人によってちがう事

ボールを上手く打てるようになりたい、というのは一般テニスプレーヤーならほとんどの方がそう思うことだと思います。

ですが、県大会上位とかに入っている人たちは、おそらくボールなら普通に打てる、って感じていると思います。練習では感覚と実際のギャップを埋める事・・・イメージ通りのタッチでボールが打てれば狙った方へコントロールできる、という感覚を持っていると思います。

 

ボールが上手く打てるようになりたい、とは私自身が人一倍願っていたことでもあり、いまの研究というか、勉強のおおもとになっています。テニスコーチとしてのアイデンティティといっていい。

 

それで勉強しているうちに、ただ動作の解析が出来てそれの説明が出来ればテニスコーチが務まるのか、という所に疑問が出てきて、やっぱり知識だけがあっても使い方が分からないと役に立たないなぁとここ数年は痛感するばかり。

私がいくら勉強したことだからと言って「正しい打ち方というのは、こうです」って教え方をしても、おそらく少数の人にしか上手く伝わらない。それでその少数の人っていうのは、たぶんそれを言う前にほとんどできている人たち。

まあ実際には「正しい打ち方」なんていう一つの物は存在しないものなんですが。テニスはショットの多様性があってゲームが面白くなっていくスポーツ。トップスピンもスライスもドロップショットもフラットもあっていい。

 

だからプレーヤーによっては得意なショットや苦手なショットがあってよくて、もちろん得意を伸ばしたり、苦手を克服する喜びもあるでしょうし、活かし方で戦える部分もある。

そんな中で、何かにこだわりを持って指導法を見つけるのもコーチとしての道だったかもしれませんが、私は基礎ってなにか、を追求していくようになっていきました。

・ラケットとボールの衝突、という力学的な面

・筋肉や関節の役割や動きからみた、身体動作的な面

・個人や、レベルによってボールの見え方が違う、という時間や空間把握の面

・ラケットにボールが当たったのがわかる、という手のひらの感覚の面

大きく分けて、これら四つの分野にそれぞれの見方が出来ると、単純にラケットをどう扱ったらうまくなるのか、というだけでは生徒さんの悩みに答えたことにならないのではないか、という事に気が付きます。

一度のスイングで一度のインパクトがあり、それが打球という結果になって行くわけですから、これら4つの要素は全て同時に複合しあって絡んでいる要素なわけです。

動作の一つひとつを分けて説明してみようとトライしたこともありましたが、複雑すぎて意味がないやって気がついたり、そんなにゆっくり考えている暇はプレーヤーにはないってことにも気づいたりして勉強しても難しいものはむつかしく感じるままでした。

だけどできる人は簡単にこなすわけです。要するに一本のショットは一回スイングするだけなんですから、そうでないと難しいことは上手い人でも難しいことになってしまいますよね。

難しいんじゃなくて、慣れてしまえばいいんです。訓練して、出来る感覚がすぐに得られているのならハーフボレーでドロップショットとか、追い込まれてランニングアングルパスとかやろうと思って出来ると感じながら打つはずなんですね。それも一瞬の判断で体が反応します。

訓練する間は、ミスもたくさんすると思います。だけど感覚があるなら、やっぱりやってみる価値が上がっているわけですね。


カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:08 | コメントをどうぞ