何がって、テニスがです。
まず、ボールをちゃんと打つのが難しい。
とはいえ、その反面で、ラケット面が向きのわかりやすい道具なので、体を前向きにしたりとか、面をひねらずにボールに向けて振るとかすれば、当たれば返せるっていうことに関してはそんなに難しくない。
それと、ゲームをするときに、思ったようにポイントするのはさらに難しい。
ボールを打つのが上手くても、相手と駆け引きするようなことをして、チャンスは見逃さず、ピンチというか、相手が先に攻めてきたらなるべく次の攻めをさせないように返せるようにしないと上手くゲームがいかない。
実力差があったとしても、ミスをしないで終わるゲームなんてそうそうないから、ミスをしたことで自分がそれを気にして、以降が弱気な展開になっちゃったりすることだってある。
点差を離して勝っている状況でも、最後のポイントを取りきるのも結構難しい。5−2だったのに気づいたら5−5になってたりすることもある。
ね、難しい方面で書いていくと、結構難しいですよね。
ゲームができたり、勝ち方を考えるようになったりすると、またショットの打ち方で悩むようになってきます。
自分には持っていないショットを武器に、自分より強い相手が出てきたりすると、自分にもそういう武器が欲しくなるから。
プロの選手だって、全てが完成してからプロになっているわけじゃない。プロになってからだってさらに進化しています。
…それって、楽しいってことですよね?…
打ち方オタクってことでコーチをやりながら、自分のテニスでも、生徒さんと一緒にその方の打球法を考えながらも、「もともとの原理」みたいなものを探し続けているわけなんですが、
目で見て
足で追いついて
腕を動かしてボールを打つ
ということなんですが、横向きになってボールを見るのと、前向きのままでボールを見るのとは違う風景に見えたり、ラケットを引いて振るのと、ラケットを弾き終わってボールを待てるようにして振るのとは、来ているボールが同じだったとしても違うスピードに見えたりします。
要するに、「型」のようなものがあるってことと、「慣れ」が必要不可欠になるってことがあって、そこに馴染みがあれば難しくは感じなくなるでしょうし、普段そういう動きをするっていう意識がない人には難しく感じるでしょう。
ボールを打つことだって、強く打って気持ち良く振り抜きたいとか、強く打った時の打球感がいいとか、爽快感とか、自分が上手な感じが欲しくて初心者でも力いっぱいスイングしたりしますけど、結構空振りしたりするし、真ん中にピッタリ当たってもすごく飛んでいっちゃったりしてコートに入るかどうかはわからない。
コントロールを気にすれば思いっきりはスイングできないだろうし、かといって試合に勝つには強く打って相手が返せないようなショットが欲しいだろうし。
球出しのボールをうまく打ち返す方法と、ラリーの中で精度を上げる方法は、ちょっと違う部分もあると思います。
とはいえ、後者がうまくできる人は、前者も同じ方法でできるし、前者がうまくできるだけの人よりも格段に強いと思います。
これは、発展の段階があるってこと。でも、早く気づいてしまえば=あまり上手でないと思っていてもどんどん試合に出るとか=してしまえば、「まずは球出しの段階をクリアしてから」なんてやっている人よりも上達は早いのかもしれません。
しかし、人間はできることにこだわったり、今できることに依存したりするので、常にあたらしい練習みたいなものに取り組んでいないと、今できることで到達できる場所も決まってしまいます。
だから、常に成長しないといけない。
なんだか人生みたいですね。