ぎゅっと握る、じゃなくて、ラケットはしっかり握る…いや、持ちましょう。
手首もそうですが、指も、スイング中、力が抜けることが多いものです。力を入れちゃう人もいますが、そうでもないんです。しっかり持つ。
?意味が分かんないですか?そう。だからちゃんとしてない人が多いようにも思います。
スクールにいる人たちは、打ち方自体をまだ悩んでいるような人も多いですから、よけいに目立つのかもしれませんが、焦って力を入れてラケットを速く動かす、みたいな感じでやっているとラケットが言うことを聞かないように思うのではないでしょうか。
腕の遣い方がラケットの扱い方になるとか、スイングに型をしっかりさせると打点やスイングが安定するとか、初心者の頃には感覚的に出来ないと思います。体がある程度覚えてきてくれないと、運動神経が良くてそこそこできたとしても、再現性がやはり低くなってきます。慣れとは、そこいら辺に習熟して出来るようになってくること。
ジュニアを教えていると、ラケットの重さに負けているようなスイングをしている子がいつまでもいて、「まだ小学生だからね…」と許してしまいそうになります。
だけど最近よく行く外のコートは運動公園で、野球場があり、小学生が金属バットでしっかりボールを打てている。野球のバットは、テニスのラケットよりも倍以上重たいですよね。彼らは素振りもちゃんとしているだろうし、重さに対して覚悟(バットの重さはこのくらいあるのは当たり前と思ってる)もちゃんと出来ている訳で、小さな体でも腕の力に頼らず、なおかつうまくボールが打てるようにスイングに対応できる幅を作れるようになっているはずです。
手で持って扱う道具なわけですが、その「手」って先端(指)ほど繊細にできていて、そのぶん力が弱いんだと思います。
指。手首。肘。肩。腰…この順番を逆にたどっていくと運動の伝達経路として正しくなってきます。
だけど、ラケットに不慣れな場合は、手に持っているという情報と、器用な手がなんとかうまく扱おうとして指や手首に力を入れてしまうようになります。
または、ボールをしっかり打つために腕がスイングをしてくるときに、速度を上げて振っていくとボールがそこに弾んでこなかったりしてむりやり手首とかで調整します。
だけど、指や手首はそんなに(腕の動きの力よりも)強くはないので、思ったように出来ない感じがすごくするはずです。
そこで、だんだんスイング自体で調整してくれるように腕はなるんですが、そのぶん手首や握っている指は弛めちゃうようになるのかもしれません。
当たり過ぎてホームランになるくらいなら、ゆるく持ってそこそこ入ってくれた方がいいですしね。
握りの中には、ラケットを扱う上のさいごの支える点(支点)があるので、弛めていい方向といけない方向があります。
ラケットを握れば、親指と中指が接するのが普通ですね。グリップを貫いたその反対側には、人差し指のパッドがあるはずです。手の中心が損な物ですから、ラケットを握っているそのあたりに動きの中心が来るはず。
そこでラケット面が意識できるようになっています。
スイングには遠心力が働くはずなので、テニスのラケットにもグリップエンドがおおきくなっていてすっぽ抜け防止の役割をしています。
ラケットにも、というのは、野球のバットにもあって、重たくてもすっぽ抜けしないようにエンドがおおきくなっているってことが言いたい。
小指側がグリップ(ハンドル部分)を包むように巻いていて、そこにエンドのふくらみがつっかえてくれればいいわけですね。
そうすると、手のひらの中心を軸とした手首の動きがそこで感じられていいはず。
エンド部分の動きは、そのまま逆位相でヘッドの動きでもあるわけです。
握りとは面の向きであり、インパクトの支えの形であり、動きを与える場所でもあります。
決して力だったり、速度だったりすることはありません。握りの中で速度を上げようとしてもコントロールが失われるだけだし、一つが出来たとしても多様性は損なわれます。
手のひらの中でラケットの動きがでる…手の中でグリップがズレるって意味じゃないですよ。ヘッドが走る感覚ってことです。
そこに面の感覚がでるように握ることですね。
うまく当たって狙ったように飛んでいったショットって、ラケットでうまくボールを「掴んだ」ような感覚があるはずです。
その感覚を何度でも思ったように出来るようになるってことが、「当て方」のわかる「スイング」の仕方がわかるってことなんでしょうね。