日別アーカイブ: 2017年1月3日

上級者は力まない?

先日、脱力することでわかること・力を入れることでわかることっていう記事を書いたのですが、もう一つの方のブログを通して質問がありました。

(もう一つのブログ=「身辺テニス情報(改)」)←FC2ブログサイトで書いてます

以前にもコメント欄で質問をいただいている件での再度の質問でした。

スイングの練習をするのに、どこに力を入れたらいいものか?

上級者(テニスコーチや、全日本レベル)の人に「身体のどこに力を入れることを意識していますか」と質問をしたところ、「特に意識していない」「脱力するように心がけている」という返事が多かった(足に力を入れる、という返事もあった)

上級者は、すでにできるコーディネーションをうまく利用しているのであって、日常的で特別さを感じない、とか、筋力的に余裕のある状態でその動作をしているためにそういった意見になるのだろうと思う

というような概要でした。

この中で面白かったのは、走っている時に特に全身の中のどこに力を入れている、という意識がない場合が多いですよね、という例え。

それでも走っている時には、歩幅の間では宙に浮くようなことがある=体重以上の負荷よりも強い力が筋力的には入っているということですよね、という考察をされていた部分です。

 

これには全く同意で、練習をするなら、考えなくてもできるくらいまでやり込もう、という意見をワタシ自身も持っています。それは自信になるし、まして試合中に気をつけていないとミスしそうなショットで、思い切って攻めていけないですよね。

私の中でのテニスのレベルの分類は、テニススクールのクラス分けとは別に、

初級=打ち方がよくわからない、またはそういうショットがある

中級=狙ったらそこに打つことができる

上級=ショット自体は相手のテニスの効果を計って自由に打ち分けられ、試合に勝つための展開力が人よりも優れているか、そういう部分がある

この中でテニス人口の多くは中級者までに存在することになりますね。トーナメントで勝ちあがれるか、そういう期待が持てる人からが上級、という区別になれば、という見方を基準にすれば、です。

まあ別にそうでなければ認めない、という分類じゃなくて、テニス会全体を見て、憧れになるくらいの人を上級者として少数派にしようとすればっていう基準に合わせてみれば、っていう話ですが。そうすっと私も上級者じゃなくなるっていう。

 

こうしてみると、確かに上級者に近づくほど、どこに力を入れるかは問題視している場合じゃないレベルですよね。

打ったボールの軌道をどうするか、っていうのが試合中に考えられるようになれば、相手への影響を考えて次のショットへの対応や読みがわかるようになる。

最初はあてずっぽうやノリで次の予測をしてもいいと思うんです。大事なのは、「こう打ったから、次はこう!」っていう風に自分のプレーを組み立てようとすること。

相手だって一様な返事をくれるってわけじゃないし、自分だってそんなに思った通りの返球じゃなきゃ対応できないってほどでもないはずです。

シャラポワのグランディング(唸り声)みたいなのも、一般の人から見ればさぞかし思いっきり打ったんだろうって思われているかもしれませんが、声を出しているプレーヤーから見れば、むしろ余計な力を入れないためにやっていたりするんですからね。

ショットは力強く、身体の力を解放するように打ちたい。

だけど気持ちごと思いっきり打ったら、力が入りすぎて不安定なショットになる。

だから、「余計な」力が入らないように声を出して逃してる、みたいな感じなんでしょう。

体験的なところを言えば、ワタシ自身が、フォアハンドストロークの改善をするのにしばらくの間、声を出していないとダメな時期がありました。

腹筋にグッと力を入れるんですが、体幹をしっかりさせるために両足から胴体までを、スイングのせいで流されないようにしっかり止めておくと、自分の腕がかなり振れる感じがわかって、ショットが正確に、しかもパワフルに飛んでいくんです。

だけど、その精度と威力の両立ができるのは連続では何球も持ちこたえられない。

苦しくなって力を抜いたり、続けて打つために声を出さなくしてみると、急に精度や威力が落ちていくような感じがしてしまうのです。

なるほど、上級者の人たちってこういう時のためにトレーニングしてるんだなぁーって痛感しました。ショットにセンスがあっても、それから打ち方がわかるようになってからでも、狂いやすい自分の姿勢を制御するのに必要なトレーニングがあるってことを知ると思います。

良い指導者に恵まれて、先にトレーニングを施されている選手だとしても、自分で気づいてからが本当に意義のあるトレーニングをするようになると思いますね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:32 | コメントをどうぞ