フットワーク、まあ「足の仕事」です(直訳?)
フットワークは、移動の方法ではなくて、ボールを上手く打つための全ての要素を持っています。ラケットを上手く振ることすら、脚からの助けを借りなければ本当の意味での良いスイングにはなりません。
ラケットを持つ手の神経が、ラケットの操作で間違いがないか気になるほど、脚の操作や下半身からの力の伝達などには意識が行かないのが、一般プレーヤーの普通のパターンかもしれません。
動かない脚は、テニスの下手な原因の一番にあがります。
かといって、やみくもに動いても意味があるわけじゃない。
まずは、移動と、時間を計る役割。
足が動くことは、時計の秒針が動くのを感じながら時間を理解するのといっしょで、自分の動くリズムが、飛んでくるボールに自分が同調できているかどうかを調整する大切なアイテムです。
例えばセンターマークから、ベースラインをシングルスラインまで移動して打つのに、距離にすれば4歩程度。
それを大股で走って3歩で行くことができる人もいますし、そこに9歩10歩かける人もいると思います。
細かいほどいいわけじゃない。かといって雑でもダメでしょう。
細かすぎれば走るのが遅くなります。大ざっぱだとちゃんと合わせるのにセンスが必要。
軸足からスイングを開始する力が出ますが、そこのタイミングを計ってくれているのなら、プロじゃなければスムースに速く動けるリズムがある方が良いでしょう。
さらに、骨盤の操作。
例えば、ボレーって横向きが良いとも言われるし、正面向きで構わないとも言われます。
ワタシの見解としては、上半身の向きはどっちでもいいけど、腰はひねる動作が必要です。
だから、事象的に打った時の上半身がどうだったかを見るのではなくて、最初に腰のひねりこみを行う動作があるか、あるいはそうしようと準備する形になるか、は結構その人のレベルを上下します。
むろん、ひねりこみを準備する方が良いです。柔軟に膝と腰(足の付け根)が動きやすくしておいて、例えば遠めのボールだったら正しく踏み込み足が出てきてしまうように骨盤の位置をつくることができる。
順番通り、軸足→踏み込みと動いたとしても、骨盤の操作なしでやっている初級者は、ボールを打つ動きと関連しないような動きになることすらあります。
ストロークでは、ボールを呼び込みながら打点を前にとる、という、言葉で考えると前者は「打点を後ろ」、後者は「腕は前」と言われているような良く分かんないことを、同時に表現できるようになりますし、それが良い方法であることを実感させてくれます。
グリップ
スタンス
リズム
そこいら辺は、スイングを効率よく見せる「適切な打点」の位置を知れば知るほど重要になってきます。飛んでくるボールは毎回同じではない訳ですから、どんなショットを打たれても合わせられる人はテニスが上手なわけですから。
さらに、バランスを取る、という役割。
この辺は総合的に上記のものが出来ているのなら、あとは姿勢が崩れやすいとか、重心が軸足にうまく乗っていないなどで打点がばらついたりするので、気づくのは簡単かもしれませんが、疎かにしてはいけない部分だと思います。追い付いていればいい、手が届けばいい、というスタンスでは安定したパフォーマンスは出せませんから。
フットワーク理論を体系立てて教えてくれるところもあるようですし、必要、というか必須、というか、おろそかにしているヤツに大した奴はいない、というか?ですが、リズムとバランスが保てて、無理なくプレーできる人って、テニスが上手で、楽しいんじゃないかと思います。