実感としてのマジメな話なんですが、ワタシ、ここ2年くらいの間、「グリップの神様」に目をかけていただいているんです。
アタマがおかしくなったわけじゃなくて、明け方の枕元に何度も現れ、ラケットを通して手が感じる感覚についてイメージを残していって下さるんです。
自分よりもうまい人、あこがれるようなプレーをする人、自分にはなさそうな感覚の人のプレーをみると、つい真似てみたくなる性分。それが、ワタシ自信をコーチとしてお客さんの打球法をつぶさに観察したり、要素を発見したり、またはどこの段階まで戻って矯正をかけるといいのか、そういう判断をその場のコート上でできるようになりたいと切に願っていたら、神様がほっこり現れて下さるようになったんです。
実体は拝謁したことがありません。時には天からの声で、時にはワタシの手の感覚を操作して、
ボールが当たったラケットがどんなふうで、
ラケット面にあるボールが手にどんな影響で手に伝え、手がどの部位でどんな感じにボールを把握するのか、教えてくれるのです。
手のひらはパーじゃないってこととか、
バックハンドも手の甲じゃなくていいとか、
ラケットの重みが手のひらでくるっと回るとか、
5本ある指や手のひらの部位にポイントがあるとか、
それを把握するのは細やかに感じることのできる手の神経ならではだってことなど
腕の「芯」をラケットの「芯」とうまく合う角度に持って動かす事とか、およそテニスを普通にやっていたら思いつかないことを、悩みがあるごとに答えやヒントを下さいました。
先日のこと、スマッシュの感覚の為のドリルといって、速射砲ドリルをやります。ボレーだったらゆっくり連続して打ち返せる程度のテンポで、あまり動かなくてもいいようにロブを上げます。
オーバーヘッドの動作は、3拍子であることが多いものですが、
このテンポの良い球出しは、ゆっくり目の2拍子なんです。
はた目からはゆっくりした球出しなんですが、2拍子の球出しに3拍子の動作はどうしても遅れがちになります。
それを、うまく連続ではたき返す練習。ひとり2分でレクチャーしていきます。
まず、小指と薬指とをしっかり持つようにしてもらって、それだけで腕を振るとグリップエンドを中心に、ヘッドが回るのを手が感じやすくなります。
残り3本の人差し指、中指と親指は、輪っかを作るように持つわけなんですが、この輪っかが、ラケットヘッドの動きを制御する動きです。意図的に動かせるように、腕はラケットを軽く感じながらスイングできるようにするのに、5本の指と手のひらを上手く使うようにレクチャーしていきます。
そうするとですね、全員がそのあとのメニューであるサーブの練習まで、ラケットをつかったボールコントロールの仕方がわかるようになったと嬉しい感想を述べてくれました。
ストロークや、ボレーでも同じようなことが起こります。
ラケットが手の上でどのようにゆれ、動くのか。そこに興味を持つ事も、打ち方の理解に役立つものだと思いますし、握りを変えられないことがどれだけテニスの技術をスポイルすることになるのか、知らないことは不幸なことだと思います。