ちょっと熱が冷めてきたので、今日あたりでウインブルドン決勝を見た感想を書き残しておこうかなとおもいます。
女子は、セリーナの牙城を打ち崩せる新星の登場を待つしかない、っていうことでしょうか。GS21勝目というものすごいことになっています。
ムグルサに関しては、たまたま最近ワタシが注目していた選手でした。といっても、テニスがいいとかじゃなくて、笑顔がかわいい(笑)。
動画とかでも、ミックスダブルスの試合とかだと、すごいよく笑ってプレーする。そういうのをたまたま見つけて、パエスと組んだエキシビジョンの試合なんかをよく見ていました。
今年はあれよあれよというまに勝ち上がってきて、いきなり決勝のセンターコート。やっぱり緊張とかハンパないんですかね?1セット目いきなりブレイクから入って、4−2リードから追い上げられたところから、セリーナの猛攻にあったという形。
準決勝のシャラポワ戦でもそうでしたが、セリーナがすごくなるのは、相手が強く深く打ってきても、そこではほとんどミスをしない。耐えてからちょっとでも甘いショットには角度をつけて、というかより遠いところへ一発放り込んであっという間に主導権を回復する。
下半身が異常に強いんでしょうね。あれを崩せないとどうやっても勝つのが難しいと思います。ボレーヤーでも出てこないでしょうかね。ナブラチロワみたいな徹底した速攻派。
たぶん、ストロークは女子の中では破格に重たいとか、バウンドが伸びてくるとか、画面ではわからないそういう特徴もあるんだと思います。なにしろ相手は先に強打しても、押し戻されてそれ以上遠いところへボールを振れていませんから。
2セット目の5−1セリーナから、2ブレイク返したムグルサのプレーは感動しましたが、試合はそこまででした。
見応えのある試合になり、観客も総立ちで準優勝のムグルサを称えました。表彰式でも鳴り止まない拍手とか、彼女の選手生活において、かなりプラスになる経験になるんだろうなあと思いました。またこの舞台に帰ってきて注目を浴びたいと強く願うようになるでしょう。観客も選手をそだてる、素晴らしいことだなと思います。
男子決勝は、フェデラーのプレーに大注目でした。去年のフルセットの戦いとか、今年のマイアミ?だっけジョコビッチに勝った試合とか、そこまでの勝ち上がりでの完璧な試合内容とか、芝の王者たるプレーを十分に期待させる今年のフェデラーでした。
サービスゲームのキープ率が異常に高い、という今年の芝でのフェデラーのデータから、自信満々の展開かと思いきや、先にブレイクするもすぐに返されて、雲行きが怪しいというか、「あれ、フェデラー無理してないか?」と疑うような感じで見ていました。
セカンドサーブを、バックハンドよりのボディを狙われて、果敢に前に踏み込みながらアタック気味のリターンを再三打っていました。
ラリーでもバックハンドをしつこく狙われることもわかっていたと思います。それだけに、バックハンドをベースライン上かもっと前で強打していくシーンが多く見られました。
というか、ベースラインからほとんど下がらずにラリーを展開していましたが、ジョコビッチのショットがなにしろ深い。
その位置からだとスーパーショット級の、そのまま決まってもおかしくないような威力とコースのショットを放ったとしても、ネットにつなげるには遠い。
ストローク戦では攻めていかないと突破口の出ないフェデラーに対して、甘くなったら切り返しを狙うジョコビッチ。バックハンド側からなら、その甘くなったらを狙いやすいのはもう宿命のようなものでしょう。
準決勝のガスケや、フレンチ決勝のワウリンカのような、バックハンドをむしろ売りにしている選手なら、また違った展開だったかもしれませんが、準決勝はそのガスケさえもストレートセットでジョコビッチの前に沈みましたから、フェデラーにとってはよほど厳しいものだったのかと思います。
フェデラーも大事なところで、バックハンドのストレートへのウイナーが欲しかったと思います。決勝ではそれがネットにかかる、アレーに入る、甘くセンターに行く、となかなか欲しいショットが出ませんでした。
これも、画面で見ている以上にジョコビッチのショットがいいのでしょう。あの試合のコートで直に打ち返しているフェデラーにしかわからないボールのプレッシャーもあったのかとすら思います。
結果、アンフォーストエラーの数の差がそのまま試合結果になったような、4セットでの勝負。
下がってバックハンドを打ったとしたらどうだったのか?
セカンドサーブのリターンでは、スライスで角度をつけたり、ストレートへのチップアンドチャージでネットをとったりという対応の広さを見せつけながら、要所でフォアに回り込んでプレッシャーをかけるとか、片手バックのプレーならではの多彩さで…なんて素人からみれば難しい注文をつけても、あのフェデラーならできるんじゃないかと思ってしまいます。
本人の試合後のコメントにも、また来年、6回戦い抜いて上がってこないといけないんだから、今回逃したのはすごく辛いことだと言っていましたね。
勝ちたかったんだと思います(そりゃあそうだろう)。しかしイメージしたようには攻めきれなかった。そんな決勝戦だったのかなと。
見ているこっちとしては、プレーのかっこよさ、ショットの質の高さを十分に堪能できて、眠くならずに最後までフェデラーの挽回を期待できる試合でした。
まったく崩れなかったジョコビッチが素晴らしすぎました。