運動の伝達・連鎖

スイングを考えるとき、いろいろな要素がからんでいることに気が付きます。

気にする人によっては、スイングのこの部分で肘や手首の角度はどうしたら、とか、ここからあとボール何個分押すようにとか、他の人に言ったらわかる人も分からない人も出るような抽象的な部分にこだわりが出ることが多いものです。

それと、理想のスイングを追い求めようとすることもあるかもしれませんが、スイングは多様な条件にうまく合わせなければならない側面があるので、ひとつの理想にこだわっても、テニス自体の上達にはならないかもしれません。もちろん、ショットの質が上がること、そして感覚が上がることを練習しておいて、普段のラリーや、ゲームの中で活かせるようになるのなら、全体の質がよくなるとは思いますが、そのプレーヤーのテニスとの関わり方や対応力にもよる、というものになると思います。

誰にでもあてはまるもの、という物理的な条件と、身体が可能で、もちろん出来る人がいること、上級者ならやっていること、というような目で見れば目指す上達のポイントをどこにフォーカスするかが明らかになるかもしれない、と思って研究しています。

目標とするプレーは、個々に違うものでいいと思います。週に一度のテニスが楽しければいい、という人もいるだろうし、まだ初級かもしれないけどやるからにはうまくなりたいと思う人もいるかもしれない。トーナメントに勝てるレベルのテニスをしていても、こだわりを捨てずに上達を模索している人も多いと思います。

 

そんな中、オタク的なこだわりについても質問があって、ワタシはそういうのに自分なりに答えが欲しくて、スイングの真理はどこにあるのか、どうやったらうまくなれるのかについてずっと答えを探していました。

一つの答えが見つかったのは、要するに「打点」なんだということ。

どんなプレーでも、ラケットがボールにあたるときにそのショットの成否がかかっています。失敗しないプロにある感覚は、一般のプレーヤーとどんな差があるんでしょう。

動作には個人差があります。世界のトップに立つテニスを目指していたとしても、目指すべきトッププレーヤーには個性が光っていて、むしろそのプレーのストロングポイントで勝っている事よりも、相手がどう頑張っても対応されてしまう事の方が、そのプレーヤーの強さになっていることを考えれば、どうテニスをすればいいのかは、とてもむつかしい問題になってくると思います。

だから全体を考えて「強く」なるテニスじゃなくて、ゲームの仕方を自分なりに出せるようになれば、向かってくる相手にも、憧れの大先輩にでも、挑戦する楽しさを常に持てるようになる「うまくなる」ことだけを考えてもよかろう、と思うようになりました。

ショットの成否は、インパクトの瞬間に決定するとしたら、インパクトを満足させられることが良いスイングの条件であり、うまい人の持っている要素は、いかにすごいショットが打てるかよりも、いかに再現性が高いかどうかだと思います。

スイングは、身体から見れば「並進運動」と「回転運動」と言われます。体重移動で、腕の振り子を発生させやすい条件になるのが並進運動をつかうってことで、身体にひねりを与えておいて、付加的なパワーを出すとか、スイング自体の長さがコントロールに役立つ部分もあるので、身体を中心とした円を描く動きが回転運動ってことになります。

腕とラケットの動作には、振り子の原理があって、腕から発生した運動が、ラケットにエネルギーが移る位置で打点を取るようにするべきです。いかに速いスイングをするかではなく、その打点の位置に間に合うような動きができるのならゆっくりでも小さくでも、返球するという条件を満たせるだけの量があれば十分です。ゆとりがあるなら大きい動作からでも、速いスイングからでもパワーを得て、相手を圧倒すればいいわけですし、コントロールを失わずにできるかどうかがその時も条件になってきます。

動きのもとは、きっと体にある重心になると思います。そして動作の中心になるのは、背骨?体幹の部分にできるはず。

カラダが重心を移動しつつ、背骨を中心に回転運動を始めると、腕が振り子を作ってきます。もちろん腕の意思で初めてもいいですし、流れ任せでタイミングがいいなら脱力していても大丈夫なのでしょう。軸がちゃんとしていれば、必ず足の方から力のアシストをもらっているはずです。腰が折れてしまえば回転運動は寸断されますから、スイング量は制限を受けることになります。

腕が運動を始めると、身体は中心になるので、体重移動は止まっているか、回転運動を切っている方が腕の加速を促すことが出来ます。

腕が打点までラケットを運びますが、そこで手首を中心にラケットが副振り子の役をしますので、腕はいったん、打点を正確にするための動きが出来れば、そこでラケットの加速にエネルギーが移ることになります。

そこで最も重要になるのが、握りが面を安定させる形かどうか、ということです。要するにスイング方向はフラット性の人もスピン性の人も、それぞれに型があり、型にあった握りが出来ているほど再現は簡単になります。

 

というところで今日は時間切れ!また続きがあるかもしれない。。。

 


カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 17:40 | コメントをどうぞ