誰もが本気で戦っているだけに
ジャッジでもめることがよくあります。
私はいわゆる「セコジャッジ」は存在しないと思っています。
「テニスをする者の中にセコジャッジをする人はいない」
そう信じています。
きれいごとではなく、私なりにちゃんとした根拠があります。
テニスは「セルフジャッジ」が公式戦でも採用される極めて珍しいスポーツです。
もし不正をする選手が少数でもいるという前提ならば、この「セルフジャッジ」自体がそもそも採用されていないはずだと思います。
しかし、現実は度々トラブルが起こっています。
「お前の言う事は理想論で、やっぱり理想と現実は違うのでは?」
そういわれる方も少なくはありません。
しかし、私はそう思いません。
インをアウトにしてしまうのは、不正ではなく「錯覚」による見間違えだと思っています。
人は思い込みが強ければ強いほど自分に都合のいい風に見えたり、聞こえたりすることがあるように思います。
真剣に勝負をしていてどうしても勝ちたいという思いが強いとそのゾーンに入り込むことがあるのではないでしょうか?
極度の興奮状態でも、冷静に状況判断する心を持ち合わせないと試合には勝てません。
ジャッジが怪しい選手にはそのことも含めて指導するように心がけています。
「分からない場合は相手に有利に」
これはセルフジャッジの最も大切なマナーの一つです。
しかし、真剣に勝負をしている選手が度々アウトをインにプレーしていることもあります。
一見するとマナーが良いように見えますが、
自分の大切な試合をしっかりジャッジが出来ていない「あまさ」という意味で言えば、
NOだと伝えます。
相手のジャッジが怪しくて負ける事も現実にはあります。
しかし、敗因はジャッジによる失点ではなく、不信、怒り、対抗できない弱さなどから集中力を欠いたところに真の敗因があるのでは?と問いかけます。
残念ながら、もし万が一、故意にジャッジをしている人がいるとしたら、
「あなたは信頼されてゲームが成立しているのだ、それがテニスだ」という事を十分に理解してもらう事が大切だと思います。
テニスは監督、コーチ、応援から一切遮断され、全てを自分一人でマネージメントしなければなりません。
心技体全てのバランスが取れていないと出来ないスポーツだと思います。
そこに加えてセルフジャッジ
でも、これが成立する素晴らしいスポーツなんだと私は思っています。