日別アーカイブ: 2017年7月3日

上手くできるようになるまで

けっこう、「打点」を理解しないといけない、なんて思っていまして、まあそれが打球法の中では最も重要っていうか、ラケットに上手く当たらなければいくら良いフォームを持っていても役に立たないわけだし、自分の打球の成否なんて当たった瞬間にわかるものですから、そこに注目すべきってことはそう間違っていない。

 

だけど、打点へのアクセスの仕方ってあるじゃないですか。

 

だからラケットと腕の動かし方や力の入れ方だけでは語れないものだなぁとつくづく思うことがあります。

飛んでくるボールをどう見ているか、自分の打点での感触をどう期待しているか、正しい情報を持っている人ならそれを追えばいいだけの話ですが、訓練が足りなかったり、また正しい打点の動きと結果の経験がなければそこに辿り着くまでは結構かかります。

 

 

 

 

テニスを始めてやった人が、「テニスって面白い!」と思ってハマるときって、ラケットに上手く当たって気持ちよくボールが飛んだ時ですよね。

テニスのラケット独特の、ボールが面の真ん中に当たってスパーンと飛んでいくときに、すごく快感を感じるんじゃないでしょうか。

てことは当然、そうでない時に違和感とか気持ち悪さを感じると思います。

 

良いサーブをしっかり打てる、と私(そのコートのコーチ)も周りの生徒さんも認めているような人が、じつは自分のサーブの打ち方ってこれでいいんだろうか、と悩んでいたりします。

「脳内イメージ」と実際の動きや感触や結果となるショットが一致していないんでしょうね。

こういうのが一番こまる。打ち方を見ているコーチとしてです。

スイング通りの軌道で、フォームの流れも良く、っていう時に、例えばそのサーブが惜しくもフォルトだったとするじゃないですか。

ゲームじゃなく、打ちっぱなしのサーブ練習だったら、「惜しかったけどいい感触だったんだろうな」と思うわけです。誤差なんて誰にでも一定の範囲があるだろうし、サービスラインの内側だってそれなりに畳9枚近い広さがあるんですから、精密に打てなくてもいい。

だけど狙った通りの感じがしないんでしょうね。それがスイングが自分が思っている形になっていないのか、打点がちょっとずれたものなのか、回転が掛かった感触が無かったのか、「概ねいい感じ」な時にその人が求めていた目標がなんだったのかが分からないとどの要素にむけて今のフォルトの修正をアドバイスすべきか迷います。

短めに打てば入るんですが、どこに違和感があるのかを本人がわからない。お医者さんだったら患者が痛いところがあるって来院してどこですか?って聞いたら頭なのか歯なのかお腹なのかはっきりしない答えを言われたら困りますよね。鎮痛剤渡して終わりってわけにもいかないでしょう。

ほとんどのお客さんは、いまここがミスの原因になりやすいな、ってところが見えて、それがどうすればいいのかわかります。

コーチとの意見が一致しないことも勿論多いものですが、色々やってみるうちにその人にあったやり方を見付けていけるようになります。

たとえば、打点にむかって力を入れに行くようなスイングって、ほんとうにヘッドが走ってくるところとずれている場合があります。その人はそこが一番ヘッドのスピードが出るはずと思って腕に力を入れるのでしょうが、そこで腕が加速するとヘッドは一瞬遅れます。

そこのずれの原因と合わせ方を教える方法さえ見つかれば、その人の言動一致が見られるようになり、イメージと実際の軌道、それに期待された手ごたえが重なると脳に快感物質(ドーパミン)が流れます。

そういう時のお客さんの顔は、「ああっ!」っていう表情になって、「分かった!」っていうリアクションをしてくれます。

 

それも、球出しで出来るようになってから実践で使えるようになるまでは時間がかかるもの。そういう間の面倒をみれるとコーチとしても嬉しい。

出来るだけ簡単に形になっていて、さっと出来るようになるならいいんですけどね・・・

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 19:12 | コメントをどうぞ