のショットを空中に発見してすぐに走りだせば、こちらから走って行ってほとんど抜かれないような形になると思います。

ショットのスピードや、走っていける範囲を考えれば、

 

コート図実際のケア範囲

と、オレンジの破線を足してみました。実際にはこれ以上外側にくるボールは、どちら側からを捨てなければならないか、見て動ける範囲とします。

じっさいにコートに立ってやってみればわかると思いますが、Aではかなり反応が早いか、予測が当たらないとうまく取れないくらいの距離です。

Cでは自分が取れる範囲かどうか、見てからすぐにスタートすれば、よほど遠いとか、速い球でなければ抜けません。

パッシングショットが高くなってロブになっても、Aは放物線の頂点の真下あたりですが、Cの位置で取れないロブはかなり深いかアウトになるかくらいだと思います。

逆の考えから言えば、

Aで取れるなら決定打になるくらいだと思いますが、Cからは攻撃的なショットだとは相手が思わないかもしれません。

ここで一生懸命説明しているのは、

距離は時間を伴う、ということです。具体的に体験した方がわかりやすいと思います。

ボールに向かって走っていけるくらいの距離があって、相手が打って、コースや高さを発見してから間に合うだけ詰めて打てるようになれば守備に問題はなく、攻撃性をあげられる、というものになります。

先に前に出すぎれば、抜かれるかもしれないというリスクを負うことになり、

後ろのポジションからは、広く守らなければならないという位置であると同時に、決め球にしづらいショットを打たされる可能性が高くなります。

概念的なものですが、ポジションとは

そこにいれば大体取れる位置

だと思われがちですが、本当は

そこからスタートすればうまく攻撃に間に合う位置

として守備範囲を特定できるようになる場所のことです。

もちろん、打点の位置や、追いつき方によっては「抜かれない」だけになる可能性もありますが、それは相手のショットのクオリティが高いほど、ということになります。それがわかれば前にはいかない、という選択肢も出るわけです。

なにしろ、自分が走って間に合うかどうか、という位置とそれを見れる深さの関係があるということになります。

BとCの間であることと、ショットが先に自分の後ろに行こうとするのではなく、じぶんから相手のショットに向かって走れるような風景かどうかがカギになると思います。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:34 | コメントをどうぞ

試合でないメンタルの件

テニスの上達にも、細かく言えば技術の習得にも、メンタルは介在します。

難しいと思ったことは、難しくてなかなかできるようにならない。

できるようになったことは、かつて難しかったと思ったかもしれないけど、もう使いこなせる。

テニスに限らず、そういうものではないでしょうか?

山に登っている時は、目指す頂までの時間や体力的なきつさなどは経験していないからわかりませんし、やみくもにしんどい中を歩くのでしょうが、その山頂から下りたきた人は、登っている途中の人にアドバイスをあげることができます。

ここの上りはきついから、その前に休憩したほうがいいよ、とか、ここを歩く時は岩場がもろくなっているから気をつけて、とか、こういうところまで出たら後何分で山頂だからね、とか、具体的に教えてあげられます。

「経験したから」ですね。

とてもシンプルなことなんです。

テニスのうまい人が、下手な人の気持ちがわからない…?

確かにそういうことも、あるかもしれません。だけど、うまい人だって、最初からうまかったわけじゃないかもしれませんよね。だから、聞いてみたくなる。

さっきの、山登りのアドバイスみたいなものをもらって、心理的に「知っている」つもりになって不安から逃れたいわけです。

ただ、テニスの上達は、現実の山とは違って、歩いていればたどり着くものではないのかもしれません。

ただ、続けていることが歩いていることと一緒なら、です。

知らなければいけないこともきっとあると思いますし、自分が間違った方向に向かっている可能性だってある。

どんなスポーツも、感覚的なことを体で覚えて、その中で知っていかないときちんと上達しないものです。

初心者と、上級者では、相手の打ったショットの見え方は違っているはずです。

例えば、相手が時速120キロのサーブを打ってきたとします。

初心者の人には、そのサーブはとても返球の難しい、すごく速いサーブに見えるはずです。

しかし、上級者なら、たとえ数本はミスをしたとしても、返せないものではないと思います。

テニスの動作に不慣れなうちは、ショットを見て判断することと、自分の体が反応することと、そのショットを返球するために必要な要素(技術)とが整理されていないかもともとインプットされていないために、時間が足りずに処理ができないうちにボールが通り過ぎていきます。

繰り返しそういうショットを返球したことがある人なら、どう反応すれば、そのショットを返球する技術に直結するかがわかっているはずですし、そのためにはどうやって構えていればいいのかも既に知っています。要するにやるべきことは整理されているわけですね。

「わかっている」には段階があって、ちゃんとわかっている場合はその人の中で理解できるだけでも「言語化」されています。

ちゃんとできるかは不安な人は、言語化されていないから、とっさに反応する自分の体が頼りになります。もう一回、もう一回…今度こそ、と練習するうちに、なんとなくでもやり方がわかってきたような状態です。それでも、動きに迷いがなければ言語化されている人と変わらないような返球もできるはずです。

例えば、早いサーブを返球するには、「テイクバックをコンパクトに」なんてよく言われますね。

自分なりに、その「コンパクト」の定義を見つけるわけです。

なるべく、あっという間に準備すること(=スイングをスタートさせられること)をコンパクトにする、ということにします。そのために必要なことが、人によって違っていてもいいのではないでしょうか。

もう一つ、目が慣れる、ということも外せない条件です。

テニスのサーブで、ワタシの見たことのあるのは、180キロくらいまで。バウンド付近が速すぎて消えたように見えます。

そんなワタシが、サッカーを遊びでやって、ゴールを守った時に、テニスコーチの仲間が蹴ったアシストを、もう一人がヘディングで合わせたボールが、これまたワタシの目からは消えました。

ワタシの周りにいたのはサッカー選手ではなくて、テニスコーチの仲間で、素人です。アシストになったセンタリングが、ヘディングで軌道が変わったのに目がついていかなかったんですね。

ボールのスピードなんて、本当にたいしたことなかったと思いますし、ボールだってあんなにデカいんですから、見えなくなるなんてことはないはずなんですが、ワタシの脳みそが処理できなかったんですね。

インカレでベスト8まで行った風早くんは、200キロのサーブとかリターンできるんでしょ、って聞いた時に「あーさすがに慣れましたね」とまだ大学生の頃には言っていました。

ワタシには見えないサーブなんですけど、プロは見えてるんですね。

で、どうすればいいのかを知っている。

それがメンタルに大きく影響しますよね。。。

 

 

さて、そろそろ今回の言いたいことにいかないとですね。

練習するときは、失敗していいんだってことを知っておきましょう。

新しいことにトライするときには、もしかしたら自分の今までのテニスが壊れてしまうかも、なんていう不安にかられることもあります。

それが怖かったら、挑戦しなければいいだけの話で、今までどおりのことをきちんとやって感覚を磨けば精度が上がるのが期待できるわけですし、その中でもっとこうしたらいいんじゃないだろうか、挑戦する価値があるんじゃなかろうか、って思えるようになってみたらやればいいんです。

ラケットを使う感覚、それでボールが当たった(ボールを打った)感覚も練習では大事です。

もっと言えば、ボールをどうやって見ているかも変わります。その時にどうやって見ているかの「姿勢」や「目線」にも注意した方がいいこともあります。

どれも一緒に一気にうまくなることはありませんから、球出しのボールをうまく打てるようになることから始めて、乱打でそのチェックを自分のものにできるように「合わせ方」を知りましょう。

そして、100点満点を目指さないこと。

その中の要素ができたら自分の中に可能性があることの証拠ですから、自信を持ちましょう。

それで、その新しい感覚が自分のものになるまで育てていくべきです。

試合でよく、メンタルが弱いんで、なんてよく聞きますが、それはプロのレベルで言われるものと、似ているようでだいぶ差があると思います。

そりゃあ、錦織だってフェデラーに初めて勝てた時はマッチポイントで硬くなったかもしれませんし、フェデラーだって、フレンチを初優勝した時のコメントで、「頼むからミスしてくれ」と願いながら打っていた、なんて言っていましたからね。不安な中でもやるべきことはしっかりやらないと勝てないことを知っているんです。

そこでビビって負けた経験なんかも、ジュニアから若い頃まで、ずいぶん経験していてのことなんじゃないでしょうか。

経験の浅い我々一般プレーヤーも、同じように不安になるので、緊張して硬くなったりするのは同じですが、自分が不安に押しつぶされていつも通りに打てなくなることよりも、いつも通りに確率の悪いショットに頼まなければならないことがより一層不安を大きくしていることを知っておくべきです。

とはいえ、プロじゃないんだから、それが当たり前で、ネットの向こうにいる相手だって同じ条件のアマチュアな訳ですから、自分の不安と必死に闘いながらショットをねじ込んで行って勝つまでやる訳です。

マッチポイントまで行くのにどれだけ緊張の山を越えてきたかを思えば、あと一本踏ん張ろう、って思えると思いますが、試合の最初っから緊張で打てなくなることもありますよね。

これもまたよくわかる話で、最初が一番緊張するものです。

そのせいでノレないうちに試合が終わっちゃう、なんてこともありますし、そういう試合をするともったいないって思っちゃいますよね。

まあ今回はそっちの話じゃないのでアレですが、緊張するものなんだってわかっていないと対処も何もできないでしょう。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:02 | コメントをどうぞ

「こうしなければならないこと」の逆

ボールをよく見るんじゃない!

と、最近よく生徒さんに言いますが、それは暴論かなと思い、ちゃんと注釈をつけます。ボールをよく見ると上手く打てるんじゃない。見えてるんだからちゃんとラケットを動かそうってことなんですよ。って。

ワタシも何か目新しい作業をしている時に、「えーと、これがこうなってるんだからこのパーツをこうして、ん、こうかな…?」みたいなじっくりよーく見ないとわかんないぞ的なことがあります。

おそらく、テニスをやってるのにボールをよく見ないで打つのは初心者の人が「ラケットを振れば、当然当てられるはず」という前提で自分の打った結果を期待して目標の方向へ目線を先に動かしちゃったりするっていうこととかでしょう。

で、テニスを習っている人がよく陥るのが、習ったとおりのことをうまくできるか期待しているときに、飛んでくるボールを見ながら、どの段階でアクションすればいいのか決めかねているんでしょう。

要するに、きちんと習ったイメージを追いかけているわけですから、作業手順を確認するまで不用意に動けなくなっているような状態?だと思っています。

作業に慣れている人っていうのは、幾つかの段取りを、効率よくこなすために作業手順の同時進行なんかがよくあります。

ハンバーグの用意をしながら味噌汁も段取りしてる、みたいなことですよね。

ラケット振るときにもボール見ながら同時進行する体のアクションがあるってことなんです。

 

 

ラケットをもっと早く引いて!

 

って、よく言われますね。

じゃあ、うんと遅く引くことにしてみましょう。

一つには、打ちづらくなります。または、打てるんだけどちゃんとは狙えないような感じになると思います。

しかしもう一方では、気楽になるかもしれません。

乱暴な言い方なので注意しますが、プレーヤーの質がそれによって分かります。

ボールが飛んできていても、ギリギリまで反応しないでおいて、最後の最後にやっと間に合うようにスイングする。

これで打てなくなる人は、単純にボールを打つ回数が少ない。もっと言えば、打った数ではなくて成功体験の数。空振りやノーコンをいくら繰り返し打っても、感覚なしでテキトウにラケットを振り回していればコントロールは身につきませんから、上達したような感覚にはならないと思います。

逆に、これで上手く打てる人は、打点から逆算が上手くできる人です。

ボールが当たるときにはラケットの位置はこの辺で、こんな風に力が入っていて、面がこっち向くようにしとけばいいだろう・・・ってことがわかっているから、逆算していつラケットを引いて間に合わせるかを余裕をもって用意できるってことです。

早く引かなくても間に合うってことは、遅くはないってことですし、間に合うことで自分のイメージはできているんでしょうから、フォームをちゃんとしなきゃ、っていうプレッシャーには縛られない。

そうそう、この、「ちゃんとしなきゃ」のプレッシャーがかかって硬くなっている人、結構いると思うんです。

だから、早く引かない。

それか、相手が打ってから、実際に打球するまで何度か素振りする。しっかりテイクバックからスイングだとできても一回でしょうが、手首でラケットを回すだけだったら、何回かできるかも。その上で間に合うようにするわけですから、ボール見ながらの同時進行で体内リズムと実際の飛来するボールのリズムが同時進行で合うようにしているってことにもなります。

最初に書いた、ボールをよく見ない、かどうかについては、

当たる瞬間に目をつぶる

目をつぶっておいて、急に開いてボールを見る

とを両方試してみると、いつの情報(視覚的情報)が欲しいのかがよくわかります。

危ないので、ハンドトスをしてくれるコーチに相手してもらってくださいね。当たる瞬間目をつぶる、の方はいいとして、目をつぶっておいて…の方は、ハイ!っていう合図とともに目をつぶる約束にしておいて、同時にコーチはスイングの通り道にトスする。で、ワンバウンドくらいのタイミングでもう一度ハイ!と合図したら目を開いて良いことにしておきます。

想像するだけでもわかるかもしれませんが、前者は大概の人がちゃんと打てます。

場合によっては、当たり損ねの多い人がこれをやると当たり損ねが減ったりすることもあります。

後者の方は相当ドキドキします。で、うまく打てない。

要するに、ボールが当たる瞬間に近いところはあんまり見えていないことも多いし、見ていなくても大丈夫ですが、予測するために必要な、まだボールを打たないうちの軌道を見ておかないとどうスイングしていいのかすらわからなくなります。

説明のために短い言葉で言うアドバイスですが、真面目に受け取りすぎると、妙なことになります。

上手くできる人は、そういう大事な部分の要素が自然にできるから最初からできて苦労しないと思いますが、そこで苦労する人には、アドバイスが短かすぎてもうちょっと気楽にできる他の練習から自信をつけることをやるといいと思います。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:21 | コメントをどうぞ