日別アーカイブ: 2018年2月7日

リズムを変える

前回記事にでてきた、B・ギルバートの言っていた、「リズムの無いボールを打たせる」って、テニスができるようになればなるほど意図的にそれをするのが難しいように思えます。

打つのがうまくなればなるほど、自分のリズムでボールを打てるようになるわけで、打球動作に狙い通りのショットが打てるリズムがあるってことは、ボールにもリズムがのってしまう事になる。

だから、自分のショットの「打ち損ね」みたいなやつの方がリズムは崩れているはずで、それを意図的にってのはけっこう難しい。

・・・自分からしてもそうでしょうし、相手側から見た時にやっぱりそうなんじゃないかと思います。

 

バックハンドを攻められた選手ががスライスで深めに打つと、球が遅くなっている割には相手がなかなか打てなくて戻る時間ができます。

ドライブでゆっくりした深いボールは、弾道が高くなるので、それが分かっているんだったらバックに強く打った後はネットを取りに行けば強くは打てない相手が高めの弾道のショットを入れてくることに期待が出来るってものですが、スライスの軌道は低くても深く打つことが出来るので、ネットを取ったからといってそこでフィニッシュという結末に結び付けにくくなる面があります。

落下しながら飛んでくるボールが、肩の高さよりも低くなると気って、あんまり攻撃的なショットが打てないものです。ドライブボレーをするには準備の時間が足りなく見える(弾道が低いと速い球にみえる)し、持ち上げて落とすにしても浅くなってしまっては決まらないかもしれない。スライス面でボレーカットするとしても、余計にもう一本プレッシャーをかける必要が出てきてしまいます。

そうするとスライスで切り返された相手としては、さっきの攻め球は無効化されたような感じにもなるわけですね。

これ、そう思って私もスライス得意なのでやるんですが、打ち頃のボールになって余計にひっぱたかれた経験もザラにあります。

リズムの良い球が行っちゃったんですね。

これには二つ、考えなきゃいけないことがあります。

一つには、自分の打つタイミング。ボールを落として自分の方に時間を作りすぎると、相手が十分に構えて打ち込んでくる体勢になりやすいものです。狙われた状態になってしまう、という事ですね。できればライジングというか、速いタイミングで遅い球を深く打てるようにすると良いんだと思います。

もう一つは、相手の前にはノーバウンドの落下中の軌道が迫ってくるように見えながら、前に行ってもせいぜいワンバウンドの地点とか、地面すれすれになってしまうタイミングで相手の前に落ちるような軌道が欲しい。

要するに高めに上がるようなショットを打ったとしても、タイミングが早ければ相手は軌道の高い位置に入ることは出来ず、後ろで待っていることを選択しても結構深く入ってきて、その割にはボールが(バウンドが)死んでいる、という感じにすることでさっきの気持ちよくはなった攻めボールとは違うリズムを要求されることになってしまいます。

そういう球がリセットボールになる。

つまり、もう1ラリー生き延びられるショットになります。もしも次に相手が返球を入れてくるだけにしてくれれば、逆襲のチャンスにもなります。

相手が攻めてきている状況でなくても、こういうショットでリズムを変えることをすれば、遅めの球を打つ以上コントロールにこだわれるようにして、そこを起点に自分の攻めパターンも作れそうなものですね。

私の場合だと、スライスを使うパターンとしてはバックに来た球を相手がベースラインの中に少しだけ入らないと取れないような位置にクロスへ返して、低いバウンドをすくいあげてくれたら自分から中に入ってその逆へスピンで高く跳ねる球を、なるべく遠くに入れに行きます。それで諦めてくれるプレーヤーなら何度も使えるし、それを拾うような相手だったらネットを取りに行きます。

 

攻撃の起点がフォアを狙う、と思われやすい、ズルくていい手だと思っています(笑)。

とくにフォアを得意にしている人のフォア封じに、バックの遠い所っていうのを前のめりにさせるっていうのは効果があるだろうと思っています。ただし勇気がいる。狙い打たれれば踏み込んできて強打されるとか、待っていない角度のショットで決められかねない。

まあ、うまい人はいくらでもいるので、そうなったらそうなったでそういう作戦を見せつつ他も頑張るってことにします。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:35 | コメントをどうぞ