最近、レッスン中に個々にアドバイスを差し上げるときによく出てくるのが
ボールを見すぎない
真面目にやりすぎない
ということです。
もちろん、ボールはよく見た方がいいし、レッスン態度が不真面目だと怒られます(笑)。
言っているのは、そういう言葉のまっすぐな部分じゃなくて、何のためにやっているのか、何をしたくてコートに立っているのか、という主題が解らなくなっては困るということなんです。
このところ、ショートレンジでトップスピンをかけ、相手のコートに狙い通り落とせるように打つ練習を1か月くらいの間取り組んできました。これは全部のレベルで、ジュニアでも一般の初級クラスでも、難易度は変えていますが言っていることは同じ。
で、今週からはサービスラインからの練習ではなく、ベースラインから打つようにして最初の球出し練習に課題を付けてみているんです。
もちろん、ショートレンジの練習をしているときにも、ラリーではその要素となるタッチの感覚を活かしてコントロールしてみましょう、っていう練習にするので、ロングレンジにしても打てるようにやってきましたから、今週からそうしても問題ないようにやってきたと思います。要するに慣れた、というような取り組みで、「ああ、もうさすがに出来るよコーチ!」っていうくらい毎回同じことから導入していくようにしていたんです。
ボールを良く見ていると、体が動かなくなる人って結構いるんですよね。
テニスのフォームは出来ていますから、ある程度形にはなっているけど、力を使えるようにはなっていない。
このままどうやってどこに打つべきか、というよりもただ「失敗せずに、きれいな軌道のボールを打ちたい」ということだけをやっているように見える。
ボールを良く見ているのなら、ラケットをどう準備して、打点でどんな感覚がほしいのか?ラケットが打点に出てきたときに、はたして自分が思っていた通りのインパクトが出来るように準備したのか?というのが見えてこないと、ワタシに言われます。
「はいー、ボールばっかり見ててもダメ―」
スピンを打つのか、スライスを打つのか?狙うコースだけじゃなくて、高さと深さは?その為にラケットから得られる感触があるはずです。ただ力いっぱい振るんじゃなくて、そこまで出来たら、インパクトの型があるはず。
身体が一瞬で動くってことはなくて、きちんとした準備から順序良く運動を繋げてきて、連鎖を使ってパワーを増幅すればたいした体力は使わずに良い球が打てます。
飛んでくるボールを、ちょっと変化させると、中級くらいまでの方は面白いようにミスが増える。
素直なんですね。いつも通りのスイングを完遂させようとするのに、少しだけ打点がずれる。だからその少しを合わせられないとミスにつながるんです。
上のクラスになれば、ミスにまではならなくとも、やはり影響は同じように出てきます。
ストライクゾーンが広くとれるようにならなければ、相手のショットの影響が出やすいので、相手に自分のショットをコントロールされることにもなります。
安定した球出しのショットで4球交代・・・というメニューのすぐ後に、
スライス系の低い球を、少し速めのスピードで
トップスピンのやや高い球を、少しゆっくり目に深く
という2種類を練習します。
低い球の方がネットに、入る方でも回転数の少ない、低めの速い球が返ってきます。
高く跳ねる方の球出しだと、ボールが高く上がります。はじくように打ってアウトになるパターンか、面で操作してネットにかかるパターンがミス。入る方でもボールが弱くなって浅くなる傾向が出ます。
のスイングをスタートしてから、バウンドの変化に追従していこうとすることで、自然にそうなります。
ショートレンジでスピンやスライスを打って練習してきたのは、こういうシーンで対応がきくようにやってきたつもりなんですが、教え方が悪いんですね。
いやいや、すべて一度には出来るようにならないから、段階を踏んで、いまこの段階で相手のショットとミスの傾向を知ってもらいつつ対応を考えるようにしたいっていうことなんです。
2か月で出来るようになるんなら、むしろ効率はいいかも?
ボールに対応できるように、楽に構えましょう。そして、判断は早くしておきましょう。