365の解説ページから拝借しています。A・アガシのフォアハンド。
引退してからも世界各地でエキシビジョンなどで活躍していますが、レベルが落ちたように見えない人。私もナマで有明に来た時に錦織とやったのを見ました。太ってたけど、すごい球を打ってましたね〜。体重増加もショットに好影響だったりして。
さて、世界屈指のリターナーとしてその名を残す、というキャッチもできそうなアガシですが、よく、「コンパクトなテイクバック」と言われる動きの見本です。
昔はこの「コンパクトな」がよくわからなくて、小さく腕をたたんでみたりしたんですが、見た目のコンパクトさじゃないんですね。
このアガシのテイクバックからフォワードスイングまでのところが、最も象徴的な形かな、と今回365のサイトから画像を拝借してでもアガシの画像を使いたかった。
流れ写真
いちばん左側のアガシから、3人分のところまでが今回のトピックスに上がっている部分です。いちばん最初のラケットが写っていませんが、想像して見てください(笑)。
これ、手のひらを外向きに作りながら、肘をあげたんですね。そこからすぐに肘を前向きに帰ると、もうインパクトの近くに腕を作ることが出来ます。
スイングは後ろから見れば、「横振り」になります。要するにラケットを落とさずにスイングし、打点を高く取ってもストレスにならない位置でヒットできるようになるって事です。
ライジングボールストローク
なんか響きがカッコいい。
アガシの代名詞ですね。伊達公子さんとかもそう。
というか、今はこういう先達を手本にして、ほとんどのプレーヤーがこういうスタイルになってきています。
我々がスクールで教えることになる、いわゆる「タテ振り」のスイングではちょっと苦手な人を増やすことになるであろう、高い打点のスイングですね。
ボールがバウンドして、再び頂点から落ちるまで待っていられるのは、ボールをゆっくり打ち合わないと狙いのための時間がないような、初級者に当てはめた基本になると思います。
しかし、ラリーなどの実践的なコートに立てば、初級者の方が弾道の高いゆっくりしたボールのほうが多くなりがちです。そうすればバウンドは必然的に高くなる。
その割には深く打て、っていうのを試合のために教わるので、バウンドの高いところの処理が上手くなっておかないと、コートの後ろの方にずっといなきゃなんなくなります。
サーブのスピードも出るようになれば、ストロークラリーよりもバウンドの足が長くなります。つまりバウンドの頂点のあたりで打てる形は、どんなシーンであれ、やり方がわかっていないと不便ですね。
これこれ。スクールで最初に初心者クラスで習うやつ。
これ、腕をひねらないで振ることと、薄いグリップで持つ、ということを優先して考えるとこのフォームが最適です。飛んで来るボールの都合じゃなくて、ラケットを持って打ちやすいところを探すとここになる、っていう。コーチは手で投げて優しくこの場所にボールを送ってあげます。まっすぐ飛ばせればハイ、出来ましたね!って褒めてあげられます。
悪くはないです。異論はありません。こうやって理解してるじゃないですか。ただ、ラリーになると教わった打点にボールが来ないってことが後から問題になる、ということがテニスを難しく感じさせるかもということを、ずっと考えてきたんです。
相手が打ったショットに、うまく打点をあわせて打ち返す、というのがテニスが上手くなっていくときに必要なことです。そこに注目すると、いかに当てやすいようにラケットを持てるか、ということが取り沙汰されてないような感じで、そこに光を当てなきゃ、と私は自分の教則を作ろうと思っているわけです。
それで、この教科書のフォームで教わった人が、一年後にアガシのフォームになれるか、というと接点がないような気がするんですよね。
で、アガシのフォームを最初に教わった人は一年後にどうなるか、っていうと?
まあフォアハンドストローク以外は何にもできない人になるでしょうね(笑)。
フォアのグリップではそのほかのショットにかなり制限が出ることになるし、ボレーやバックハンド、またサーブなどにもちょっと共通点があったとしても遠い親戚くらいの感じがすると思います。
その中の要素をちりばめておきつつ、感覚を上げていって対応力のある教え方をしていくと、一年後には試合に出ても大丈夫なくらいにはなるんじゃないでしょうか。勝てるかどうかは別ですけど、はじめて会うおっかない相手(に感じる)人のショットでも、「返球できる!」という自信がつけば、楽しめる試合になると思うんです。
さて、もう一度、一番上のアガシの写真を見てみましょう。一コマめとふたコマ目の間にある動きに注目です。
一コマ目は、引いています。ふたコマ目には、もう振り始めていますね。
ラケットなしでシミュレーションするなら、手のひらは外向きにつくります。それが大前提。
で、アガシの一コマ目の時には、外向きの手のひらが、指先を上になるように引いていると思って下さい。
二コマ目にはその指先を後ろ向きに倒すと、ヒジ関節は内向きになっているはず。その引き付けるようなスイングの形で打点に入れてくると、こんな感じのイメージでスイングがスタートします。面が今すぐにでも打てる形になっているから、打点の位置に二コマ目を近づけるような感じで作るのが、「合わせ」という技術になるかと思います。