日別アーカイブ: 2018年2月27日

操体法

うーむ。。。

うまく言葉にできないでいることがあって、テニスに限らず「カラダの動かし方」を○○理論、なんて言ってどこかを強調したようなものにすることに、納得もするけど違和感も感じるわけです。

骨盤とか肩甲骨とか、あるいはどこそこの筋肉だとか?

その部位は確かに使い方がうまい人が効率よくパワーを引き出せるし、そのおかげでショットが良くなったり、プレーそのものが楽になったりすると思います。

なによりその理論には根拠があって、間違いなく正しいものであるはず。

だけど、私がテニスコーチをしていて目にするのは、もっと「それ以前」の状況で悩んでいる人たちです。

人間、骨格のおかげで動きのもとがあって、それらは筋肉というバネとかゴムのようなもののバランスで立って歩いています。神経はそういったバランスを制御しつつ瞬間的な反応を、脳を通して行うものも、脳に伝達されずに行われるもの(脊髄反射)もあります。

ようするに、意識下で動けるものだけで体を動かしていないんですね。

それぞれの関節に人間の活動に即した働きの方向があって、テニスというスポーツ独特の動きもふくめ、それらの動き方の特徴をうまく利用するほかない・・・というか、そのようにできる人がとても「自然な動き」に見える振る舞いで美しく打球動作をするんだと思います。

 

 

神経も扱いになれるほどにレーダーのように予測した動きができるようになっていて、空中で速いスピードで動くテニスボールをラケットの真ん中にしっかり当てられるようになるだけの成長していく、すごい機能があります。

 

たとえば速いサーブをうまく打ち返せるようになったり、ライジングでもボールをうまくいてるようになったり、バックボレーの当たり損ねがなくなったりなど、初心者のうちにはできなかったことができるようになるってことです。

 

ある人はボールを強く「打つ」ための方法を論じたり、またある人はボールを「捕る」ような感覚で、とアドバイスしたりします。どちらも正しく、視点が違うだけのことですが、テニスに不慣れな人だったり、片方だけを取り組んでいて発展途上の時に言われたら戸惑うんじゃないでしょうか。

指導者としてコートに立ちながら、自分自身もそのアドバイスがその人に適したものかどうか、正しく判断できているかどうか不安な時もありますし、過去の自分を振り返れば正しくなかったこともあったかと思います。

もちろんその時にはその生徒さんのテニスをよく見たつもりだし、自分の知識を総動員して真剣に考えた末に言っていると思います。だけど、自分が何かのマイブーム的なものに取りつかれて偏っていたり、単純にその後よりも知識が足りていなかったりしたためにいまから思い出せば、ということになってしまっているわけです。

 

 

 

 

カラダを操る、ということについて私の考えは、全体の調和をうまくとって、再現性の高いプレーを目指せるようにしよう、ということを目的に考えていくんだということです。

つまり、より良い一打を放つことよりも、自信をもって打ち続けられるプレーを、ということです。

試合をしていて、自分なりに放った「より良い一打」も、けっこう相手にとられるってことなんですね。その一打は緊張とともに成功させたかけがえのない一打だったのに、もう一度同じクオリティのショットをまた違う場所に打ち込むのは勇気がいるってことなんです。自分では決まってほしかったショットが返ってくるほどめんどくさくて、その次がむつかしく感じるものはありません。

そして、試合中に「完璧なフォーム」を忠実に再現しきるだけのゆとりが出ないことがほとんどです。

 

じゃあ、うまい人はどうやってんのか?ってことになりますよね。

 

ラケットの感覚がいいんです。

 

ボールに近づける「合わせ」が感覚的に正確で、狂いがない。

だから、相手の球が速かろうが遅かろうが、自分の感覚でとらえられたボールには裏切られることがないんです。

ラケットに当たったボールがどのくらい飛んでいくものなのか?

当たったら出ていく方向を事前に察知できているか?

スイングの形を変えて対応することが可能なのか?

ラケットと仲良くなってからじゃないとわからないことも含めて、徐々に感覚を上げていく、という練習をして、ラリーの中で想定できる範囲はプレーのカバー範囲に入っているということにしておければいいんだと思うようになりました。

できないことはできないし、できることを最大限しっかりやり続けるしかない。

自分なりの感覚の中でスイングを確立する

また、そのスイング自体が発展性のあるものにする

コーチとしては「打ち方」を指導するときにその二つにはとても注意が必要だと思っています。

手のひらの感覚のようなラケット面に、サポートを強くできるのが体の役目。

身体の使い方、というのを先に考えるのではなく、感覚的にそっち方向にこんなショットが打てるのなら、パワーを上げるにはこう、回転量を加減するにはこう・・・などといったプラスアルファを与えられるものとして説明ができれば、と思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:17 | コメントをどうぞ