プロの試合を観れるシーズンになって、楽しんでいまして、近年はプレッシャーと戦うポイントごとの選手の動きや緊張とか、それってどうしてるんだろう、みたいなものに興味があったりとかしていまして、試合の見方も変わってきました。
若いころは、そりゃあスーパーショットとか、魅力的なプレーに目が行きますよね!あいや、今でもそういう部分はあります。自分では絶対に選択しないコースへ打ち抜くショットを、緊迫した場面で、そんなに十分じゃないような体勢からでも決めてくるとか、プロならではの場面て、やっぱりお金を払ってでも見たい!と思います。
それでやっぱり、生でそこのコートにいて雰囲気を肌で感じながら見るのは違うものです。強い人って、やっぱりコートでの存在が強い。そういうのは画面からだとそんなに分からないかもですが、コートにいると存在感っていうか、圧倒する力をみなぎらせているように感じる選手とかがいて、そしてすごくそういう人は目を引きます。
観に行った楽天の試合では、シュワルツマンとか、そんな感じだったように思います。取りこぼしなく、油断したような失点をせず、チャンスも見逃さずにキッチリ勝つための試合をしているような。
精神的に充実していないと、やっぱり良いパフォーマンスって出ないと思います。ランキングが高いから、とか以前にどこかの大会で優勝しているとか、そういう情報で観に行くけど、確かに勝ち切る事の出来る選手でしょうからすごく強い感じがしますが、試合を通じて見ていると、そういう選手でも調子の悪い日とか、覇気を感じないような事だってあると思います。
最近では、戦術とかを見てわかるようになりたいと思って試合を観るようにしています。
以前は、戦略とは「シナリオ」で、戦術とは「アドリブ」だなんて書いたことがあったんですが、とくに戦術についてはアドリブ、じゃないな…と考えを改める様になりました。
訓練されたものしか、行動には表れないものです。決まったパターンというわけではないですが、そこにいたらいくつかの選択肢の中のどれかを選んで行動することになると思います。それって「やったことのある事」とか「できた経験のある事」が思い浮かびやすいだろうし、優先されると思います。
そのなかで、あるシーンに対する対応のしかたに、その後のプレーまでのイメージを乗せられるかどうかが鍵かと。
たとえば、フォアハンドに深く、遠い所に走らされたときに、その時に自分はどうするか、というのを考えたとします。
・クロスに深く打ち返すとしたら
それができたとしたら、きちっと軸足がはいって打点を守る動きができそうだ、と判断されているってことです。当たり損ねもさほど心配なく、打点に入れて打てる感じがするなら、まずそこで拮抗を保つようになると思います。
そのクロスショットに対して相手が遠くに下がっていくようなら・・・追い込むことが出来ているんだろうし、自分のショットが読まれているとか浅かったとかの場合には、相手が踏み込んできてストレート…が開いているように感じていると思います。心配なオープンスペースができちゃった、みたいな。
・スライドしていってスライスで返球したとしたら
たぶんストレートにはそんなに精度が出ないと思うので、センターからクロス。深く帰ってくれれば、自分がもういちどポジションに復帰する時間が出来ると思います。
そのショットは起死回生のカウンターにならないと思うし、相手がボレーに詰めてくる可能性だってあります。けっこう追い込まれてしまった。そんな感じです。スライスを選択したのは、ボールの軌道を低く抑えながらも深めが狙い易くて、相手が攻撃的なショットを自由に打てる打点にならないだろうという狙いもあるから。
・一発勝負に、ストレートにひっぱたくとしたら
もう走り抜けながら、ラケットヘッドを加速させてちょっと神様にもお願いしながら、ストレートのライン内側にイメージを持ってあとは思い切ってひっぱたきます。
抜ければエースになるか、悪くても相手がうまく取れないようにバランスを崩すことが出来そうで、一発逆転を狙っています。
確率の悪い勝負を挑んだことは分かっているので、その打点での集中に掛けています。
その後はコートからいなくなるくらいの猛ダッシュ。勝負に行っているので、戻るのが遅れることくらいは覚悟しています。
・・・あとはロブで時間稼ぐとかくらいでしょうか?
で、それぞれについて訓練しておく必要があると思います。自信を付けるにはそれしかないですもんね。良く練習して、止まって考えるんじゃなくて成功率の高いリズムを身につけておく。動きの中で調整して、出来る時の条件を身体で覚えてしまうくらいやりこんでいると良いんでしょう。
プロの試合はテンポが速くて、いちいち「よく考えて」いる時間はないと思います。
それだけに、発想にも瞬発力が要る。
どんな練習を、どれだけやってきたんだろうって、観戦しながら思うわけです。
テニスの試合をすることが、彼らの生活なんですもんね。。。