月別アーカイブ: 2018年9月

肩甲骨の動きが悪くなってから

もう50歳も目前の私。45歳くらいからまず老眼に気付いて、それから疲れ?の回復にすごく時間がかかるようになって、とくに朝起きて2階から下りてくる時に股関節とヒザがギシギシして手すりにつかまって下りてくる感じ(笑)。

そんな風にしているうちに、左足の付け根の裏側、ハムストリングスの上の方っていうかお尻の下っていうかのあたりが伸びなくなって、前屈する時に痛む。たぶん坐骨神経痛?とかなんでしょう。それと去年の春に肩関節の腱をやっちゃって、鍵盤損傷と診断されました。

サーブが打てなくなる、という恐怖から、なんとかしてコーチとしての役割分くらいは形を保とうとしながらサーブの研究をもう一度やったり、お医者さんに勧められたほかの腱を強くするというトレーニングもちょいちょい意識的にやるようにしていて、とりあえずはデモンストレーションとか、お客さんと一緒にゲーム形式をするときなどは依然と同じ程度のサーブが打てています。

しかし肩の痛みは少なく感じているもののやはりあって、引っかかるというか詰まるというか、腕を上げるときに少しギシっとなるんです。上がってしまえば割と大丈夫なので、腕を先にあげておくフォームにしたりして何とかしています。

今年の春になって、ちょっとトレーナーさんに上半身をみてもらった際に、「ナガキさん、肩甲骨ぜんぜん動かないですね」って言われて「ああ、そうなのか」と改めて認識しちゃいました。

もう1年経っていたんですが、なんとかしちゃってるうちになんとかなっていた部分で自分でできるケアを怠っていたのかなぁと思いました。

肩甲骨は胴体とは直接結ばれていないので、肋骨の上をすべるように動くように出来ています。だから自重をつかって出来る範囲で方の周りのアウターの筋肉をほぐしたり、可動域の邪魔にならないようにストレッチしたりしてみるんですが、改めてそっち方向に痛みが出ないように気遣っていた1年分の凝り固まったものがあると、横っ腹から腰のあたりまで伸びるような気がします。

とはいえ、自分で改めてチェックすると、そういうことをやったとしても腕を上げるときに軽い痛みがあるので、それを嫌ってやっていくうちに、腕を上げておいた形からサーブのフォームに入る方がやりやすくなってきました。

ボール投げが上手く出来ないのは、私の利き腕じゃない方(左)もかなりひどいもんなんですが、肘の位置を高くして、釣り竿のようにしなりながら投げるとそこそこスナップまで繋げて動作できるようになります。

右手のようには動かしても力が乗せられず、速く腕を振ってもボールは力なくふわっと上がってしまいます。

これって要するに、女性の方とかジュニアの小さい子がサーブを打つ時に羽子板のような打ち方になってしまうのも、私の左手の時と同じってことなのかなと。

ボール投げのような動作になれていない、というのは、動きの面に注目するとスピネーション方向への動きが十分になされない、という意味かと思います。

これって上腕部分から方までを上手くひねるような形にして前腕や手首のスナップに繋がっていくようになるものなので、肩甲骨のあたりの動きから関連しているはず。

だから、そこの部分に負荷をかけない、肘を高くキープしておいて肘から先をしならせて強さを出す(絶対的なパワーは少なくなります)と、ラケットヘッドまでの動きの伝達の仕方さえわかってしまえば鋭い当たりのサーブは打てるんじゃないのかな、と思います。

動きに慣れてくればすこし動作する範囲を広げることで、要するに体がなじんでくれれば可動域も少し期待していいかな、という発展の仕方もあると思います。

トロフィーポーズで肘を90度に、というのは大事な項目なのかもしれませんが、そこまでの可動域がない場合にはそれよりも小さな角度で高めに肘を保っておくと打てるのかも。

 

先週くらいから、自分のその可動域に自信がなくなって、肘を上げたらちょっと安定するようになったので、やっぱりそうなんだろうなぁと思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:22 | コメントをどうぞ

リターンの方が強い

一般クラスを見ているとか、ジュニアクラスの選手たちでないレベルの子たちの試合を見ていると、サービスゲームをキープするのは本当に難しいことだなぁと思います。

サービスゲームをいかにキープできるようになるか?というのはもしかしたら一般のテニスプレーヤーの大きな課題となるかもしれません。

 

一方で、リターンがそんなに得意でない、という人もけっこういます。

 

サーブを返球する時に、なにか特別なメンタルにでもなるっていう事でしょうか?

・・・なんて、まるで意味が分からない、という立場で書いているような文章ですが、リターンが不得意なのは私自身だったりしました。

私の場合、試合をして「うん、なんとかいける」って感じられる材料があればキュッと集中しやすかったりするんですが、その材料ってたぶん「サービスをちゃんと返球できること」だと思います。

まあそれはそれで置いておくことにしますが…

 

私はスクールではどちらかというと初心者のクラスよりも経験者のクラスの方が多く担当させてもらっているんですが、そうするとやっぱり最後にはゲーム形式やポイント形式で終わる事になります。

慣れれば慣れるほど、サーブを入れるのに苦労するサーバーに対して、リターンをどこにでも打っていいレシーバーの方が有利になってきます。

ダブルスで、サーブの後をステイする人だと、セカンドサーブになってリターンを強打されるともうどうしようもなくなることが多い。

 

ボールが深かったり、すごく強かったりすると、もうブロックするしかないので、相手がそのまま詰めてくるとか前衛さんが積極的にポーチに来るとかすると早速状況はヤバくなってきます。

かといって真っ向勝負のフルスイングをしてもそんなに鮮やかなカウンターが取れるってこともないんです。

 

サーバーは、シングルスでもそうなんですが、3球目のイメージをしっかり持つべきですね。相手が強めに打ってくるとか分かっているのなら対策のとりようもありそうなもんですし。突然の奇襲とかはやっぱりびっくりすると思いますけど、それって相手の方にもリスクはある。

「入れなきゃいけない」と思うボールほど、置きに行くような死んだボールになってしまうのも相手にとっては美味しいのかもしれません。そもそもリターンの強打だってけっこうリスキーな感じがすると思います。だけど「入れに来る」サーブが一番どの辺にどんなボールがわかって構えていられるショットですから、「よおし、打っちゃおう!」って気になるのもわかりますよね。

打ってくるのなら、ノーバウンドで返す、っていうのも策です。

ようするにサーブ&ボレーをしろってことなんですが、ボールが往復する時間の使い方が出来るようになってくれれば、早くて深い相手のショットが目の前でバウンドしてから返すよりも簡単に思えてくるようになるかもしれません。

これも、「3球目のイメージ」を工夫した結果、といえるかもしれません。

得意になったら常用するのもよし、相手のリズムを崩すための一手として取っておくのもよし。「苦手だからやらない」というのはすぐにばれてしまいますから、練習では普通にできるくらにしておく、っていうのも日々の練習を締めてくれる楽しいキーワードになるかもしれませんね。

リターンを自由に打たせない、ということが出来るか、リターンが何かしてきても対応できる、という所から考えないと、サービスゲームをキープする、というのはむつかしいことの一つになってくると思いますから、よく考えておきましょう!

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 16:55 | コメントをどうぞ

人によってちがう事

ボールを上手く打てるようになりたい、というのは一般テニスプレーヤーならほとんどの方がそう思うことだと思います。

ですが、県大会上位とかに入っている人たちは、おそらくボールなら普通に打てる、って感じていると思います。練習では感覚と実際のギャップを埋める事・・・イメージ通りのタッチでボールが打てれば狙った方へコントロールできる、という感覚を持っていると思います。

 

ボールが上手く打てるようになりたい、とは私自身が人一倍願っていたことでもあり、いまの研究というか、勉強のおおもとになっています。テニスコーチとしてのアイデンティティといっていい。

 

それで勉強しているうちに、ただ動作の解析が出来てそれの説明が出来ればテニスコーチが務まるのか、という所に疑問が出てきて、やっぱり知識だけがあっても使い方が分からないと役に立たないなぁとここ数年は痛感するばかり。

私がいくら勉強したことだからと言って「正しい打ち方というのは、こうです」って教え方をしても、おそらく少数の人にしか上手く伝わらない。それでその少数の人っていうのは、たぶんそれを言う前にほとんどできている人たち。

まあ実際には「正しい打ち方」なんていう一つの物は存在しないものなんですが。テニスはショットの多様性があってゲームが面白くなっていくスポーツ。トップスピンもスライスもドロップショットもフラットもあっていい。

 

だからプレーヤーによっては得意なショットや苦手なショットがあってよくて、もちろん得意を伸ばしたり、苦手を克服する喜びもあるでしょうし、活かし方で戦える部分もある。

そんな中で、何かにこだわりを持って指導法を見つけるのもコーチとしての道だったかもしれませんが、私は基礎ってなにか、を追求していくようになっていきました。

・ラケットとボールの衝突、という力学的な面

・筋肉や関節の役割や動きからみた、身体動作的な面

・個人や、レベルによってボールの見え方が違う、という時間や空間把握の面

・ラケットにボールが当たったのがわかる、という手のひらの感覚の面

大きく分けて、これら四つの分野にそれぞれの見方が出来ると、単純にラケットをどう扱ったらうまくなるのか、というだけでは生徒さんの悩みに答えたことにならないのではないか、という事に気が付きます。

一度のスイングで一度のインパクトがあり、それが打球という結果になって行くわけですから、これら4つの要素は全て同時に複合しあって絡んでいる要素なわけです。

動作の一つひとつを分けて説明してみようとトライしたこともありましたが、複雑すぎて意味がないやって気がついたり、そんなにゆっくり考えている暇はプレーヤーにはないってことにも気づいたりして勉強しても難しいものはむつかしく感じるままでした。

だけどできる人は簡単にこなすわけです。要するに一本のショットは一回スイングするだけなんですから、そうでないと難しいことは上手い人でも難しいことになってしまいますよね。

難しいんじゃなくて、慣れてしまえばいいんです。訓練して、出来る感覚がすぐに得られているのならハーフボレーでドロップショットとか、追い込まれてランニングアングルパスとかやろうと思って出来ると感じながら打つはずなんですね。それも一瞬の判断で体が反応します。

訓練する間は、ミスもたくさんすると思います。だけど感覚があるなら、やっぱりやってみる価値が上がっているわけですね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:08 | コメントをどうぞ

ああ、フェデラー。。

今年の夏は、北半球が暑かったそうで、日本ばかりでなく世界の大陸の7割があるという北半球で異常気象的な暑さに見舞われたそうです。

私も今年の夏にはやられました。。。気温もさることながら、湿度が体にまとわりつくようで、どうにも逃げ場のない感があってきつかったです。

さて、全米オープンもそんな中で行われており、ヒートポリシーがあんなに適用されるGS大会もなかったんじゃないでしょうか。もともと全豪オープンがよく40度にもなる日があって聞くようになったヒートポリシーですが、熱中症で棄権する選手も多かったと聞きます。

4回戦ではフェデラーがミルマンに敗れる波乱があって世界中に衝撃が走ったとかっていうニュースを目にしました。

私の予想ではちょっと前に書いたかもしれませんが、今年のフェデラーは明らかに去年よりも劣る部分が目立っていて、この全米のタイトルからは遠い存在なんだろうと思っていました。

ウインブルドンのころから、その予兆?というか、明らかにロジャーらしからぬミスが目立ち、パスミスもあるし、バックハンドは浅くなるし、なによりリターンを返しあぐねているように見えたのがこれまでにないことでハラハラしながら見ていました。

準々決勝でアンダーソンにフルセットの11-13で敗れましたが、それをもってもフェデラーのゲームの進行のうまさだけが見えて、力が衰えたとしてもゲームを取る力が抜きに出ているので勝てるんだなぁと、その地力がどれだけのものか想像がつかないと思ったものです。

若いころのフェデラーはネコ科の動物のように静かに素早くしなやかで、タフなラリーを驚くべきショットで必ずものにするという印象があり、フットワークにも世界のトップとして誇るべきものがありました。

去年のフェデラーはそういった素早い身のこなし、というよりも確実に重たいボールを欲しいときに一本打てればラリーの主導権が手に入るかのようなうまさがありました。ラリーをしながらそういう一本を待つ我慢、そしてそれを打てた後の一気に畳みかける展開のうまさと速さで相手にまともなテニスをさせないうちに自分のポジションにボールを呼び寄せるように見えるプレーがおおくて、身体能力が落ちても神様のような力でゲームを支配しているかのようなプレーでした。

ウインブルドンのフェデラーには、去年と同じような魔法というかむしろ神様がそこにいるようなプレーを期待していたのですが、みるとリターンミスが増え、ネットを取る相手にバックハンドのパスミスが目立つようになっていました。キープする力がものすごく高いのでセットを取られないですが、相手を圧倒するというほどの圧力をそれほど感じなくなっているなぁと思っていました。

なんだかラケットを今年バージョンのサイドが白いプロスタッフにしてからショットのフィーリングが悪いような?ギリギリのアウトも増えてきて、それが全米に来てみれば去年までの黒いプロスタッフになっているじゃないですか。本人も異常に気付いて自力で修正できずに去年の感触に戻りたくなったのかと個人的には勘ぐってしまいました。

開幕前に若いヒッティングパートナー2人を相手にしている動画が公開されていたんですが、バックハンドの軌道が低くなってしまうためにネットミスや浅くなることが多くて、私の個人的な心配は増えるばかり。シンシナティの大会では決勝まで進んだものの、ジョコビッチのショットに反応が遅れるシーンもややあって、全米は苦しそうだなぁと思ってしまったんです。

 

 

それでも試合が始まれば余裕のある勝ち上がり。

 

4回戦でミルマンと当たると聞いても、「さすが第2シード、ドローに恵まれてる感じだなぁ」と思っていたんです。

じじつ、第1セットはミルマンを圧倒しているかのような、自在なゲームを進めてあっさり奪いました。・・・いや、見た目では、です。

そのセット、硬軟織り交ぜての多彩な攻撃、そしてネットに出てプレッシャーをかけるなどがうまくはまってミルマンがうまくプレーできていない感じ…という印象のセットではありましたが、実際には後半にはそういった多彩さにはミルマンは対応してきていて、結局はワンブレークでセットをものにした感じになりました。

2セット目になって、フェデラーはミルマンのまっすぐな重そうなサーブに対して一本置きに行くようなリターンが増え、ラリーの主導権をなかなかものにできなくなりました。

そしてあろうことか、フェデラーの最大の武器であるあの完璧にコントロールされたサービスがことごとく入らない。1stサービスがネットにばかり当たるどころか、ダブルフォルトも1ゲームの中に2度もする。そしてミルマンのリターンからストロークはさえてきて、結局ブレイクを許してしまいます。

その日底から仕事に出なきゃならなかったので映像で追うことはできませんでしたが、ほどなく結果を知ることになりました。2セット以降を全部落として4セットでフェデラーが敗退したニュースをみて、がっかりしたほうが先で驚くことはそれほどでもありませんでした。

もうダイジェストを見る気にもならず、私の中では優勝予想はナダル、ジョコビッチ、デルポトロ、チリッチあたりかなぁとなんとなくではありますが、顔が浮かんできました。

ドローはちゃんとは見ていなかったんです。

 

そしたら準々決勝に勝ち上がってきた錦織がチリッチと!

この試合は全部見ることができましたが、正直、途中眠気に勝てない時間帯もありました。。。しかし、フルセットで錦織がチリッチを破り、解説していた松岡修造さんが泣くのと同じく私も感動で涙が。。。

チリッチは去年のウインブルドンからGS決勝を二つ、経験していて調子のよさというか、自分のテニスの強さに気づいてものにしてきているという印象がありました。

くわえてハードコートでサーブ力があり、そしてリーチの広い強烈なリターンを持っています。ラリーの主導権を先に持てる武器を、彼は持っていると思うじゃないですか。

そんなイメージ映像をかき消すかのような錦織の鮮やかなゲーム。あいてのメンタルを手中に入れて戦っているかのようなポジショニングの操作、そしてダウンザラインの精度。

あらためて惚れ直しました。やっぱり錦織のテニスって魅力に満ち溢れている。

そのあとにジョコビッチにあたってストレートセットで対戦成績で14連敗となる敗戦を喫しましたが、テニスのレベルをできる限り上げてコートに立つ雄々しい姿はやっぱりカッコいい錦織でした。

ジョコビッチはもうだめですね、アレです。無敵。

ジョコビッチ的に苦手なタイプの選手っていると思うんです。いちばんはワウリンカ。やっぱり重要な大会の決勝で全部勝っているし、その前にも当たれば死闘を演じることになるタフな相手だと思っていると思います。

勝てはしませんでしたが、ミルマンの演じていた長いラリーもたぶんあまり好きじゃないでしょう。シモンを相手にミスをしまくった16年の全豪も記憶にあるので、ジョコビッチのショットにきっちりタメを作って売ってくる選手のことはちょっと苦手、というか嫌いなのでしょう。

ただ、彼らはジョコビッチの苦手なラリーまではできてもその上のギアがないためにジョコビッチが崩れてくれなければ勝ちきるまでは結構大きな壁があるように思えます。ワウリンカはそれを持っているといえると思いますが、それならガスケそうなんじゃね?と思いましたがそうでもないんですよね。

 

で、個人的には錦織にもそういう、ワウリンカみたいなテニスを?と思うこともあるんですが、自分のリズムでできないテニスほど上手くできない試合もないでしょうから、それも無理なんじゃないかと思います。

ラリーであるていど手ごたえを感じていて、打ち勝ってみたい、と思っている強い相手に、遅いリズム、弱い球、遅い球を使う、っていうのが甘い球を好き勝手打たれると思っちゃいますよね。恐ろしくてできない。

戦略的には違うかもしれませんが、ラリーのリズムってフェデラーと錦織ってハイテンポで似ているところがあると思うんですよね。

それと、油断をするとすぐに厳しいところに打ってきて攻めてくる、っていう油断のできなさ。

そういったプレッシャーを撥ね退けるテニスの仕方をジョコビッチは手に入れているんだと思います。フェデラーが神なら、ジョコビッチは悪魔に魂でも打ったのか?っていうくらいに。。。

 

ああもう1時間も書いてる。。。もう寝ます。おやすみなさい!

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:44 | コメントをどうぞ

「ひねる」はけっこう使う

ラケットを引きながら、あるいは振り出しながら、という動きをしている最中って、腕を伸ばしっぱなしにすると、重たくて動作が遅くなります。

支点からの動かすものまでの距離が遠いほど、トルクが必要になって重たくなります。自転車の重たいギアでは速く走れて、軽いギアでは坂道もスイスイっていうのがそのトルクの働きの理屈です。

早い動作をする時に、関節を上手く使って素早さをものにしたり重くしてい力を上げたりする、という事があります。

テイクバックでは後ろから勢いを付けてフォワードスイングにつなげる、という事を単純に理解すると「二度引き」する方がボールとリズムが合うような気がします。

実際には期待しているようなバウンドをしない、なんてことがあるし、ボールにタイミングだけを合わせる様ではコントロールの精度がでないので、二度引きはドンピシャのタイミングになることもありますがやはり安定しないものです。

より早い段階からフォワードスイングでボールを狙い通りに捉えるための準備をし、飛球に備えて合わせられるようにしながらもスイングを完了させるようにします。

効率よくストロークの為のテイクバックをするなら、面を外向きにひねるようにしながらテイクバックすべきですが、この時にもお腹の前にスイングのエリアを作る形にするとか、同時にボールを呼び込むためのエリアとして動きとボールを合わせるリズムを作ります。

先日はシングルススティックをつかって「綱引き」のような格好であるお客様に試してもらったのですが、テイクバックをラケットヘッドを後ろの方にくるっと手首で返してしまうだけで腰のターンが出来ない感じでした。

腕もラケットも重さがあるわけですし、素早く動くには大きなパワーが引き出しやすい形である方がいろいろ融通が利くので、その「綱引き」の形になれば下半身もしっかりさせるのがイメージしやすいかと思ってそうしたわけです。

それで、重心を落として引く際に、スティックを私の方でこのくらい、という感じでひねってあげたら、そのままフォアハンドの準備に近い形になりました。

その段階でお客様の方も「あっ」と気が付いたようで、じゃあその形になってボールを打ってみましょう、といって球出しのボールを打ってもらいました。

最初のうちはパワーが予想以上に出てどこを制御するか時間が掛かりましたが、結果的には5球目くらいからはかなり当たりの良いトップスピンを打つようになりましたから、自分の準備が確実に打点を捉えられる形になったと感じたのでしょう。

えてしてサーブやボレーでもそのような要素は少なからずあって、そこの動きが自然にできる人はコーチのデモンストレーションを見ただけで真似ができ、そうでもない人ってそこんところの形になる方法を簡単に紹介してあげてから少し自由に打たせてあげる中で気づいてもらえることがあると思います。

動作の中に「ひねる」というのは意識しないでやるものでもあると思うんですが、意識しないと使わない、というようではやっぱりよくなかったりもするものなんですね。

 

再認識しました。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:49 | コメントをどうぞ