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ナガキヤスヒロ

ナガキヤスヒロ の紹介

フリーのテニスコーチをしています。テニスにこだわること数十年。。。こだわりが強くて周りに引かれることも多いくらいですが、コーチとしてはアリかと。 こだわりはあるけど発表できない世の中ではダメだ!と思いブログを再開します。 以前のブログ=「身辺テニス情報」 オタク万歳!!

ラケットをしっかり握る

ぎゅっと握る、じゃなくて、ラケットはしっかり握る…いや、持ちましょう。

手首もそうですが、指も、スイング中、力が抜けることが多いものです。力を入れちゃう人もいますが、そうでもないんです。しっかり持つ。

 

?意味が分かんないですか?そう。だからちゃんとしてない人が多いようにも思います。

スクールにいる人たちは、打ち方自体をまだ悩んでいるような人も多いですから、よけいに目立つのかもしれませんが、焦って力を入れてラケットを速く動かす、みたいな感じでやっているとラケットが言うことを聞かないように思うのではないでしょうか。

腕の遣い方がラケットの扱い方になるとか、スイングに型をしっかりさせると打点やスイングが安定するとか、初心者の頃には感覚的に出来ないと思います。体がある程度覚えてきてくれないと、運動神経が良くてそこそこできたとしても、再現性がやはり低くなってきます。慣れとは、そこいら辺に習熟して出来るようになってくること。

ジュニアを教えていると、ラケットの重さに負けているようなスイングをしている子がいつまでもいて、「まだ小学生だからね…」と許してしまいそうになります。

だけど最近よく行く外のコートは運動公園で、野球場があり、小学生が金属バットでしっかりボールを打てている。野球のバットは、テニスのラケットよりも倍以上重たいですよね。彼らは素振りもちゃんとしているだろうし、重さに対して覚悟(バットの重さはこのくらいあるのは当たり前と思ってる)もちゃんと出来ている訳で、小さな体でも腕の力に頼らず、なおかつうまくボールが打てるようにスイングに対応できる幅を作れるようになっているはずです。

 

 

手で持って扱う道具なわけですが、その「手」って先端(指)ほど繊細にできていて、そのぶん力が弱いんだと思います。

指。手首。肘。肩。腰…この順番を逆にたどっていくと運動の伝達経路として正しくなってきます。

だけど、ラケットに不慣れな場合は、手に持っているという情報と、器用な手がなんとかうまく扱おうとして指や手首に力を入れてしまうようになります。

または、ボールをしっかり打つために腕がスイングをしてくるときに、速度を上げて振っていくとボールがそこに弾んでこなかったりしてむりやり手首とかで調整します。

だけど、指や手首はそんなに(腕の動きの力よりも)強くはないので、思ったように出来ない感じがすごくするはずです。

そこで、だんだんスイング自体で調整してくれるように腕はなるんですが、そのぶん手首や握っている指は弛めちゃうようになるのかもしれません。

当たり過ぎてホームランになるくらいなら、ゆるく持ってそこそこ入ってくれた方がいいですしね。

握りの中には、ラケットを扱う上のさいごの支える点(支点)があるので、弛めていい方向といけない方向があります。

ラケットを握れば、親指と中指が接するのが普通ですね。グリップを貫いたその反対側には、人差し指のパッドがあるはずです。手の中心が損な物ですから、ラケットを握っているそのあたりに動きの中心が来るはず。

そこでラケット面が意識できるようになっています。

スイングには遠心力が働くはずなので、テニスのラケットにもグリップエンドがおおきくなっていてすっぽ抜け防止の役割をしています。

ラケットにも、というのは、野球のバットにもあって、重たくてもすっぽ抜けしないようにエンドがおおきくなっているってことが言いたい。

小指側がグリップ(ハンドル部分)を包むように巻いていて、そこにエンドのふくらみがつっかえてくれればいいわけですね。

そうすると、手のひらの中心を軸とした手首の動きがそこで感じられていいはず。

エンド部分の動きは、そのまま逆位相でヘッドの動きでもあるわけです。

握りとは面の向きであり、インパクトの支えの形であり、動きを与える場所でもあります。

決して力だったり、速度だったりすることはありません。握りの中で速度を上げようとしてもコントロールが失われるだけだし、一つが出来たとしても多様性は損なわれます。

手のひらの中でラケットの動きがでる…手の中でグリップがズレるって意味じゃないですよ。ヘッドが走る感覚ってことです。

そこに面の感覚がでるように握ることですね。

 

うまく当たって狙ったように飛んでいったショットって、ラケットでうまくボールを「掴んだ」ような感覚があるはずです。

その感覚を何度でも思ったように出来るようになるってことが、「当て方」のわかる「スイング」の仕方がわかるってことなんでしょうね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:25 | コメントをどうぞ

打球リズムについて

最近はyoutubeなどもみんなが見られるので、プロ選手の試合や練習の動画をすきな時に閲覧することが出来ます。

プレーヤーごとに、それぞれの打球リズムがありますよね。

フットワークでもあり、スイングのリズムでもあると思います。それらが調和していることがイメージ通りのショットを生む秘訣でもあると思いますし、そのプレーヤーがとても大事に感じている事だと思います。

「ここのコートサーフェスにはフィットしない」

「この大会はボールが気に入らない」

などと選手のコメントが出る場合がありますが、その自分のリズムが守れずに違和感を抱えながら試合をしているんだと思います。

コートでは風も吹くし、太陽も照り付けるし、サーフェスやボールの条件でバウンドが違ったりもします。ナダルのような強烈なスピンで打ってくる選手と当たったりすれば、そういう事も自分のリズムでテニスが出来なくなる条件だと思います。

 

我々一般プレーヤーが改善しなければならないポイントも、そのリズムに関する事になってしまう事が多いのかもしれませんね。

たとえば球出しのボールではほぼミスをしないで打ち返せるけど、ラリーになるとむつかしく感じる事とか、

特徴のあるフォームで得意な方向やスピードで打てるけどそうじゃないショットが打てないとか、

横の守りは出来るけど前後に振られると打点が合わせにくくなるとか、動作のリズムに慣れない事をするとそれだけそのプレーヤーさんにとっては「難しいこと」をさせられていることになりますよね。

試合でロブを多用するような人が相手になった時に、自分からミスをするようにして負けていく事があります。相手のショットは遅くて良く見えているんだけど、普段なら打てるショットがミスになったりします。試合のプレッシャーってのもあると思いますが、それ以前の問題としてもリズムの合わないボールにやられてしまう事がある・・・皆さんも経験があるんじゃないでしょうか。

打球リズムの中で守らなければいけないのは、「さいごの一歩」を上手くあわせられるってことかなと感じています。

軸足に乗ってスイングを始めて、踏み込む足の方へ体重移動したりする部分ですね。軸足が決まり「いまから」インパクトに向けて「打ちます」ってかんじで合わせられている時は、あっているはずなんですね。

 

打点にしている位置(スイング軌道上の最適なポイント)にボールがいてくれるよう移動してきて、タイミングを合わせて打てるようにしている訳です。

腕のリズムで出来る事もあるんですが、腕を使うには引いてから振るしかできないので、スイングのリズムがボールの動きに関わらず一定になりやすいものです。要するに対応幅が狭いことに。

軸足というのはその足一本で後ろにも前にも身体が回せるようになっています。スイング方向に対して、腰をひねるような形にしてすぐに戻せるようにしておけば、スイングをスタートさせるタイミングを足に依存することが出来るようになりますから、その形になっている事を「肩が入る」という表現にしているかな、と思います。

相手のショットをみて、想定される移動距離へ何歩、そこで軸足からインパクトまでのタイミングでグウッ、ドンていうリズムが見えるようになれば、あとはボールをよく見てしっかり当ててやることでスイングは完結します。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:38 | コメントをどうぞ

「スイングスピード」が速い、とは

ラケットにボールが当たって跳ね返ることで返球するわけですが、その力が強いと打たれたショットが強くなる。。。当たり前すぎて書くのが恥ずかしいくらい?

さて、「その力が強い」とはどういうことかってことですね。じつはここんところのイメージと実際が違う事が多いもので、沢山の事例があります。

腕に力を込めても、ボールは速くなりません。

また、下半身をひねっても、ボールは速くはなりません。

打点の位置でスイングの速度をわざと上げるような動きも、役には立たないものです。

あー。それだけでは、ってことですよ。関連してくることで役に立つから、棒立ちで手首使っちゃえっていう乱暴なことを言おうとしてるわけじゃないんです。

 

 

ボールとの衝突に影響の出る力が欲しいわけですが、その時に必要な要素は、「角速度」だという事です。これって物理を勉強した人じゃないと分からない言葉ですが、簡単に言えば、「一定の時間に何度移動したか」という運動した角度がもとになるそうです。

体も回転するし、腕も振られている訳だし、ラケットも振り出されてくるわけです。膝・腰・肩と体が動いてきて、肩関節から先、肘から先、手首から先のラケットへと運動は伝達されてきます。

スイング中に、インパクトに合わせて強く握るとボールが強く飛んでいく感じがしますが、じつはそんなに変わらない。

ぎゅっと強く握ると、手首が固定されやすくなるものです。腕を加速させている運動中は、ラケットがやや遅れてくるものですね。打点と想定した位置まで来たときに、インパクトにあわせて手首を固定されれば、面の向きが握りに即した形にスパッと決まるので、タイミングがぴったり合えばその通りの良いショットになります。

腕は移動中ですから、手首を固定する事でボールとの衝突をもろに受けますが、腕は前方向に動き、ボールの衝撃は後ろ方向への力ですから、手のひらというか、手首がそれをもろに重さとして受け止めるので、手にも衝撃が強く残ります。

コントロールに自信のない人なら、こうする事で再現性が上がりますから、ショットのコントロールがあまりうまくないのなら、そうする事でラリーが良くつながるようになります。

しかし、それ以上のパワーを出そうとすると、「手首を固めて腕を強く振る」という事を打点付近でやることに。それだと大体強く打ったら遠くへ飛ぶショットにしかならないので、狙ったところへ打つにはかなりの精度で狙い通りの低いショットにしなければならなくなります。

それを何発も・・・とか、コートの中に入ってのチャンスボール!とかってシーンで扱うにはシビアすぎるわけです。

 

 

スイングの速度があがる、と信じて腕をたたんで小回りさせる人もいますが、回転半径の小さな円はトルクが小さいので、ゆっくり振った大きなスイングと、小さな円を描くような狭いスイングでは、使っているパワーが同じなら、ラケットとボールの衝突の強さは同じくらいになるかもってことがあります。

簡単な話、自転車のギアの軽い方はくるくるペダルが回っても速度はさして上がらず、重たい方のギアを使えばゆっくり回る割には速度が出るってことですね。

自転車のギアはペダルのついている方の歯車の大きさに対して、車輪側でチェーンを受け止めている歯車がうんと小さければペダルがぐっと重たくなります。車輪側の歯車も同じくらい大きければ、すごく軽く動きます。

ペダルが軽い=トルクが強いけど速度が出ない(重たい荷物を積んだり、坂道でも走れる)

ペダルが重い=トルクは弱いけど速度が出る(追い風や下り坂で使えば相当な速度で走れる)

とは体の力と機械の力の関係を説明している訳です。

同じ人がいつものスイングよりも速く振るためには、肘を曲げたりわきの下を締めこんだりして回転半径を小さくすることが多いもの。そうすると出来る筋力の中で見た目速く振っているにすぎないので、当たった時の効果が薄いばかりか、無理に速く振るのでうまく当てることもむつかしくなります。

ラケット自体の反発力の関係では、フェースの真ん中と端っこでは6倍くらい違う、という物理の先生の本にも書いてあったことが記憶にあるので、もしそうだとしたらゆっくり振って真ん中に当てる方を優先したスイングの方が効率は良さそうです。

ゆっくり振ってパワーが出るのを期待したいのなら、腕は身体から離れた位置でインパクトを狙えた方が良く、

体から離れた位置でインパクトすることに慣れたとすれば、打点の高さに対応の自由な面を持つことが出来ると言え、

ストライクゾーンの広いスイングが可能になる、ってことじゃないでしょうか。

そうすると、手首って「がっつり固定」していちゃダメなんでしょうね。

最初っから遠い所で振り始めればタイミングがむつかしくなるわけ(スイングが遅いから)ですし、そうするとスイングってどうすればうまくいくようなものになるのか(=プレーヤーにとっては簡単で、効率よく強さが出て、なおかつ安定する為には)っていう目標が見えてくると思います。

一つの理想、があってもいいでしょうが、プレーヤー個人の動きやすい形もあるでしょうしね。。。ある程度の範囲内で、必要な要素があるってことなんですね。

私はもう気づき始めましたけど。詳細が知りたい人はスイングにこだわりを持ちたいとか、出来そうで出来ないことがあって悩んでいるはずなので、プライベートレッスンを受けてみてください(←営業)

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 13:41 | コメントをどうぞ

片手バックハンドを「引き手」で考える

前回のブログ記事の続きです。

写真を撮れそうな機会がちょっとなく、野球で検索して写真を拝借しました。

テニスとはスイングの型が違いますが、ボールにパワーをぶつける、という要素は共通のものがあるわけです。

form01クリックで拡大して下さい。

この画像でいう右手は押し手で、肘をたたんで腕は打点にはやく到達しても、ヘッドは遅れてパワーをため込みます。手首を支点に腕からの運動エネルギーがバットに伝わると、スイングのパワーは打点に集中させられるようになります。

野球の打ち方だと、このままボールの中心よりもやや下側にバットの芯が入ることが理想。テニスのトップスピンとは違いますし、大人の硬式野球だとバットが1kgくらいあるらしいですから、そうしないとどこかに余計な力を使ってスイングのベクトルと打球のベクトルが合わなくなる。

テニスのラケットの動きもそういうところから、テニス用の軌道を描く必要がありますが、力の伝達としては基本、そういう要素が必要になります。

さて、左手、つまり引き手の方にも注目してみましょう。このスイングでは肘が伸びきって、押し手側のコントロールに「物差し」の役割のようなことをやってアシストしています。

インパクトでは両腕を打点でのブロックのような形としてバットを後ろから支える形になります。これは止めて考える形ではなく、ヘッドの動きがトップスピードになる位置での形を再現するための形です。

その後、ヘッドが走っていきますから、フィニッシュに向けてはこんな風に。

takebat_article241これもクリックで拡大

急に右バッターになりましたが、押し手側が引き手側の上にぐるっと回ります。スイングのスタート時点で肘をたたむようにしてそのルートを通りやすくなっていますし、バットのような重たいものを両手で持てば、野球のスイングがうまくなくてもカタチ的にはこうなるでしょう。

引き手側は、手のひらを上に向けるようにして肘を返しています。これは肘がお腹に近くないと右手が離れて行ってしまうからで、現実野球のフォームの中ではスイングの終わりに押手側を離すケースもあります。

両手で持てば、引き手側はその回外(スピネーション=回外及び外旋)の動きは意識されていないと思いますが、片手でバックハンドを打つとなれば、そういう動きを促してもよい?(筋力を使って=手首を上手く使って・・・という意味ではなく)でしょう。

dimitlov back

手のひらが上向きで終わるような形なわけです。

スイング中にはプロネーションした腕がスピネーションを行いながら振られてくることで大きなスイング軌道を描けるようになります。

グリップをやや厚めに握れば、その動きがあっても打点付近での面維持が可能になります。

手首というか、手のひらの中に支点があって、ヘッドの動きが感じられるようなら、面の維持をしながらそれが出来る握り方を調整してみましょう。

テイクバックというか、バックスイングを大きくとってスイングエリアを広げられるようなら、スピン軌道のスイングや、フラット軌道のスイングなどを、スイングスタートの位置を変える事で変化させられるようになります。

打点でのラケットの動きが出来るのなら、そこに合わせて打点の範囲をある程度持てるようになります。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:44 | コメントをどうぞ

片手バックハンドはフォアハンドの理屈にあわないこともある

ラケットとボールの関係、っていう事で注目する事で、フォアハンドで出来るインパクトの理屈が、片手バックのストロークでは理屈に合わないことがある、ってことが分かりました。

いままでわかってなかったんかい、っていうツッコミ、アリですね。わかってなかった。。。

例えば、フォアハンドストロークでトップスピンを打つ場合に、手首は後屈します。それが、前から来る衝撃を受け止める形だからです。

理由というか、その他にも後屈する事でよいことがいっぱいあります。ラケットヘッドが手首のスイングよりもやや遅れてくることでヘッドのパンチ力が上がるし、斜めに打点に侵入してくることは回転がかかるっていう事にもなります。スイング中に面を維持しやすいというメリットもあります。なにしろフォアハンドストロークでトップスピンを打つには、グリップは厚いほうがよく、そのせいでできる、手首とラケットのなす角は重要な要素を握っています。

そもそも「厚い」という表現自体がそういうことをすべて示唆しているもので、打点を前にとっても面が正面向きになるくらいの手首の角度が必要になります。パワーもスピンもそれで同時に得られる。

 

それが、バックハンド(シングルハンド)ストロークに当てはめるとどうでしょうか。

手出し送球の簡単なボールを打つには、同じように出来るものなんですね。理屈にかなう部分を認めます。

だってラケットとボールの関係は、フォアハンドと同じですから。腕はラケットを後ろから支える形で、手首とラケットのなす角は打点にスイングを斜めから侵入させることになります。

打点を止まったシーンとして瞬間的にとらえられるなら、それで同じような球質のショットを望めるかと思いますが、試合とか真剣なラリーで動きの中でそれを再現し続けていくには、フォアよりもバックの方がむつかしく感じることが多いはず。

フォアハンドは両腕をひらいて、左手と右手の間という「腹の前」の空間でボールを感じることが出来ます。スイングエリアとして最も扱いやすい(作業性も視認性もよい)ところでインパクトをイメージし、実践できるわけです。

片手バックは、そのエリアの外側(いうなれば外壁)に合わせたような感覚になるはずなので、ライジングでとらえなければならない時とか、打点が高くなった時にフォアハンドだったらどうにかなるものが片手バックだとものすごくむつかしく感じます。

フォアハンドストロークで言うところの「打点でボールを押し出すように」が実感できている人が、バックハンドを片手で打つときに同じような力が入るところが見つからないことがあると思います。

ラケットの芯を食っていれば、そんなに大差ない感じになる事もありますが、感覚的にむつかしい「エリアの外側」に打点を求めている以上、フォアハンド並みの感覚になる事はないんじゃないかと思います。

 

dimitlov backこの終わり方。後ろから”押してる”んじゃないですよね

federer back

この写真はたまたまそう見えるだけの角度かもしれませんけど、スイングには野球のバットを振るスイングの、「押し手」と「引き手」とがあるわけです。

全てがテニスに当てはまるわけではないですが、押し手が効率の良いスイングをしていると同時に、引き手側はヘッドを前に出す方向へ動かざるを得ません。

両手でバットを振って、押し手と引き手それぞれで片手でスイングをしてみる。

それぞれ、ヘッドスピードが最大になるポイントが違うはずです。肩幅分だけバックハンド(引き手側)が前に出る。

両手で持ってスイングするところにそのポイントを合わせて振ることも出来るはず。だって両手で持ってバランスよく振っている訳ですから。

そうすると、ちょっと無理やり感もでますが、腕を前に出さずにヘッドを前に出すような格好で、押して側のアシストをするような形でも振れることが分かります。

それが一番いいスイングじゃない。けど、面の維持にはしやすい位置でもあります。食い込まれそうな時とか、スピンの量を増やしたいときにはそこまでインパクトのエリアを作ってもよさそう。

グリップを厚く握れば、手首とラケットのなす角は確保できますから、後ろから押す形で打つ事も出来ますし、手首から先のヘッドを先行させるようなスイングをしたからこそ、上のディミトロフのようなフィニッシュにもなりそうです。

レンドルとか、サンプラスはこのスイングのフィニッシュとは違いましたよね。今の片手バックの選手はほぼみんなこういうフィニッシュ。

こんど写真撮ってもう一回説明に挑戦してみたいと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:26 | コメントをどうぞ

打点についての最もシンプルな答え

研究し続けてきて、苦節20余年。。。もう30年にちかづいてます。

テニスが好きで、うまくなりたいと思っている自分自身がコーチの仕事が出来ていて、自分よりもうまい人がいるんだから、少しでもエキスを分けてもらおうと思っていたので、打ち方の研究はずうっとしていました。

打ち方って身体をひねりなさいとか腰を使えとか膝を曲げろとか、手首はどうだとか脇を空けるなとか、だって身体回さないといけないのに、回し過ぎると開いてるって言われるんですよ?そのさじ加減はどうすりゃいいの?出来る人はわかってるけど、うまくいかない人にどうやって言ってあげればいいの?っていうのがとても複雑なことに思えて、人によって変えてあげればいいや、その分自分は出来るだけどんな人にでも答えが用意できるようにしておこう、ってなってきたころが、このブログを始めたころです。(旧ブログもあるので、2007年ころ)

それで、何度か行き当たって結局はそうだよな、と思っても打ち方自体は人によってさまざま。打ち方自体が似たような癖を持っていても、プレーヤーの内部感覚は聞いてみるとやっぱり同じことはないものです。コーチとしてはそれをどうすればいいのかってことに悩んでまたむつかしい道の方へ入っていったりしていました。

でも結局、打点をしっかりしようってことですよね。振り方をちゃんとすればボールがちゃんとなる、っていう見方もありますけど、イメージしたとおりにラケットが当てられているのなら、そこそこ狙い通りのボールを打ち返せているはずなので、当て方の分かっているスイングをしている人の方が正解に近い所にいるわけです。

スイングの仕方に悩みながら当たったラケットの感触を確かめてみるのは練習法であって、実践のコートでそれをやっていたら誰と試合しているのか良く分からない状態なわけですし。

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スピンと、スライス。この二つは当て方として両方手に入れておいた方が良いでしょう。

何しろ、スイングの形そのものは同じ型から出ています。使うところが違うだけ。むつかしくはありません。

トップスピンは下から上、スライスは上から下、なんて言われていますが、この両方の写真を見れば、両方とも上からラケット出てますよね?

今日はちょっと細かい解説は省きますが、トップスピンを打つときの打点は、スイングの中で言えば、プロネーションが使えるところです。自然にヘッドが変えるはずの場所がありますね?

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振り始めの高さと振り終わりの高さを写真のように同じくらいにするには、このスイング(振り子運動)の下端でラケットヘッドは腕よりも速く動き、手首を追い越していきます。その時に腕の関節は手首がひっくり返ったような動きをするわけですが、その動きがつまり、ラケットのヘッドスピードが出る部分。

その動きが出来るときに面が向くようにするには、厚く握り替えてあげればよく、多少スナッピーな動きをしても面の向きを維持している事が出来ます。

そこだけがトップスピンのコントロールが出来る打点の位置で、それ以外はスライス面でコントロールができるエリアがあります。

手首をひねるような動きをしなければ、スイング中の面の向きは維持できるので、向きがわかるならそのままぎゅっと握ってブロックすることが出来ます。

ブロックしながら狙った高さに軌道を作るようにするスイングが出来れば、その時にはスライスになっているはずなので、これでトップスピンとスライスを両方できることになります。

 

意図的に使い分けるには、そういった(自然に)対応していたものが、事前にわかるようになるっていうことです。

このバウンドだったら、うまく手首が先に入ってスピンでしっかり打てそうだ、とか慌てて下がるよりも面を上手く入れれば軸を崩さずにスライス面で対応が利くだろうとかっていう想像がつくってこと。

経験則から得たものを自分でコントロールできるようになるってことですね。

だから、相手が打ったショットがどんなボールなのかは、すぐにわかるようにしましょう。高いのか低いのか、速いのか遅いのか、トップスピンかスライスか、浅いのか深いのか…見たらすぐに体が反応できるようにするってことが「構え」ですね。

 

見て考えてから動くと遅くなります。

みて、動いちゃってからの方が時間がありますから、その時にできそうなことが見えてくるでしょうし、そこで思いつくことは出来る確率が高いものです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:14 | コメントをどうぞ

メンタルだけって鍛えられない

メンタルは弱くて弱くて、自分でもイヤになっちゃうくらいでした。

いまだに試合はコーチ同士をお客さんに観てもらうようなイベントでも、自分ひとりで県の大会に出るときでも緊張します。試合前はおしっこが近くなるし、手のひらは汗でべっとり。

不安になるのは、自信や期待の裏返しだと思っています。その上に立ってみないとグラグラしたままで試合内容もよく思い出せないようなゲームをしたりします。

心技体ってよく言いますが、充実している時ほどすべてが揃ったような感じがしますよね。だけど、試合を通じて最初から最後までいい時ってそうないです。

勝っていても、勝ち切ろうとするときほど失敗したくなくて、緊張する。

負けていても、次のポイントこそ取らなければと硬くなるものでした。

メンタルトレーニングとかは、もちろんやっておいた方がいいでしょう。但しそれは、そういうシチュエーションを想起しておいてのモノでないと、メンタルだけを鍛えておいて、身体が試合の現場でついてこない、なんてことも起こります。心技体のどれかが脱落している事もある、っていうか、全てがそろうってことを意図的にコントロール出来たことなんて、自分ではありません。

うまくスイッチが入ったことはあるし、そういう状態の事って覚えていたりします。むしろ試合中の方が偏ったような集中の仕方をしていたような記憶があって、あとから思い起こせばそれがすべてポイントを取るための方向に向けられていたってことに気づくくらい。プレー中は必死で、自分のボールはコントロールしたいし、相手のショットは読めるか、食らいつけるかして負けたくないし勝ちたいもの。

 

 

ブログ上でもなんどか紹介したことがありますが、そういうシチュエーションにちかい状況でボールを追える練習がふたつ。

①おとこじゅく(漢塾)
これは体育会出身の先輩から教わったもので、2対1のポイント戦です。レベルによって、2はダブルスコート(ふたりで一面っていう意味)、1はシングルスコートを守るというルールだったり、双方シングルスコートを守るというやり方にすることもあります。

2人対1人で、1人のほうのプレーヤーがポイントを「10」背負ってスタートします。ポイントが取れれば数は減り、取られると増えていきます。ゼロにすれば1のプレーヤーが勝って終了。増え続けて30までいくとギブアップ。というゲーム。

1のプレーヤーを鍛えるという練習ですから、相手が二人いる状況って、どっちに打っても人がいるので自分がいい球をいいコースに打ったからといって決まることは少ないです。だけど甘い球を送ったらそこで相手に攻められちゃいますから、クオリティの高い球を狙ったコースに打ち続けられないと、先に攻め込まれて負けてしまう。かといって全力で強いボールをそうそう何本も連続でミスなく打てるってこともないですね。相手に遠い所に切り返されたり、ロブでリズムを崩され時間を作られたりしたときに、ミスをさせられることもあります。

打ち続けながらミスを回避する事と、打ってもどうせ決まらない、ってことがセットになっていますから、抜いたショットを使うときにはドロップショットとか短めのスライスとかを混ぜて相手を崩せないと、ただの甘い球になってしまいます。戦略的な意図が無い球は使えません。

さらに、ノータッチエースは2点。1のプレーヤーが取れれば一気に2ポイント減ります。しかし振り回されて取れないでいると数はどんどん倍加していきます。

調子よく相手のミスを誘ってポイントが2とか1、とかまで減ってきたときにミスを連発すれば、もう4とかになっちゃいます。見えていたゴールがすごく遠くなった気になります。実際に試合でもマッチポイントなのに取れないでジュースになると、あと一点だったのが2点連続で取れないと勝てない状況になるのと似ていますね。このポイントは是が非でもほしい!ってなった時に、どう工夫するか、相手の得意を出させずに、自分のもっているショットでいかにミスなくとり切れるかは最大の集中力を要します。

テニスは連続してポイントを取ることが出来ればつよい、というゲームの性質を持っていますから、そこを突いたとても鍛えられる練習だと思っています。

その②3点連続で取らないと終わらない

これは、シングルスとかダブルスで、実際にゲームをするように対峙します。
サーバーを決めて、3ポイント連続でとらないと交代できないようにするルールで、2ポイント取ったのにそのあと1点返されたら、サーバーのポイントはゼロにもどり、相手に1が付きます。相手はもう一点そこでとれれば、逆にリーチ。

ポイントを取れた時にはそこで点が入りますが、取られるとゼロに戻るルールは、連続でポイントを取ることで、良い集中で一点とれたとしても、もう一点を更に取るには更に高い集中が必要になるってことを思い知らされます。相手の事を思ったように出来るなんてことは神様じゃないのでそうそうできませんから、まずは自分がミスらずにやり切れる事と、隙があったら攻めることがカギになります。攻めるのは強く打つ事だけじゃないですね。走らせたり、下がらせたり、オープンスペースを作ったりすることで優位に展開する事です。

ポイントを取ったら、そのまま逃げ切る為の足場をつくるような気持ちになりますし、ポイントを取られたら、弱気になってる場合じゃなく自分を奮い立たせて挑戦者になるべきです。そのために一本目のショット(サーブとかリターン)をどうすべきか、それを次のショットにどうつなげて考えるかってことを出来ずにいると、決められるシーンだと思って思い切り打ってミスして後悔します。

空いてるところを見つけて思い切り打ってそのまま決められるんなら、誰も苦労はしません。その時にミスをしたり甘く入ったりするものなんです。あるいは打っても読まれていて逆襲されるなんてことだってある。相手だって必死なんですから、ポイントを簡単に考えていては出来ません。

双方とも、「もうポイントを落とすことは許されない」と思っているのですが、勝っている方の心理と追いかけている方の心理では違うことがわかると思います。

試合中にはそれが目まぐるしく入れ替わって心を揺さぶってきます。2-4で負けているけど、今のポイントは30-0だったら、このまま勝ち切ってキープする事を考えなければなりません。そしてその次のゲームこそブレイクを狙う為にあっさり挑戦者として一ポイント目からタフに戦う宣言を自分に言い聞かせて臨まなければなりません。

ポイントごとに次のポイントを取ったらどうか、取られたらどうか、というシミュレーションをするくらいのつもりがないと、どこでどういう集中をしたらいいのかも分からずがむしゃらなポイントをするだけになります。

自分だけがガムシャラで、相手が冷静にポイントを作ってきたら、知らないうちに連続でとられてプレッシャーを感じさせられているかもしれません。

音もなく、知らないうちにかかっているのがプレッシャーですから、毎回向き合っていけるようにしないと、自信のない人はいつまでもそのままかもしれませんね。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:46 | コメントをどうぞ

「ガスケ計画」が他人様をすくう

ここのところ続き物みたいになっていますが、グリップエンドを大きくした加工のあと、自分の握り方に変化が出て(ラケットのハンドル部分の形状変化による不可抗力)、色々と気づく事もありまして、生徒さんで気になった人に私のラケットを渡し、「これでちょっと打ってみて」と。

サーブだったり、フォアハンドストロークだったり、ボレーの人もいましたけど、私のラケットにするとヘッドの動きがよくなって、当たりが良くなります。

当たりが良ければ感覚も良くなるのでしょう。コントロールも良くなります。

さいしょは、これを持ったらそういうラケットの動きが握りの中で把握しやすくなるんじゃないかな、っていう「疑い」に近い期待で生徒さんにそのラケットを貸したんですが、狙い通りの効果があって、しかもすぐに出る。

一人の生徒さんなんか、そのレッスンの時間中は自分のラケットに戻れなくなってしまって、私がもう一本のラケットをとりにいく、なんてこともありました。

 

うーむ。

 

小指側の握りがあまいとか、そんなに握らなくてもいいと思ったままこれまでテニスをしてきたとか、小指側がきちんと握れていないことが私の目に留まると、ワタシのラケットをつかってみて、という事になる傾向がわかってきました。

小学生のジュニアでも、305gある私のラケットで打つと調子が上がる子もいたりして、考えさせられました。

 

元の発想は、野球のバット。テニスのラケットよりもかなり重たいものです。小学生でもチームに入ってやる子は、こういう重たいバットをしっかり振っていますよね。

重たいものをしっかり振れるからこそ、握りや下半身、腰の動きなどに力を借りながらでないと出来ない事を体験しているのでしょう。その恩恵で調和のとれた動きが作られます。身体との協調した動きが一つのスイングになる。

テニスの場合はいちいち止まってしっかり腰を据えないと打てません、じゃ試合にならない事もあるので、ラケットは軽くできていますが、初心者の負荷を減らして導入が楽になる部分はわかるけど、握りが甘くなってもラケットが軽いので気づかないってことにもなりますね。

野球は空振りしても3回じゃなければ打席に残っていられるわけだし、ゴルフなんかも練習だったら空振りしてもまだそこにボールが残っているので取りに行かなくていい。

テニスは空振りがいちばん許されない状況にあるスポーツですかね。だからラケットは扱いやすい重さで面もでかい。適度な長さで、むつかしさもあるけど不可能そうなことは感じない。っていうのがテニスの道具なんでしょうか。

 

脱線しましたが、野球のバットにはグリップエンドがポコッと大きくあって、すっぽ抜けていかないようになっています。

ボールは遠くへ強く飛ばせるほうが良いので、ヘッドを走らせるのに、スイング中に握っている手の下でグリップ部分はグリンとまわる格好になります。

その、簡単にパワーを取り出すメカニズムが欲しかった。

私のスイングでも効果が出ていて、回転量が上がりました。スピードは当初落ちましたが、ラケットの感覚に慣れたら、戻せたように思います。というか、コントロールしきれないほど速い球は打ちたくもないので、そこは可不可なしってとこでしょうか。

ストロークではエンドの方からぶつけに行くようなスイングから綺麗にヘッドが回り、ボレーでは支えのしっかりしたヘッドの立った形でとれます。サーブはスイングに対して長さが抵抗になっていたものが、軽くなって楽になりました。

恩恵だらけ。戻れません。

暑くて汗をかくので、ドライグリップを一本もらい、試しています。ルキシロンの「エリートドライ」汗をかかないとウェットタイプに比べて滑る感じがしますが、たぶんこの商品丈夫で良い品ですね。持った瞬間から信頼感がある。しっかりしてるっていうか?

売れてるみたいですが、納得です。夏の間はこっちにしちゃうかも。

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ラケットが軽く感じる

前回書いたように、私のラケットはグリップエンドを大きくするようにして、「ガスケ計画」がスタートしています。

簡単なレビューみたいなものも前回の記事に書きましたが、続きというか、その後です。(同じじゃん)

自慢げに人に見せると、興味がある人も結構いるし、先にやってる人もいます。

元はといえば、私がラケットをすこし長く持つようにしてきた、という経緯があります。もともとスライスしか打たない打法でやってきた若い頃の癖で、グリップが薄い。

手のひらの「ヒール・パッド」(小指側の下の部分)がグリップエンドの方に当たってくれるおかげで、持っているだけでヘッドが立ちやすいようになる、というのが薄いグリップに期待されることです。

トップスピンを打てるように、と導入時期がけっこう長かったのは、その握りの癖で、ラケット面の角度を変えてもヘッドが立ってしまう為にスピンが思うようにかかりませんでした。回転の方向はドライブ方向でも、回転数が少ない球だったり、軌道を上げたかったのに上がらなかったりしていて、思うようには打てていませんでした。

フェデラーは握りが薄い、と聞いたのと、スピンの量はナダルの次くらいある(ホントはそのほかの選手のデータが全部あるわけではない中の情報だったんだけど)、っていう事がわかって、薄いグリップでなんでスピンが強くかかるのか?

と思って観察してみたら、ヘッドはすごくよく動いている。手首はインパクトの時に後屈して厚い形でとらえている。手首がすごく柔らかいのか?と思って改めて自分を見直すと、握り方が違う。手のひらの中にグリップエンドがすっぽり入っちゃってるんですね。要するにヒールパッドがグリップエンドに当たってヘッドが立つ、という項目の、ヒールパッドに当たらないように持つ事で薄いグリップでも手首が自由に使える(薄いグリップならではの制約がなくなる)ってことだったんです。

 

そのころから、グリップの握り方に名称を付ける事の是非を考えてしまうくらい、人によって握り方は違うものだなぁと思うようになりました。

ラケットを長く持てば、そのぶん重たく感じるもので、自分ではそんなにできないなぁ、と思いながら、ヘッドが動くように握りを変えていく事になっていきます。それが5年くらい前でしょうか。。。

で徐々に長く持つような感じになってしまっていて、今年3月に肩を痛めてサーブで腕を上げるのがしんどくなってきたっていう事でまた見直しているんです。

 

短く切ったラケットを作って、握り方を変えずに重さを感じにくいようにしようという試みは2度ほど試しましたが、いい感触にはなりませんでした。違和感とパワーが無くなった…?というかどこかへ抜けてしまっているような感じ。自分には合いませんでした。

 

それで、先週のおわりに、急に思いついたのが、グリップエンド肥大化計画、通称「ガスケ計画」でした(笑)。

IMG_0205

まあ、これです。

以前はエンドが太くなると小指がうまく巻けなくて、しっかり握れないだろうなと思っていたのですが、今回はそのくびれの部分に持ち方を持ってくることで短めに持てるようになるだろうと思っていたので、それまでの自分の考えを覆した形になっての実験。

野球のバットのグリップエンドが大きいのも、振ってヘッドがぐるっと出ていく感じがわかってとてもコントロールが出来そうな感じに思っていたので、それもやってみようと。

最近は握り方とスイングの方向がとても一致してきている感じがするのものですから、そういうことをやって体格が小さくてもパワーのあるショットに挑戦しようって感じなんです。

 

短く持てば、以前に短く切ったラケットのようにパワーが無くなると思っていました。

 

だけど今回は、エンドの動きでヘッドの動きが把握できるような感じなので、短く持った時よりもフェースというかヘッドというか?打点でラケットをぶつけるようにしても大丈夫な感じになってきました。

ヘッドの動きや方向がよくわかるので、スピンの方向や量についてもコントロールが効く感じがします。いままで打てなかったヘビースピン的な感じに打てる感じもします。まあいつもではないですが。

エンド方向に重みが付いたことで、ヘッドが軽くなり、振り回しやすくなった分、そういった回転の効果などもあって、思い切ったショットが打てるようになりました。

とくにバックハンドの感触がいいですね。

期待されるのは、バックへ来る強いサーブを、ドライブかフラットの面で強めにブロックできるようになるかどうか、というところです。

まだそんなにその機会が無いのでアレなんですが、期待したい所ですね。

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ガスケ計画!

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R・ガスケのラケット。写真ちっさ〜

この人のグリップエンドは野球のバットのエンドみたいになってるのは有名ですね。

最初見たときは「ありえないべ…あれでどうやって握ってんだろ」って思っていました。

ホンモノの写真も拾ってきました。

RichardGasquetRacket01これは拡大できるかな

レザーが巻いてあんですけど、シワにならずにこんなにどうやって上手く巻けるんだろう。蒸気とか当ててふやかしてんのかな。

 

 

 

最近、バットを振ると体を中心に腕を振ることの説明がわかりやすくて、木のバット(子供用)とプラスチックのおもちゃのバットに布をつけて旗のようにして、抵抗のあるものに対してどこに力を入れるかわかる教材にしています。

そのご縁(?意味不明)かどうか、自分のラケットもバットのようにスルンと振れないかな…とずっと考えていました。その時からこのグリップエンドにして見たらどうだろうっていうことも考えていましたが。。。

改めてホンモノを見ると、こんなに極端でなくても良さそうですね。

 

肩を痛めてから、サーブで自分のラケットがもっと短くても良いな、と思い始めていました。長さという抵抗が、ラケット自体の自重よりも気になってきていて、振ったときにうまくヘッドが出てこないというか、肩を少し引っ張られるのが痛いし怖いので、もっとコンパクトに出てくるようにするには、軽いラケットにするよりも重たいまま短いってのもいいんじゃないかと思っていました。

 

今は使わなくなったマンティスを、実際に短く切ってみたりしたんですが、やはりパワーがぐっと落ちる。ビビって1センチくらいしか切っていないのに、なんか「こうじゃない」ていう感じがすごくするんです。

それで、エンドをでかくすれば、そのぶんだけ握りが短めの方に移るかな、っていう考えと、野球のバットみたいに、エンドがくるっと回ってくれるなら、ヘッドの動きを軽く自在に扱えるようになるかと思って、よしやってみようと早朝4時から計画していました。

 

実際には、アルドールについてから朝の時間のうちにやったのですが、まずは使い古しのオーバーグリップを半分くらいの幅に割いて(ハサミで切って)欲しい幅ぶんのクッションとして巻きつけます。

IMG_0205 IMG_0206こんな感じ。

本家ガスケ選手のようにポッコリするとフォアが打てなくなりそうだと思ったので、段差は少なくなるようにテーパーが出るように巻きました。巻きつけた厚みをみてもらえばわかりますね。

これの良いところは、お金がかかんないこと。それと、使い古しのテープなので、ある程度へたっているから、使っているうちに細くなっていく心配もさほどないです。

まだあります。気に入らなかった場合、復帰が楽勝。元グリップをいじらないでいいのは助かります。

最初は怖かったので、一本だけ。

レッスンで使ってみて、まあ打てないことはない。シビアな状況では握りなれないことからミスがいつもよりも多くて、生徒さんから「コーチ今日調子悪い?」と笑いながら心配されてました(笑)。

ひとレッスンそれで使い続けていたら、なんだか戻るのが逆に怖くなったりしたので、その日一日どうにかなりました。

次の日の朝になって、戻さないで大丈夫そうだったので、もう一本の方も同じになるように作ります。

IMG_0208

 

結構見た目ではわかりにくいかな。本家のがすごすぎんだな。

もう一本の方が、なんだか握りがしっくりきます。朝からミスはそんなにしない。

握りの形に慣れてきましたね。昨日はもっとどこを握るかによって面の向きがずれていたりしたのですが、もう一本の方では感覚と実際が似てくるようになってくれました。

それで、効果として感じたことがいくつか。

まず、私の場合に限ってのことで、って条件がつく項目ですが

グリップサイズ2のラケットに、一部プラ板を入れるなどして太めに加工してあり、なおかつオーバーグリップを2枚巻いてありました。このうちの下地に巻いていた古いオーバーグリップを一本丸々エンドに巻きつけています。(幅を細くしてエンド用に割いて使っています)

写真に2本写っているのは、汚れている方が、上巻きのテープは再利用したもの。綺麗な方は、新品を巻いています。

ガスケのほどじゃなくても段差が大きくなったので、グリップテープがエンドからボトムの方に移るときにシワになりやすくなるだろうと思っていたので、さっきまで(通常のエンドに)巻いてあったものでも巻きグセがついていて伸びているぶん扱いやすかろうと思って再利用。まあそんなに意味はなかったみたいですが。

使っているのは、ウイルソンの「プロオーバーグリップ」です。テープ自体の重さは約5g。半分近くに割いたから、軽くなってると思いますけど3gはあると思います(未計測)

エンド部分に重りをつけたようなものですから、持った感じそんなに変わらないけど、スイングバランスには影響が期待できます。

エンドの方にアクセントがついたので、相手の打球が強くても、支えがしっかりするだろうと思うぶん、グリップを2枚巻きにするのもやめにしました。内蔵されたプラ板はそのままにしていますが、気持ち細く感じます。

それが、エンドに荷重したことでヘッドが軽くなり、グリップが細くなったことで操作性が上がりました。

最初の1時間はボールのスピードが遅くなって、短く持つようになったせいかパワーが出ない感じがしましたが、ヘッドがよく動くようになりスピン量が増えた実感がありました。

それ以降はラケットのどこの重さを感じるかがわかってきたので、スピードも戻ってきて、スピン量は増えたまま。効果があった感じになってきています。

オフセンターでインパクトした場合に面を持って行かれる感じがあって、細いグリップでは耐えきれないと感じていた部分があり、1年半くらいはグリップ3のサイズにしてそれで慣れていましたが、エンドが大きくなってヘッド部分がブレるような衝撃が来ても支えが楽になりました。

ヘッドが軽くなったのも、オフセンター時には影響(持って行かれ感)が大きく出る要素かと思っていましたが、エンドを中心に面の向きが安定するようにヘッドを持って来れば、そんなにあたり負けない。むしろいい感じになっています。

ボレーの回頭性も良くなり、ラケット面の決定が早くなり、時間にゆとりが出ました。合わせ方が楽になった。

自重は変わっていないはずですから、細くなったことは持っているときに感じることで影響は少なく、バランスが変わったことで扱いやすさが出て来ました。

短く持つようになったかというと、実はそうでもなくて、今の所やる前よりもやった後に慣れた状態としては、いろいろな改善に効果がありました。

 

飽きるかもしれないので、いつまでもやっていない可能性もありますが、今や2本ともこの加工をしちゃっているので、しばらくはお気に入りのチューニングとして続けていくと思います。

 

そういえば、鈴木貴男プロもエンドが高い選手でしたね。やり方は私のチープなやり方でなくて、ちゃんとそれ用のモノを使っていたようでした。

キモニーからグリップ加工用のこんなものが売っていました。今でもあるのかな。

kim-ac-kst318_1-e1413723519587ウレタンパッドです。硬くないのでかなり良さそう。

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