日別アーカイブ: 2015年7月7日

振り始めに抵抗がある

テニスの打球技術を考える上では、ラケットを振る際に、最初にかかるラケットの重さ、それから長さのせいで起こる抵抗がかかることを気にしなければならないと思っています。

例えば、ボレーのような短いスイングの際にも、初心者の人はラケットにボールが当たらないほど手首が折れることがあります。

腕が前に出ようとする時に、ラケット(特に先端部分)が急激な加速についてこれないために手首が折れます。空振りは珍しいとしても、まず思ったところにボールが飛びません。

バックハンド側を片手で打とうとするとなおさらです。

ストロークでも、腕力に自信のない人ほど、テイクバックが小さくなる傾向があります。ラケットが重たくて、そんなに速く振れないと思うのか、あるいは速く振らなければならないと自分にプレッシャーをかけて、腕に力が入って硬くなり、大きな振り子を準備できないこともあるかもしれません。

逆に、上手に打てる人は、小柄で腕も細いのにラケットをうまく振ってパワフルなショットを打つことができます。

できる人とできない人の間には、感覚的な差があるので、フィジカルの要素より以上に内面的な要素の方に原因があることを無視しないようにすべきだと思います。

フェデラーやナダルのフォアハンドストロークの振り始めに、身体の後ろ側でラケットヘッドがキュンっと回るような動きをします。(ちなみにカルロビッチのフォアでもすごく見られます)

この動きは振り子運動の中では、ラケットのエネルギーを溜める動きで、インパクトに向けてヘッドを加速させるのに必要な動きでもあります。

プロ選手の精度ですから、この動きがあっても自分のラケットがイレギュラーするようなバウンドであっても対応できるほど、この一瞬でラケットが「ブレ」たことにならないくらい、スイングをスタートさせる条件のように使いこなしているのでしょう。

ワタシの場合は、バウンドの伸び方が予想以上だとか、イレギュラーして高く跳ねるバウンドが来るとスイングで追従できずにボールが上ずったり、フカしたり失敗します。

ダブルスでポーチにでて、どチャンスを思いっきり叩きこもうとして超オーバーのアウトをしたり、ネットの真上くらいからネットにかけたり、恥ずかしいミスをするのも、腕を強く振った時にラケットがブレるのを手で感知できないからです。

ミスを恐れてゆっくり振れば決められませんし、攻め急いで「合わせ」を入れずに振ればミスをします。

振り始めに抵抗がかかるのを軽減するのは握りと手首の形、それにスイング方向がうまくあっていれば大丈夫です。

プロ選手のように、大きくヘッドを揺らした(振り始めの抵抗を把握しているか、制御できる)スイングにするには、振り始めからインパクトまでにゆとりを持っていられる(スイングの安定期でボールを捉えられる)なら、よりパワフルなショットとして強いインパクトを得られます。

安定したインパクトを得るには、いろいろと条件が揃う必要があるでしょうが、なぜかバラつくような気がしている人は、まずここに着目してもいいのではないかと思います。

 

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 19:56 | コメントをどうぞ