ここのところ続き物みたいになっていますが、グリップエンドを大きくした加工のあと、自分の握り方に変化が出て(ラケットのハンドル部分の形状変化による不可抗力)、色々と気づく事もありまして、生徒さんで気になった人に私のラケットを渡し、「これでちょっと打ってみて」と。
サーブだったり、フォアハンドストロークだったり、ボレーの人もいましたけど、私のラケットにするとヘッドの動きがよくなって、当たりが良くなります。
当たりが良ければ感覚も良くなるのでしょう。コントロールも良くなります。
さいしょは、これを持ったらそういうラケットの動きが握りの中で把握しやすくなるんじゃないかな、っていう「疑い」に近い期待で生徒さんにそのラケットを貸したんですが、狙い通りの効果があって、しかもすぐに出る。
一人の生徒さんなんか、そのレッスンの時間中は自分のラケットに戻れなくなってしまって、私がもう一本のラケットをとりにいく、なんてこともありました。
うーむ。
小指側の握りがあまいとか、そんなに握らなくてもいいと思ったままこれまでテニスをしてきたとか、小指側がきちんと握れていないことが私の目に留まると、ワタシのラケットをつかってみて、という事になる傾向がわかってきました。
小学生のジュニアでも、305gある私のラケットで打つと調子が上がる子もいたりして、考えさせられました。
元の発想は、野球のバット。テニスのラケットよりもかなり重たいものです。小学生でもチームに入ってやる子は、こういう重たいバットをしっかり振っていますよね。
重たいものをしっかり振れるからこそ、握りや下半身、腰の動きなどに力を借りながらでないと出来ない事を体験しているのでしょう。その恩恵で調和のとれた動きが作られます。身体との協調した動きが一つのスイングになる。
テニスの場合はいちいち止まってしっかり腰を据えないと打てません、じゃ試合にならない事もあるので、ラケットは軽くできていますが、初心者の負荷を減らして導入が楽になる部分はわかるけど、握りが甘くなってもラケットが軽いので気づかないってことにもなりますね。
野球は空振りしても3回じゃなければ打席に残っていられるわけだし、ゴルフなんかも練習だったら空振りしてもまだそこにボールが残っているので取りに行かなくていい。
テニスは空振りがいちばん許されない状況にあるスポーツですかね。だからラケットは扱いやすい重さで面もでかい。適度な長さで、むつかしさもあるけど不可能そうなことは感じない。っていうのがテニスの道具なんでしょうか。
脱線しましたが、野球のバットにはグリップエンドがポコッと大きくあって、すっぽ抜けていかないようになっています。
ボールは遠くへ強く飛ばせるほうが良いので、ヘッドを走らせるのに、スイング中に握っている手の下でグリップ部分はグリンとまわる格好になります。
その、簡単にパワーを取り出すメカニズムが欲しかった。
私のスイングでも効果が出ていて、回転量が上がりました。スピードは当初落ちましたが、ラケットの感覚に慣れたら、戻せたように思います。というか、コントロールしきれないほど速い球は打ちたくもないので、そこは可不可なしってとこでしょうか。
ストロークではエンドの方からぶつけに行くようなスイングから綺麗にヘッドが回り、ボレーでは支えのしっかりしたヘッドの立った形でとれます。サーブはスイングに対して長さが抵抗になっていたものが、軽くなって楽になりました。
恩恵だらけ。戻れません。
暑くて汗をかくので、ドライグリップを一本もらい、試しています。ルキシロンの「エリートドライ」汗をかかないとウェットタイプに比べて滑る感じがしますが、たぶんこの商品丈夫で良い品ですね。持った瞬間から信頼感がある。しっかりしてるっていうか?
売れてるみたいですが、納得です。夏の間はこっちにしちゃうかも。