ウィンブルドンはジョコビッチの完全復活で幕を閉じましたね。
今大会は女子はベスト16時点でトップ8シードの内7人がシードダウンの大荒れとなったり、男子はファイナルセット26-24をはじめとする大接戦が数多くあったりと観ている側はとても面白い大会だったと思います。(やっている側は大変だったでしょうね)
ウィンブルドンはもっとも歴史が古い大会であり、他の大会にはない独自のルールや伝統がたくさんあります。
ウェアが白基調であることは有名ですが、それ以外にも沢山あります。
例えば
日曜日(ミドルサンデー)は安息日という宗教上の理由により、決勝以外の試合は行われません。
ドローも他の大会とは違い独自の決定基準を持っています。
選手が使用出来るロッカールームもシード順位によって分かれています。
毎年センターコートのオープニングマッチは前年度の男子シングルス優勝選手の試合が組まれる。
センタコートへの入退場時にロイヤルボックスへのお辞儀。(現在は女王陛下とその家族に対して)
観客のドレスコード
(実は義務はないそうです。ロイヤルボックスで観戦する王室や有名人は皆、男性はジャケットにネクタイ、女性は華やかなドレスをまとっています。それはウィンブルドンが社交場であることを理解しているからで、そして観客も同様そのことを理解し、さらには王室や有名人が来ていることに敬意を表してその場に合った服装を言わずもがなしてくるそうです。)
まだまだ沢山あるようですが、このような独自の規則が可能になるのには、主催自体が他の大会とちょっと違うところにあります。
通常プロの大会はITF(インターナショナルテニスフェデレーション)が主催することが多いのですが、ウィンブルドンは開催される「オールイングランドローンテニス&クローケークラブ」と言うテニスクラブが主催しているとても珍しい大会なのです。
1877年、このクラブで始まったある大会がウィンブルドンというとんでもないビックトーナメントに成長していったのですが、それでも今も変わることなくクラブが主催、運営をしているのです。
大会の正式名称は、もともと「The Lawn Tennis Championships on Grass」であり現在は「The Championships」と言い、ウィンブルドンとは開催される町の名前でいわゆる通称で「全英」も実は正しくはないらしいです。
伝統を頑固に守る気質はいかにも英国らしいですね。
その考え方の根底にはウィンブルドンは「社交の場」であると言う認識があるようです。
世間では賛否両論あるようですが、自分は大好きで守り続けてほしいなあと思っています。
ならき あきお
《名古屋テニススクール テニスクラブ》