前回の記事のつづき?のようなものですが、力を入れてもたいして良くならないものだってことがどういうことかの説明です。
大概の人が、インパクトの瞬間に合わせて力を入れたり、スイングを速めようとしたりすると思います。
正解は、スイングが速くなるところを打点に持ってくる、なんですが、それを力で制御すると思っているのが間違い。タイミングがぴったり合う、ということへの再現性が約束できません。
たまにドンピシャになってしまうのもありますから、すごく気持ちよく狙った通りのすごいショットが飛んでいくんですが、それを何度も連続でとか、試合の中の大事な一本のショットで思い通りに出せないのが問題なんですね。
だから、攻め対守りでゲームをすると、守り切ってポイントを得る方が多いことになったりする。
脱線しそうなのでこの辺で置いといて、本題に戻ります。
力んだような打ち方をする人は、ほとんどがラケットの先端ではなく、スイングを始める体幹のあたりとか、腕の付け根部分に力を入れることになります。
大きな筋力が期待できるので、その力に対してはラケットは軽々と動かせるはずです。
逆に、手首とか、握力だけではスイングが小さすぎて強打するような雰囲気にもならないですね。
ラケットがけっこう軽いものだ、ということも一因かな、と思います。例えば野球のバットのようにラケットの3倍(以下でしょうが)ちかく重たいものや、ゴルフクラブのような長いものだと、身体が先行して回転運動をしても、うまくついてこなくてタイミングがむつかしくなります。
振り始めのきっかけの運動を与えておいて、振り出されてくるものをさらに加速させるのに、大きくゆったりとした動きが出来るようになった方が良いこともあります。加速が体幹→腕→ラケットと移っていくのに必要な連鎖があるってことですね。
そうすると、ラケットもそうですし、バットやクラブなんかも同じように効率の良いインパクトの為のスイングになる。
さて、そこで、インパクトの瞬間に合わせて力を入れると、どこに?が少なくともグリップを握っている手に、ってことになりますね。
まず手の運動をスピードアップさせようとするので、グリップが先頭に立ってヘッドは逆に後ろへ流されたような格好になります。
インパクト付近でそれをやったら、ラケットは進行方向は打球方向でも、ベクトルはうしろへ残ろうとする力も働いているために、打球感は重たくなります。
そのままの運動連鎖がうまくいっていたのなら、せっかく今からラケットの加速区間にはいってラケットの重さがボールに負けないところで衝突できるはずだったのに、グリップが急加速するものだから、ヘッドのスピードが出ずにインパクトを迎えることになるわけです。
だから、ラケットに当たってボールが飛んだとしても、力を入れた時とそうでもない時の差があまり感じられない。もしかしたら、ヘッドが遅れてボールが重たく感じたのが「すごい手ごたえだった」という満足感に変わるかもしれませんが、それって当たり負けの要素なわけで。
そもそも回転半径の小さな運動は、半径の大きな運動よりも速いものです。身体を回転させて腕が付いてくるようなスイングをさせていると、かなり早めにスイングをスタートさせていないと最適なポイントに間に合わずにインパクトを迎えることになります。
相対的な打点が後ろっぽくなっても、肘や手首の角度を変えて面を向ければ狙った方向に打つことはできますが、衝突のパワーはその分だけ減ることになります。
そうすると、いったい理想の打点でどこで、そこでとらえたボールはどんな感覚で飛んでいくんだろうってことになりますね。
わりと狭い範囲になるはずです。身体の向き、スイングの方向、腕の芯が出せるかどうか、面の向きに融通の利く範囲が得られるかどうか?
こういうことを考えていると、オタクになっていくわけですね~(-_-;)