全豪オープンて、去年から急にですけど、GSのなかで一番盛り上がる大会になりました。あ。もちろん私個人で追ってる分にですよ。去年は決勝で泣きまくりましたし。。。
さて男女とも決勝が終わりまして、
女子はウォズニアッキ
男子はフェデラー
に優勝の栄誉がもたらされました。
前回が決勝の展望だったので、やっぱり終わってからもなんか書こうと。
実は決勝戦はリアルタイムではみれず、どちらもyoutube頼みに。
さて女子。
ハレプは攻撃力が増していて、動きの速さに攻撃力がマッチしているようにも見えましたが、正確さのあるショットに遠距離砲をつかっているような無理さ加減(決まり切らないジレンマを抱えてるような?)もちょっと感じました。しかし角度もスピードもあるショットを身に着けていて、これからもっと勝てる人になってくるような気がします。
ウォズニアッキは安定したポジションで、ファーストセットを取られてはいたけど自分のリズムでテニスをしているように見えました。前回書いたように、先にブレイクしたからと言って油断はできないような展開になるだろうと思っていましたが、案の定セットオールになりましたね(ニヤリ)。
予想通り、とスコアだけ見ればニヤつけそうでしたが、ウォズニアッキの守備範囲とか判断の鋭さには舌を巻く思いでした。ナダルみたいに走るんですね!
そしてバックハンド側に大きく振られたときに見せるタッチショット的なスライスの処理がすごく有効な守備に見えました。それを打った本人にはまだ守備中で油断のならない時間かと思いますが、打たれたハレプのほうにしてみれば、リスクを顧みずに相手をコート外にはじき出したにもかかわらず、そのスライスで自分の「まだ打てない」時間をつくられて結局無効になってしまう、というイラつきはあったでしょうね。
強めにターンっと当てるだけ当てて、その後の動きの素早いこと。かなりいいコースに打たれて、追い込まれること必至のショットなはずですが、次のショットまでには戻ってしまうんです。恐ろしいですよね。なぜか私にはそのショットが何度かあっただけですごく印象に残ってしまいました。ウォズニアッキがものすごく広い範囲をどこでも拾ってくるようなプレーの印象を受けました。
で、やっぱり準決勝のハレプ×ケルバー戦のような激しい走りっこなイメージで、最後に抜け出たウォズニアッキが優勝を決めました。彼女は無冠の女王といわれこれまでGSのタイトルが取れないといわれていたのですが、最後の決勝進出から6年。ここでとりきってくれてよかったなぁと思います。
それと同時に、次はハレプだな、とも思いました。やはり試合のリーダーは彼女だったような気もします。フレンチか全米!今年中にどちらかでもタイトルを取ってほしいですね!
…っていったらどっちも取らずにウインブルドンで優勝しちゃったりして(笑)。
それで男子のほうですが!
前回の記事を書いていながら気づいたんですが、チリッチってフェデラーくらいポジション上げてラリーするんですね。そのイメージがなかったので、このところ錦織との対戦でも分がいいことや、なんだかんだ強いじゃん、というよくわからなかった彼の強さが一つだけ見えた気がしました。
もしかしたらここ最近でそれをしっかりトレーニングしてきていて、効果があって去年のウインブルドンの決勝進出につづいて3度目のGS決勝のチケット(コートでプレーできるチケット。。。)を手にすることができたのかもしれません。
今大会中、3回戦でA・ズべレフはチョン・ヒョンに敗れてコートを去ったわけですが、目下世界ランキングも4位、昨年はマスターズ(1000シリーズ)をフェデラーナダル以外で複数勝った唯一の男であるズべレフをして押し切れなかったチョンとの白熱した一戦でした。
ファイナルセットは本人(ズべレフ)も言うようにグダグダ(6-1でチョンが圧倒)でしたが、出だしからしっかり打ち込んで相撲でいうところのがっぷり四つの素晴らしい試合でした。おおー、若手ながらレベルすごい高いなぁー!って思ったんです。
・・・という試合を見た、その裏番組ではフェデラーがガスケとの3回戦。
ちょっと世界が違う?フェデラーの完成されたというか、世界トップレベルのテニスを完全に上からねじ伏せるようなテニスに背中が凍る思いでした。この人どんだけ強いんだろう。。。何となく今年もフェデラーがタイトルをもっていくんじゃないかなと思ったのはこの時でした。
ブログ上で何度も書いたことではありますが、私は大のフェデラーファン。試合のないシーズンでも毎日何かしら動画を追っかけてはあこがれの目でそのプレーを見てから寝ます。試合の動画も、練習風景の動画も。オタクですから、見られてる人からは気持ち悪いくらい追っかけてると思います。だからそういうところを見ると興奮しそうなものですが、鳥肌が立ちました。強さが想像を超えていくんです。だって36歳でしょ?プロ選手をつづけているんだし、モチベだって高いんだと思うし、さらにトップもトップ、維持どころか進化をしてる、って日々それを見て思っているんですが、なんか私の想像している以上に底の知れない男なんだなと思って畏怖の念がやってきたように思います。
実力分析は、私の場合、印象点がほとんどでゲームをしている人を想像します。
フェデラー:サービスゲームのキープ力は抜きんでている。ほとんどのショットをライジングでとるだけでなく先手を繰り返し出せるコントロール力でコートをすべて支配する。フェデラーが負けるときは、その先手を相手にとられる時か、先手を取りに行ったカウンターが鋭くて後手回りするようなポイントが多い試合に限られます。
さらに、現役選手の中ではネットプレーでのプレッシャーのかけ方が抜けています。一時期よりもフィニッシュのショットをネットプレーで締める選手は増えてきているように思いますが、フェデラーはもっと積極的ですね。その辺が強さかと思っています。
チリッチ:長身のわりにフラット系のサーブでなくコースを丹念についた確率よく入るサーブと、返球の後のテンポの速い攻撃でクロスに鋭角に打ち込んでくる印象。フェデラーと同じようにベースライン上に長い足を広く踏ん張り、さらに長い腕を懐深く使ってライジングでもしっかり受け止めてコントロールできる。しかもそのテニスが体にも性分にも合っているような?
前回の記事で書いた、ラリーで捕まればフェデラーといえど・・・という部分は先にワイドに展開できたとしたら、フェデラーがバランスを保てなかったり、守備的なラリーから入らなければならなくなる、という想像からでした。で、そうなってもフェデラーならスライスで時間つくってすぐにストレートに打ってとかで回復しそう。。とかいろいろ妄想していたわけです。フェデラーが勝つかな、と考えながらですが、それは私がフェデラーファンだから。
とはいえすべてのポイントがそうやって優位な方は優位、と推移するわけでもないでしょうから、どこかでブレイクチャンスがあって、その時に策があるとすれば武器はどう使うかってことですね。
ファーストセットはフェデラーがとる、と考えるのはフェデラーが優勝するだろうから、という観点です。
そしたら6-2って。レッスンが終わって速報を聞いたら4-0リードのところでした。
試合見てないので想像と違う経過報告に「は?」って一瞬なりました。チリッチ本人のコメントに、「屋根を閉めたスタジアムになれるのに時間がかかった」ということでしたが、かなりミスヒットしていましたね。フェデラーは逆にインドア状態は得意にしているので、その差が出たみたいな感じなんでしょうか。12年のウインブルドン決勝でも途中から屋根が閉まって急に優勢になりましたからね。
風とか、音とか?が打球感覚をすこし変えるんでしょうね。
ファーストセットを圧倒しても、セカンドセットで盛り返すのはプロの勝負ではよくあること。帰宅中でしたが、気になって仕方ありませんでした。
で、案の定タイブレークに。ここからは混戦になるだろうなと思っていました。
セカンドセットはチリッチ。
3セット目はすこし寝ちゃった?らしく気づいたら終わっていました。たぶん30分かからないくらい。6-3でフェデラー。
4セット目の入りでチリッチがブレイクを許してしまうのですが、ここからのチリッチの集中というか、ゾーン?ていうくらいリターンがよくなりました。ほぼ返球したんじゃないかな。1-3を挽回して3オールにしたと思ったらもう一つブレイクして6-3でセットオールに。
もしも4セットで終わるとしたら、この4セット目のフェデラーがブレイクアップしたところで勝敗が決した、と言われるところでしたが、挽回して流れはチリッチに。
そして再びのハイライトがファイナルセットの最初のゲームにやってきました。デュースをとりきれずにフェデラーがキープに成功してからは、流れはあっという間にフェデラーに。
チリッチはやはりゾーンに入っていたんでしょう。スイッチが切れたようにフェデラーにポイントを許してしまいます。ネットミスが増え、ライン際も惜しくも入らないショットになってきてしまいました。
それにしても2時間を超えて冴えていくフェデラーには驚かざるを得ませんね。
以前に「フェデラー全盛期」と言っていた2004~2006あたりには、「神に選ばれた」という表現だったかもしれませんが、今回はその時代をも超えた感じになってしまっていて、「もはや神」としか言いようがありません。
ジョコビッチがどうしようもなく強かったころは、「悪魔に魂でも売ったのか」と思ったものですが。。。で愛に目覚めていまは普通になってしまったっていう。。。いやいや今から思えばあれがテニスの一番強い形かと思っていましたし、人間的に素晴らしい人物であることはいろんなメディアから知らされていますが。
マッチポイントでは、2年連続のまさかの「チャレンジ」(笑)
リターンが入らなくて、わーって喜んでおいて、ネットに駆け寄ったらちょっと待って、って(笑)。フェデラーも「だはっ」って一瞬崩れてましたが。
あの時に泣けそうだったんだけどおあずけくらっちゃって表彰式でやっと泣ける、みたいな感じですね。
とてもいい状態の環境でテニス人生を送れているんだと思います。すべての自分を取り巻くものに感謝してもしきれない、みたいな涙でした。