オリンピックのテニス

日本人選手は全員が初戦を勝ち上がるという、上々のスタートでした。

すごい!特にダニエル太郎がジャック・ソックを倒したこと、女子ダブルスで土居/穂積が第二シードのガルシア/ムラデノビッチを倒したことはすごいニュースでした。

錦織にメダルの期待がかかりますね!第4シードということもあるし、おかげでドローも。。。同じ山にモンフィスとかチリッチとかいますが。

コートもあっているようで、いいラリーをしているように見えますし、余計に期待が持てます。

 

しかし、1回戦のハイライトはデルポトロが持って行きましたね!

どうしても撃ちぬけない、打っても打ってもそこにいるデルポトロ。錦織でもまだセットを奪ったことのない選手です。

2009年の全米を制し、スターダムにのし上がるべくして実力を開花させてきましたが、度重なる両手首の怪我で、ツアーを離れ、復帰してはまた離れ、という苦難のキャリアの持ち主です。

前回2012年のロンドン五輪で、錦織は多分最後の対戦をしてベスト8でデルポトロに負けてしまいます。準決勝でフェデラーに負けた後、3位決定戦でジョコビッチを倒して銅メダルに輝いたのが、キャリアの最後のハイライトだったと思います。

ジョコビッチはその後、神がかったような安定した勝ち星を重ね、ビッグ4からも一人抜けた存在になり、デルポトロは五輪後にまた怪我でツアーを離れます。

因縁の対決はこの五輪の舞台で、そしてランキング差からか、初戦で当たるという運命のいたずら。

互いにブレイクのない、7−6(4)・7−6(2)という、どちらもどうしても押しきれない、意地のぶつかり合いのようなスコア。

ゲームはジョコビッチにとって深刻で、フォアハンドを打たせると圧倒的にデルポトロのポイントになるので、バックハンドのクロスラリーにならざるをえず、手首の不安からスライスを多用するようになったデルポトロはそれがフィジカルの問題からなのか、あるいは戦略的なものなのか、ジョコビッチはこれといったパターンを見いだせません。良いサーブを入れ続けなければならず、数少ない浅いボールを見逃すことは許されず、不用意にネットを取ることもリスクを上げることになります。

バックハンド側で膠着していたラリーに展開を持たせるには一度大きくフォア側に振らなければならず、そのフォアは一発でエースを奪いにくるか、ものすごい威力でジョコビッチの次の攻撃を許しません。

デルポトロはジョコビッチに一度もブレイクチャンスを与えずにこの試合を勝っています。

それが、どういうことか。世界中のどのプレーヤーが彼に対してそんなパフォーマンスを発揮できるでしょうか?

むしろ、ランキングなどの実績の差を考えなければ、ジョコビッチはよくすべてのゲームをキープしてきたと思います。何度もジュースや、ブレイクのピンチを切り抜けて、2セットともブレイクを許さずに来たというのは、決してジョコビッチの調子が悪くなかったことを示していると思います。

 

敗戦の後、コートを去るジョコビッチは、堪えきれずに号泣しながら、観客に手を振って応えていました。それが、ジョコビッチは国を背負って戦いに来たこと、みんなの期待に応えようとしていたこと、自分にその資格があるという自負、初戦でそれらが散った無念。。。考えるともらい泣きしそうでした。自分にそんな経験なんかないのに。

 

ワタシ的には、ここ数年来の中では最大のドラマチックな番狂わせでした。

二人は友人で、試合後に抱擁を交わし、そこで涙を流していたのも、とても印象的でした。

デルポトロは2回戦も勝ち、今日ダニエル太郎と3回戦を戦います。

土居はストーサーに勝てるんじゃないかと思いましたが、ストレート負けでしたね。。。

日比野、杉田も2回戦で敗退しましたが、惜しい試合でした。

NHKスポーツ・というアプリがあって、解説や実況のない映像ですが、いろいろな試合が観れて、特にダブルスの試合が観れて喜んでいます。さすがオリンピック!楽しめています!


カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:26 | コメントをどうぞ