ワタシがお世話になっている、アルドールテニスステージのコーチが、千葉県選手権の男子シングルス準決勝に二人、進出しました。
風早コーチと豊田コーチの二人です。
二人とも千葉県のタイトルはかつて手にしている実力者ですが、今回の相手はそれぞれ去年の選手権決勝進出者とですから、こちらとしては是非見ておきたい好カード。
今日は祝日で、金曜日で、しかも午前中のレッスン予約がなかった、ラッキーな日でして、どうしても見たかったし、会場の天台は車で15分とか20分で着くところ。
9時〜試合開始と聞いて9時に間に合うように出かけました。
まだ会場は閑散としていましたが、選手の皆さんは既に来てアップしていたり、ご家族や同僚などと話していたりしました。
アルドールの応援の人の多かったこと。
自分の試合で来た時はもちろんそんなことはなかったですが、さすが県大会の準決勝ともなると、応援団は来ますね!(ワタシの時に来てくださった方…感謝してます!)
風早くんは、ワタシの前職のスクールで知り合い、なぜか仲良くしてくれている人。言ってもワタシの方が20歳近く年上ですから、先輩風も吹かせたりしてますが、正しく爽やかで男気のある気遣いのできる好青年です。仲間や上司からの信頼も厚いみたいですね。
彼の今日の相手は、昨年度準優勝の石川選手。背が高く、ビッグサーブと強力なフォアハンド。風早くんとがっぷり四つに組む形のファイターです。
序盤、石川サーブから始まった試合は、ずっとキープが続きます。ラリーになると押し気味に展開を作るのは、ひいき目もあるかもしれませんが、風早の方がやや自力に勝る、と見えました。しかし押し切って豪快に決めるショットもあれば、豪快にミスるショットもあり、カウンターに逆に押されるシーンもあり、5−5までは常に相手が先にキープし、風早くんがついていく、というスコア進行でした。
中盤3−3の石川サーブ。40−40のノーアドまで行きますがキープされます。しかしそのあとの風早サーブは盤石のラブゲームキープ。
ここで石川選手のサーブが狂い始めます。そうなって5−5の石川サーブ、ダブルフォルトもあり、明らかにテニスのリズムが狂ってきており、ミスが早くなっていました。セカンドサーブになればラリーを優勢に進めた風早がブレイクに成功し、その後キープして7−5で1stセットを取ります。
セカンドセットに入っても石川選手はリズムを崩したフラストレーションが溜まったメンタルを修正できずに、先にミスしてブレイクを許します。
いいショットを打ってコート内に入り、しっかり打ったはずのショットがわずかずつズレていきます。
「あれも入んないの…!もーダメだ帰ろう」と呟くのがギャラリーにも聞こえました。
対照的に風早くんはきっちりサービスゲームをキープしていきます。1セット目は0−30から挽回したようなゲームが2回くらいあったし、ノーアドも何度かありましたが、セカンドセットはラリーにゆとりが出てきたように見えました。
左足の股関節を痛めたようで、ストレッチをしながら、そしてバックハンドはスライス中心にしてペースを作るように変えてきていました。
後で、痛そうにしていたねと応援のお客さんから言われていたのに、「風もあってバックハンドは打っても入る気がしなかったのもあったけど、この足の付け根に違和感があってスライスでいいや、って感じでラリーしてました」みたいなことを言っていましたから、踏み込むと痛かったのかもしれません。
結局、このセットも序盤のブレイクが生きて、6−4最後はドロップショットに反応した石川選手のパスが、ストレートの狭いところを狙ったもののアウトして、ゲームセット。1本目のマッチポイントで見事に勝ちぬけました。
同時進行で、隣のコートでは豊田くんと、前年度優勝の國司選手との対戦でした。
軽やかなフットワークで浮かないショットをテンポ良く打ち続けられる豊田選手と、同じようなテンポで重そうな厚い当たりのストロークで押してくる國司選手というのも、これも今大会屈指の好カード。
同時進行だったので、申し訳ないことですが、風早の応援に回っていたものでつぶさには見れていなかったのですが、接戦でした。
序盤、ボールのスピードがあるように見える、そして風上側にいた豊田くんのショットにミスをする國司選手に見えていましたが、最初のゲームを何とブレイクされ、國司選手が取ります。
豊田くんはショットがやや落ち着きがなく、まだ相手のショットにうまくアジャストしていない印象でした。タイミングは合っているようで、芯に当たっていない、そんな感じのラリーになっても先にミスが出るような感じで、あれよあれよという間に0−3。しかも2ブレイク。
そして気づけば、同じようなラリーをしているかに見えたものの二つ返し、2−3で國司リードに。おっ、ブレイクバックしてるんじゃん!
キープキープで4−5。ここを豊田くんは足の回転数が上がってきて、ショットに伸びが出てきます。相手のミスを誘うこと数度、ブレイクに成功します。
結局このセットはもう一つブレイク、ノリが出てきた豊田くんが取ります。
セカンドセットはなんと、0−6で國司選手が取ります。
國司ショットが強烈さを増し、深いショットが増えます。カウンターの得意な豊田くんも応戦しますが、連続して重いショットを叩き込んでくる形になっていました。
ただ、あっという間に0−4、0−5となっていましたが、豊田くんはむしろ打っていて、このセットを取られても次のセットまでに間に合うようにしっかり打ち合っておこう、というような気迫を感じました。
そしてファイナルセットは、より打ってくるようになった國司選手のミスが増え、かといって手堅くつないでいると豊田くんが踏み込んできてさらに攻めるようになり、まさに押してもダメ、引いてもダメな展開になりました。
そして、6−1でこのセットを取った豊田選手が決勝に進み、アルドール対決が実現となりました。
長いラリーは、隣のコートでやっていた短いラリーとは対照的に、フレンチオープンか!っていうくらい深い球の応酬になりました。強いフィジカルでボールを潰すように強打をねじ込んでくる國司選手に、ひるまずにベースラインにとどまって下がらずにテンポを上げていった豊田選手の戦いは、固唾を飲んで見守る、緊迫感のある好試合でした。
ワタシは、午後に用事があるので、おゆみ野校からきていた応援の山崎コーチ、石戸コーチ、谷口くんに「じゃあ帰るね」とだけ言い置いて静かに立ち去るつもりだったのですが…
駐車場に向かって歩いているワタシに、永木コーチ呼んでるよ!と声をかけられ振り向くと、お嬢さんを腕に抱いた風早くんが、手を振ってくれていました。
こういうね、付き合いが比較的長いからって義理がたいことをしてくれるからさ、オジさんは君のこと応援したくなっちゃうわけですよ。
最初はその豪快でカッコいいテニスに圧倒され、魅了されてこちらが惚れたんですがね。
自宅近くに来たよ、とメールすればわざわざ出向いて会いに来てくれる、そういう礼儀というよりか、気遣いの細かい人です。そんなに恩を売った記憶もなければ、尊敬されるような偉大な人物でもないんですが、目上に見てくれて立ててくれることがなんだかくすぐったい感じです。
明日は仕事で見に行けないのですが、同胞対決の決勝戦。悔いなく戦ってほしいと思います!
頑張れ!