私の育った(コーチとして育ててもらった)スクールは、ジュニアクラスももちろんあるけど、大会に出て入賞するような子たちのクラスがあるとか、全国や関東で有名な選手がいるとか、っていうようなことはまずありませんでした。
コーチ歴としては色々なスクールにお世話になりましたが、当時私がそういう言い方で分類していた、「選手育成」系のアカデミーには縁がなかったんです。
私のいるスクールに、そういういわゆる「強い子」(ジュニア選手らしいダイナミックな打球フォームで小さな体からでもビュンビュンすごい球を打ってくるような子)が入ってくると、「いったいどうやって”教育”できれば、あんなふうにジュニアを育てられるのか」というようなことが全く想像できませんでした。
もちろん、その子の資質もあったのでしょうが、私自身が普通の子供時代を過ごしていて、テニスに出会っていませんでしたから、もし自分がいまの運動神経で、きちんとジュニアテニス選手として育ててくれるところでテニスを始めたら、あんなふうに出来るようになったんだろうか、とかすごく興味がありました。
だけど、テニスコーチとして仕事をしながらでは、自分がかかわってきたジュニアクラスの子供たちをそんな風に出来るような気がしなかったものです。
一生テニスコーチでもうやって行こう、と決めてから、会社員でもなくフリーのコーチになり、そして現在のスクールにお世話になることをメインにしながら、ジュニア達との関わりは深くなってきました。
いまは、「スポ人」というサイトでほぼ毎週どこかで試合を企画している「すくすくのっぽ君大会」に出ているような子供たちに月に2回、クリニック的なレッスンイベントを開催するようになりました。
ずっと「テニスが上手になる為の方法」とか「上手な人の打ち方の研究」みたいなことをやって自分なりにやってきたわけですが、大人のスクールでそれをやるにはマニアックで、ジュニアにそれを語るには理屈っぽすぎて話が長くなるような「勉強」だったと思います。
プレーヤーの憧れの存在たる「プロ選手」
彼らのような威力や精度は出なくとも、基本ショットは全て打てたり、対処ができる「上級者」
自分なりにボールは打てて、得意も苦手もはっきりある「中級者」
技術やゲームに不慣れな感じがする「初級者」
みたいな感じで区分があるかもしれませんが、一般テニス愛好家とは、どこからどこまでのことをいうんでしょうか?
プロ選手以外のすべてですよねぇ
こうやって上級とか中級とかって呼び名的な区分けをしたとしても、明確なラインがあるわけじゃない。
とくに、ジュニア選手たちはそこで頑張って「選手」になる憧れはあると思いますし、それが大人のスクールをメインに考えていた私にはどう接していいのか分からないんだろうなという不安があったと思います。
いまのスクールや、そういうイベントで知り合うジュニア達とは関わりあうようになってやっぱりみんなテニスが好きでやってるんだ、という共通項?みたいなものを理解できるように?なったような気がするんです。
知り合いのコーチ達でジュニアを専門にやっている人もいれば、県の強化委員を担当されていたりする人もいて、彼らの様にジュニアの世界を俯瞰で見るようなことはできませんが、目の前にテニスを楽しそうにやってきたり、試合に勝つために目を輝かせてくる子たちってそういう私が考えていただけでビビっていた壁のようなものは感じませんでした。
いつの間にか、自分なりの立ち位置というか、彼らとの接し方が出来てきたような気がします。
これって彼らに私を育ててもらったんですよね。負けないように日々勉強していきますが、今よりももっと上手く私との関わりが何らかの役に立てるようになればいいと思っています。
分かりやすくてすぐに使えそうな、長い話(笑)。