月別アーカイブ: 2019年6月

ストロークの準備

YouTubeを、5月のさいごの金曜日に撮ってから、6月10日くらいまで、新しいネタが撮影できずにいて、そこで守るスライスと攻めるスライス、という二つのテーマを撮った時に、なんだか段取りというか、撮影の心構えみたいのがちょっと遠くへ行っていてバタバタしちゃったんです。

しかし、投稿してみると「待ってました」的なコメントを頂いたりして、こういう反響をいただくって心理的に大きいなぁ、と思った次第です。

さて、私のYouTubeチャンネルでは、「サーブ研究会」と「スライス/ボレー愛好会」というタイトルで分けてシリーズ化してそれぞれ10~20くらいのコンテンツになっています。

そこで完結しなければいけない、というわけでもないのですが、ひととおり基礎をやって次へいく、という感じで考えていまして、もうそろそろフォアハンドストロークという項目へ移動していこうと思っています。

 

さて、グラウンドストロークの最重要課題、と思っています。フォアハンドストローク。

これの信頼度って、かなり重要ですよね。「バックハンドが得意です」という人であったとしても使用頻度はバックよりも多いはず。フォアハンドである程度ペースがつかめたり、展開を先にして主導権を取るようなラリーは欲しいもの。

そんなフォアハンドストロークに着手しようとしています。

とはいえ、各ショットを一巡するまでは基礎、という項目から外れずにやって行きたいとも思っていますので、それだけにどんな順序で紹介していくのか、悩みました。

 

打球技術の前に、「超基礎」という紹介を使用と思っています。

・ボールとラケットの力学的な要素

・それを身体を使ってどう再現するかという操体的な要素

・飛んでくるボールにアジャストさせる感覚的な要素

・さらに、フットワークなどで得られるリズムとは、という要素

などを、それぞれ考えて行くことになるので、どこが「基本」の出発点なのかわかりにくい部分を紹介していこうと思います。

昔から、こういう知識をアウトプットするための勉強をしてきて、握り方から言ったほうがいいのか、スイングの基本形を学んだほうがいいのか、走って追いつく事から紹介したほうがいいのか、その順番をどう並べると実践的なテニスを楽しめるところまで最短距離で行けるのか?すごく悩みました。

結局答えはでず、というのは、それを習う対象となるお客さんの方が千差万別であるということも理由です。経験のあるなしや、動き方の特徴などからどの要素を認め、どこの要素を付け足せるようにアドバイスや練習を組んであげるのかがコーチの仕事かと思ったからです。

空ける引き出しさえ、こちらに用意できていれば、見た段階でどんなプレーをするのかを見極められたり、その後に話し合うことで目指す道がみえてくるんだということ。

だから、複合した絡み合ったものなので順番なんてない、っていうことに決着した、そんな感じです。

実際に打球して見せるデモンストレーションを行いながらいろいろなことを紹介していこうと思っていますが、その根拠は必ずあるので、一番最初にその「超基礎」を紹介しようと思っています。それがどうなっていくのかを示さなければ、紹介してもしても最初の内は響かないかもしれません。

しかし、やっていくうちにそこを基本にしていけば、答えはそこに導かれていくことがわかるので、理解できそうだと思ってくれた人から戻って見返す、なんてことになってくれたらいいなと思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:23 | コメントをどうぞ

Federer vs Nadal!

このカード、楽しみにしていましたよね!

フレンチを取ろうと思ったら、ラファという大きな壁を越えなければならないのは自明の理、とはフェデラーの談話でしたね。

実現までこぎつけるだけでもすごいことだと思います。

17年全豪から、二人の対戦ではずっとロジャーが勝っていました。キャリアの対戦成績では、16年までのリザルトでは23勝10敗、がナダル側の成績。

クレーコートで当たる事が多かったがというデータもあります。クレー以外ではロジャーの勝率が勝ります。

それが、昨日の試合前では23勝15敗まで、ロジャーが巻き返してきていた、ということなんですね。

フェデラーが、ナダルの持っている「対ロジャー戦略」に耐性ができたということと、より攻撃的なバリエーションを持ったということがありますが、もう一つにはその間、フェデラーはクレーコートの試合を避けてきた、ということもあったと思います。

そこへもってきての今回の対戦でして、世界中の人が、「クレーコート上で」この二人のカードが実現するのはこれが最後かも、という見方もかなりあったと思います。

 

私はもうここ何年も、恥ずかしがらずにフェデラーのファンであることを言ってきていますが、木曜日の夜に仲間と話した戦前予想では、

6-3.6-2.6-2でナダル

という予想をしました。

実際のスコアは、

6-3.6-4.6-2でナダル

でしたね・・・

今回見ていて思ったのは、フェデラーのポジションについてです。

これって、錦織がジョコビッチに勝てない理由もそうだし、フェデラーがナダルを苦手とする理由もそうだし、フェデラーとジョコビッチもここの所、分はジョコ側にある理由でもありそうな気がしている事です。

錦織選手も引き合いに出しているのは、ベースラインから下がらない攻撃的なスタイルが似ている、ということが理由で、それ以上複雑な理由はありません。

両者とも早いタイミングで広角に打ち分ける能力が高く、ポジションをより上げていって相手の時間を奪う、ということが試合中に他の人よりも上手い。

特にロジャーはネットに繋げてポイントを完結させる能力がより高く、年齢を重ねて進化した要素かとも思っています。

 

さて、何が言いたいのかに入りますが、

ナダルやジョコビッチ、今回の対戦で見たのは、錦織と当たったペールも主導権を握った時間帯にはそうであったように、こちらから放った「入れば有効な」ショットを成功させているのに、そのリターンが結構厳しい、ということなんです。

攻めに行った方が逆襲されている、という図式になるパターンが多く、ショットの質も深さやバウンドの効果も相手をはっきり追い込んでいるので相手はコート内に打ってくることが主になるはずの所が、攻めている側の想定している「攻撃ライン」の外に向かってカウンターがやってきます。

それがコースであったり、深さであったりするわけですが、その「攻撃側が逆襲されたと感じるリターン」の精度や確度が高い。

なので、攻撃する人が「もう一本」を更に攻めていくとかとどめを刺す、とかっていう図式が一発で破られた感じになります。崩されるのでその後の動きが鈍る。

かといってそういうボール無しではらちが明かない。

そういう試合であったと思います。

そこに打てば相手の体勢が崩れる、が「有効なショット」であるとすれば、本来ならそのまま更にコート内に踏み込んで相手の空間を制圧することができる攻撃なんです。

そうすると、錦織やフェデラーが攻撃に使うラインがネット方向に広がって、左右が狭くなります。ナダルやジョコビッチは、その左右の広い部分に放り込んでくれば、カウンターが成立します。

攻撃タイプの二人も、相当に能力が高い(もちろん世界中で屈指のレベルだと思います)訳ですが、

その「有効なショット」の次が問題なのであって、そこの使い方の為にポジションをわざと2,3歩ぶん下げてみる、というのはどうか、ということを考えてしまいました。

彼ら(フェデラーや錦織)は、ベースライン上から、更に踏み込んでコート内に、というイメージで有効なはずのショットを、リスクがある上で打ってきています。

それをベースライン上でもう一度打つ、ということは、ナダルの方にしてみれば、タイミングが早いから、走らされた方のサイドでしっかり相手を見れば、広い方に打たれても斜め後ろに走って間に合う空間があり、あまり動き回れないとすればその逆はそこにいればいい、ということになりますから、反応さえよければ迷わずに見ていればいい。

それを、ひと呼吸分だけ後ろでしっかり溜めて打つように出来たとしたら。。。

時間があるがゆえにナダルやジョコビッチは戻ってセンターに走らざるを得ず、そこで迷う時間があれば、走り過ぎた元の位置(オープンスペースの逆方向)に打つも良く、また一度止めていればオープンスペースに打つも良くなります。

可能性としては10~20%かも知れませんが、「有効なショット」の次のショットが決まる確率が増えると思います。

その少ない確率でも相手には嫌なプレッシャーになるとは思うのですが…

 

ただまあ、普段のリズムで打ちあえない事や、相手に時間を与えると先に攻め込まれてしまう、などの難しい判断でもあると思いますが。

彼らのカードがこんなに楽しみなのは、そういったことを仮説を立ててみながらも、彼らが簡単なミスをしないで見ていられるからなんでしょうね。

その前にやっていた女子の準決勝は、レベルが高いがゆえにミスも多かった。そういった差はあると思います。

リスクがあるところに果敢に挑んでいってきっちり打つことも、そこで油断なく相手が折れるまでそういうレベルのショットを打ち続けられることも、プロってすげえなと思わされるところですね。

 

カテゴリー: プロ選手オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:37 | コメントをどうぞ