日別アーカイブ: 2020年1月2日

肩と腰

身体の関節の中で、この二つが「多軸関節」です。

この関節がこの位置にあるおかげで、体を「ひねる」ことが「増幅装置」として初動で産んだパワーを大きくし伝達してくれる役目に大きく貢献しています。

ここの使い方は、身体の使い方、を話すコーチたちがやはり注目するところになりやすく、「肩甲骨」であるとか「骨盤」の使い方という紹介の仕方をしていますね。

肩と腰は連動していて、肩の使い方って腰の動きをつかさどるところがありますし、腰をしっかり使えると肩は動かしやすく…というか可動範囲が大きくパワフルになると思います。

 

テニスの動きに対しては、野球やゴルフと共通の部分もあるし、やはりそれぞれに向いた特殊な部分もあると思います。

テニスにおいては、注目されるのはやはりラケットを持っている利き腕になろうかと思いますし、解説するとしたらやはりそこが主になると思います。

しかし、非利き手側の骨と筋肉は関連しあって動くこともわかると思いますし、そこでバランスの取れる動きがあろうかと思います。

ボールに反応する動きには、まず足が一歩目をどう動かすかが素早い人ほど守備範囲も広いといえると思いますが、それを追いついてすぐに思ったスイング(コントロールできる態勢)で入れるようにするには、ほぼ同時に利き腕側の肘から肩を持ち上げるようにするとよいようです。

スイングをしっかりするには、「軸」を作らねばならず、右手側のスイングの軸は右足に、逆もしかり、ということなんですが、走るという動作は両足を交互に動かすことで骨盤が安定しますので、走っていると軸が作りにくい、という発想になると思います。

しかしスポーツを経験していればわかることなんですが、走りながら軸を作ることってできるんです。それって走りながら手(腕)を作っておくこと。

手を作るときに、すでに「打てる」形としておくことです。それが「肩」の形を作ってくれて、肩ができることで「腰」につながりができます。それが走りながらできる「軸」になる。

これ、何の効果があるかを、こうやって言葉で説明すると、できている人でもわからない感じがするかもしれません。

ランニングパスを抜くときに、フォアハンドだったとしたら右足が走りながら「グンッ」ってリズムを崩さずに力が入るのを感じるはずですね。

サッカーのボールを蹴るときに、追いついてすぐにちゃんと足を間違えないでできるようになっているはず、というのと同じことかと思います。野球の外野手が走りながらバックホームに送球するときにも逆の足が出てこないっていうこととも同じこと。

腕の形を欲しい形に作ってくれると、それに合わせてスピードを落とさずに走れる足ができることがあります。

軸はできると(体の片側にできる)歩幅が小さくなりそうですが、ちゃんとできると普通に?(同じくらいに?)走ることができたりします。

テニスをするときに、これを知っている(体が知っている)のはすごく大きい。

テイクバックでは肘を上げて、肩の関節を動かすまたは浮かすようなイメージにすると、ここで言っていることがわかりやすくなると思います。

上がった腕は降ろしてきていいので、普段からそうやって打っていない人でも、「まだ打っていない」時間のうちにそれ(腕を上げる)ができてしまえば、いつものフォームに戻して間に合ったとしてもすこし当たりがよくなっているはずです。体感できるくらいの違いが判ると思いますので、そこからコントロールのほうに意識を修正していくうちに質の上がったショットを普段できている通りかそれ以上にコントロールを良くしている可能性があります。

腰は落としておいたほうがよい、というのは私自身がそう感じますが、じつはこれが上がっていてもよい(上がっていたほうがよい)例の人もたくさんいます。自分がどちらのタイプなのかは、両方をきちんとやってみたほうがいい。なんとなく、ではなくてきちんとです。そのほうがわかりやすい。

推進力が感じられないとしたらそれは効果が薄い。体の使い方として、身体の深部の軸とか重心とかっていうのがそれぞれ得意な場所があるらしいので、自分でつかむことです。

意識することはリズムを保って打っている実感があること。

それと、自分のレベルに応じて感覚が違うことがありますから、自分がいつも打てているショットや手ごたえを基準にしっかり持っているといいです。

コーチから見ていいショットになっているのに「ほんとにこれでいいんですか?」とか「これであってますか?」って聞いてくる人はこの基準がない。それってその人の中にビジョンがないってこと。目標というか、普通にこのくらいはできる、という基準もないんじゃないでしょうか。このパターンが一番教えにくい。教えていて手ごたえがない感じがします。

コーチの側にも基準があって、その人の体に投影してみています。このくらいはできるだろうな、と思ってアドバイスをしても、その本人からのフィードバックがないと次の手を出しにくくなります。

そこいらへんは蛇足になってきましたが、もし使い方がよくなかったり、使えていないとしたら、肩と腰の使い方が変わるとパフォーマンスは確実に上がります。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:06 | コメントをどうぞ