日別アーカイブ: 2019年8月10日

ゲーム主体で考える

動画もやっているんですが、ここ数年で、私の考え方もだいぶ変わったな、という所のお話。

動画も、っていうのは、あの動画は「ボールの上手な打ち方」を解説している動画なんですが、打点の位置はここですとか、ここの手首はこの角度で、とかっていうようなことは言っていない。→こんなこと言うのは、私がコーチを始めたころ(ギリ昭和)には、こういうことを厳しく指導していた先輩コーチって多かったな、ということです。

時代は変わって来ていて、昭和の頃って、子供たちの遊びの中に飛んだり跳ねたり投げたり捕ったりが備わっていて、狙ったところに入れるゲームとか、単純だったけど運動するっていうことはそのまま競技を始めたときに基礎ができている、っていう要素を盛り込まれていたんですね。要するに外遊びとか、子供達で集まってカンケリやるとか、ドロジュンやるとか、っていう遊び、メンコとかも自然と運動連鎖が出来るように作られている遊び・・・今になって見つめなおせば、ですが。

そんな中で例えばメンコであっても、上手にできる人って強いアイテムを持っているとか、自然にランキングめいたものがあって強い人同士が戦うと観客ができたりしたものです。コマ回しだって、ベーゴマみたいな「戦う」「戦わせる」要素に興奮したりしたものです。

 

くらべて、という対象は、我が家の子供たち。外遊びも積極的に奥さんが連れていってくれましたが、大人しく砂場で遊んでいるとか、自転車乗り回すとかで、そのうちハンディのゲーム機を持ち出してゲーム機で遊んでいました。

そうすると、テニスを習いに来てくれたところで、ボール投げが十分にできない。昭和の頃の人は、男の子だったらボール投げは出来るけど女の子はそうでもないかな、ていう感じが強かった印象ですが、私がコーチのアルバイトを始めた頃には男性でも「苦手でして・・」という人が増えて来ていたように思います。

そうなってくると、テニスを初心者で始める、ということに対して運動の基礎があるかないか、っていう前提条件が変わってきます。

テニスにはテニスコート、という枠や、シングルスとかダブルス、っていう人数の事や、ゲームのカウントとかっていう決められたルールのあるゲームである、という要素があります。

初心者が始めるには、陸上や水泳、またたぶん野球とかサッカーとかよりもその辺がちょっと複雑に思う人もいるかもしれませんが、フェンシングとかアメリカンフットボールとかに比べれば「見てれば何となくわかる」ルールでもあります。親しみにくいって程ではないですね。

もともと、何かやると競技になる、という昭和の時代から、そうでもない世代へと移っていっています。だから、ボールの打ち方だけを最初に教えてしまうと、「うまく打つかどうか」を目標にテニスをする事になっていくんじゃないか、ということもある。

ジュニアを指導する時に、「PLAY&STAY」(楽しく初めて親しんで続けられる)をモットーに要項は大きく書き換えられました。

なるべく自然にこのボールゲームになじんで、試合に出ていくのが自然な流れになるように、テニスをやってます、っていうジュニアは試合に出てるんです、っていうのが自然になるようにしむけていければ、ということなんですね。

プレーをする側にとっては、試合に出ることを前提にしていない人がいても構わない。だけど、テニス業界としてはテニスを始めたらいずれ試合に出て競技として楽しんでもらえる道筋をつくっておければ、レジャーで楽しむことも、試合に出ることで次が出来ることも、またそのなかで仲間が出来て世界が広がっていくことも用意できる。そういう業界であるべきです。

 

海外ではどうやっているか、とか業界の人は研修にもいっているし、ヨーロッパでも、なんならアジアでもしっかりしていたり、素敵なコミュニティが出来上がっていたりしますから、そういうのを参考にしつつ、今の日本人のテニスへのかかわりかたやテニスをする人たちの社会、っていうのをどんなふうにとらえてもらえるか、これってどんな憧れを導けるようになるか、ってことでもあると思うんです。

 

テニスの動作について分析するのは、だいぶ出来るようになってきてみて思うのは、こんどはゲームやポイントってどうやって事象が作られているのか、っていうのに興味がわいてきました。

まだ上手な人が上手に勝つ、と言う時に起こっている事や、相手を策略にはめ込む作業がわかるようになったところまでです。負けている側がどうやって挽回し、流れを引き寄せて逆転に繋げるのか、とか、守備型のプレースタイルでどこかに相手の弱点をっ見つける要素があるのか、とかショットの後の的確なポジションとか前後方向への判断や動きなど、分からないことも多いです。

ラリーの主体は打ち方ではなくてリズム(打ち方は習得している事にしておいて)であるべきで、そのリズムをどう崩して効果が待たれるのか、ということがひとつキーワードになってくると思います。

もちろん、そのなかで有効に使えるのはトップスピンなのかスライスなのか、という打法に関しても突き詰めて説明が出来るようにしておくべきかとは、個人的には思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:19 | コメントをどうぞ