カテゴリー別アーカイブ: 打ち方オタク

テニスの打ち方に対するこだわりを書くとこです
コーチとして勉強してるんですってアピール?

サーブ・各種打ち方②

今日も残り時間がすくなめですが、先日の続きのサーブについて。

スライスサーブの打ち方2通り

スライスも、当て方は二通り紹介します。

A ボールの後ろ側の面を外側に向けてこするように当てると、空中でよく曲がって速度は遅めのスライスサーブになります。

スイングの見た目はボールの飛球方向に対して真後ろの位置を横回転になるように切るわけです。飛球方向にヘッドを使いたいのですが、プロネーションの起こる前位の面が安定した位置で打つことを「切る」ようにといいます。刀でものを切る(Sliceする)時には刀の刃の方向はぐらぐらしないわけです。スイングを加速していって、加速が最大になる時に腕はふつうプロネーションすることで動きの加速を伝えていくので、そこに至る直前の面が安定したところを使うのがスライス。

ということは、打球直後にヘッドはネットの方向に倒れ、身体から見てサイドライン方向に大きくスイングを伸ばした後に身体の方に回って帰ってくるようなスイングになります。

B ボールの側面をネットの方向に向けてカットするように当てると、空中ではさほど曲がらずに、弾んでから曲がるような感じの、球速のはやいスライスサーブになります。

これは、うまく打つには身体を前向きに回すようだとむつかしくなります。やや肩を残すようにして、右肩と左肩の間の空間でヘッドのスピードが得られるように意識すると良いかもしれません。

それこそボールに向けて刀の刃を向けたようなスイングになりますが、スイングの頂点のあたりでボールに当たり、ラケットヘッドから前に倒れるようなスイングにならないと速度も出ませんし、ネットを越えてから落ちるようなきれいな軌道も作れないかも。

プロ選手はBの方を多用するみたいですね。やっぱり速度が出るし、ワイド方向への切れが期待できる。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:47 | コメントをどうぞ

サーブ・各種打ち方

ちょっとここでは詳しく書くことが出来ませんが、サーブの打ち方というか、打ち分け方において、答えは一つじゃないのね、ということが分かったことまでを書きます。

その都合は人によってどうなのか、例えばフラットサーブにしてもAパターンとBパターンだとして両方が出来ることが良いのか、自分のスタンダードをどちらかにしてたくさん練習を積んで習熟するのか、そこいら辺の裁量は私のようなコーチが言う事でもないのかと思います。

ただ、スイングやインパクトを分解していくと発見しちゃっただけの事なので、写真とかが無いので詳しくはかけないのですが、自分の覚書として記しておく方が主ですが、ちょっと今のうちに書いておこうと思います。

 

フラットサーブのA・B

A 打点を一番高い所にとって、そこで腕からラケットまでを一直線にして伸びるような形でインパクトする。手首は尺屈する形であると固定される形なので、腕からラケットまでが一体の「硬い」形になります。「硬い」とは、スイングの速さに手首が負けないという事で、肩から前腕へのうごきにプロネーションの要素が強く出るものです。プロネーションは手首で行うものという誤解もけっこうあって、そういうのを矯正するにはいいかもしれません。

このパターンは球速がもっとも出るパターンかと思います。打点が身体から見て最も遠く出る点や、プロネーションによる運動伝達でヘッド側に最大速度がでやすくなる点などが理由です。なによりシンプル。

そのぶんコントロールはしきれません。それこそ熟達してもそのサーブで70%以上入るってことは珍しいんじゃないでしょうか。背が高い人なら有利かもしれませんね。

B 手首とラケットになす角ができると、腕はプロネーションするときにヘッドがボールの真後ろから入るような形になります。腕とラケットが一直線ではないのですが、腕の軸というか「芯」にも向きがあって、たとえばシンバルのような楽器を持ってバーン!と大きな音(破裂音)を出すようなときって、両手を伸ばして手のひら同士を押しあった時と同じ形になるはずなんです。腕の軸がラケットの軸を動かすことになり、その中心が握りです。ラケット面がボールに接するときに腕の面(軸とか芯のもつ面)の方向があっていれば力は逃げるところが無く、フラットに当たる形になります。

インパクトの位置や形がそういう条件をしっかり満たせば、球速はAパターンに準じます。そしてこちらはヘッドの抜けが腕の動きと共に投球動作により似た形になる事から、ボールが落ちる運動をしやすくなります。つまりネットを上手く越せば、サービスライン内に落ちやすくなります。確率を上げられる。

実際には確率を上げるためにプレーヤーは回転もかけることになると思いますから、それをフラットとしにくい面もありますが、条件を満たしたインパクトならフラットになるでしょう。でも落ちやすいんです。力のかかり方のせいで。

 

時間切れです・・・今日はここまで

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:14 | コメントをどうぞ

面を維持する

「面の維持」は打点では最も重要なことかと思います。

スイングは大きく分けて二態あって、スピンのスイングとスライスのスイングです。(←フラットは?という意見もあるかと思いますが、純粋にフラットボールを打つ、ってことはそんなにないし、重要でないかも)

その二態ってのが、握りによってやりやすいやりにくいがあり、その為に「厚い」と「薄い」握りがあります。

スピン方向にヘッドの動きがいいように持っていると、スライスの為には力を抜かなきゃいけないような形でしか打てないし、トンカチで叩くような握り方が出来るときってスピン方向へのスイングに力がうまく入りません。手の構造上そうなっているので、握り替えが出来ない人はその役割の違いに気づいていないんだろうし、握り替えずに両方打てているってことは、どちらかが主でどちらかはいい加減に打っているはずです。(いい加減、にもレベルはあろうと思いますが)

 

それは、インパクト付近でのスイング中のラケット面が維持されているという約束を守れるよ、という条件を満たしている事になります。

打点で約束通りの形になっているのなら、あとはちゃんと当たってくれさえすれば狙い通りの方向にボールが飛んでいく事はわかっているのと一緒。「方向」ってコースと高さですね。

握りを緩めて持つ事がいいように表現されている事もありますが、ゆるゆるにも方向があって、力を必要としない方向と、維持しておかなきゃいけない方向とがあるので、一概に握りをあきらめたような力の抜き方をしてしまうと感覚的に良く分からなくなってきます。

握りはちゃんと持ちましょう。

 

ともかくもスピンもスライスも、打点に向けて面の維持できる持ち方が自分のグリップの持ち方になるだろうし、それが決まれば自ずと打点の位置というか、形が決まります。それで打点の事がぱっとわかるようになります。

ラケットの重さを、腕がリードしてスイングするのに、スピン系は肘の動かし方、それと前腕というか手のひらの中に面を感じられるようにすることでラケットの重さにスイングの優位を奪われずに済むようなスイングの仕方になってきます。つまり「引き方」もあるってこと。

伊達さんのスイングがすごくシンプルでよいのは、そこいら辺を出来るだけ無駄のない形にできたのが彼女のフォームになっているという事でしょう。かつてウインブルドンでヴィーナスと2回戦を戦った時に、伊達さんの方がストロークのショットスピードが速かったっていう。体重の乗せ方とかスイングにすごく適したところなんでしょう。

フェデラーやナダル、錦織選手に至るまで、彼らは自分の身体の中で欲するパフォーマンスの得られる打球フォームをしているという事になります。そのテニスで組み立てて試合の駆け引きに使えているっていう事なんでしょうね。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:40 | コメントをどうぞ

芯と面と「入口」

手の感覚の話です。

腕と、ラケットには芯があります。というか、そう感じられるようにしましょう。

腕は芯となったとしたら、重さをぶつける基になります。スイングの速さをぶつける、というような印象のスイングの人を、当たり損ねをしやすい人だとしたら、腕の芯の重さをぶつけるようなスイングは芯をイメージしている分当たり損ねは少なくできるとか、そういうイメージです。

手のひらにも真ん中があって、ラケットの芯を感じながらその道具を扱っているという事なんですが、ぎゅっと握って力だけで動かそうとすると、自然なはずの動き方ができない、ということが起こるのではないかな、と思う様になりました。

「自然な動き」はテニスのラケットを持っていなければよく似たようなスイングで理想的な形にできたりするのに、ラケットを意識するとそこが良くわからなくなっちゃうようなことがあるってことですね。

野球のバットが最近私のブログ記事によく登場しますが、これは「面」のない道具だという事が、円柱形の棒を握った手のひらを「面」としてとらえるはずだと思ったところかっら、その方が今言う「自然な」ながれの身体の使い方になるんじゃないかってことなんです。

ショットを上手く打った時に感じる、ラケット面がボールを「つかまえた」ような感触になることは、スイングって動作の中でボールを上手くとらえるようにできなければいい感触にならないってことだと思います。

そうじゃないってどういうことかっていうと、力を入れて振り回せばボールが飛んでいくだろう、っていうスイング。文章だとわかりにくいですかね。デモンストレーションをしたとしても上手くラケットに当たってしまえば同じようにしかならないので、とても分かりにくいことなんです。

だけどさっき書いたように、当たり損ねの多い人もいるし、むつかしいバウンド(ライジングとか)にきちっと合わせて当たり損ねを少なくうまく打ち返せる人もいるんです。そのショットが強いとか弱いとかはさておいて、返球率が高いとか、信頼できるのは後者の方。

それが手のひらが作っておける、「打点の入り口」を設定したような感覚を持っているかどうかみたいなことに繋がってきます。

要するに感覚的に優れている人がいて、その人がテニスがうまいとして、他の人が憧れて動作の方法をそっくりにまねられたとしても、当てる感覚が分からないなら動作が似ていてもテニスのレベルには差が出るでしょう、っていう事です。

 

腕にもラケットにも「芯」と「面」があって、互いに少しずれた軸を持っている動きであって、ハンドル(グリップ)を握っている手のひらでその面や芯をうまく通るような経路を作ってあげることで、当たり損ねの少ない、イメージに合った打球の飛ばせるスイングになるのかな、ってことです。

興味のある人は、もうブログじゃなくてレッスン受けてもらうしかないかも。表現が分かりにくくて。。。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:45 | コメントをどうぞ

ラケットをしっかり握る

ぎゅっと握る、じゃなくて、ラケットはしっかり握る…いや、持ちましょう。

手首もそうですが、指も、スイング中、力が抜けることが多いものです。力を入れちゃう人もいますが、そうでもないんです。しっかり持つ。

 

?意味が分かんないですか?そう。だからちゃんとしてない人が多いようにも思います。

スクールにいる人たちは、打ち方自体をまだ悩んでいるような人も多いですから、よけいに目立つのかもしれませんが、焦って力を入れてラケットを速く動かす、みたいな感じでやっているとラケットが言うことを聞かないように思うのではないでしょうか。

腕の遣い方がラケットの扱い方になるとか、スイングに型をしっかりさせると打点やスイングが安定するとか、初心者の頃には感覚的に出来ないと思います。体がある程度覚えてきてくれないと、運動神経が良くてそこそこできたとしても、再現性がやはり低くなってきます。慣れとは、そこいら辺に習熟して出来るようになってくること。

ジュニアを教えていると、ラケットの重さに負けているようなスイングをしている子がいつまでもいて、「まだ小学生だからね…」と許してしまいそうになります。

だけど最近よく行く外のコートは運動公園で、野球場があり、小学生が金属バットでしっかりボールを打てている。野球のバットは、テニスのラケットよりも倍以上重たいですよね。彼らは素振りもちゃんとしているだろうし、重さに対して覚悟(バットの重さはこのくらいあるのは当たり前と思ってる)もちゃんと出来ている訳で、小さな体でも腕の力に頼らず、なおかつうまくボールが打てるようにスイングに対応できる幅を作れるようになっているはずです。

 

 

手で持って扱う道具なわけですが、その「手」って先端(指)ほど繊細にできていて、そのぶん力が弱いんだと思います。

指。手首。肘。肩。腰…この順番を逆にたどっていくと運動の伝達経路として正しくなってきます。

だけど、ラケットに不慣れな場合は、手に持っているという情報と、器用な手がなんとかうまく扱おうとして指や手首に力を入れてしまうようになります。

または、ボールをしっかり打つために腕がスイングをしてくるときに、速度を上げて振っていくとボールがそこに弾んでこなかったりしてむりやり手首とかで調整します。

だけど、指や手首はそんなに(腕の動きの力よりも)強くはないので、思ったように出来ない感じがすごくするはずです。

そこで、だんだんスイング自体で調整してくれるように腕はなるんですが、そのぶん手首や握っている指は弛めちゃうようになるのかもしれません。

当たり過ぎてホームランになるくらいなら、ゆるく持ってそこそこ入ってくれた方がいいですしね。

握りの中には、ラケットを扱う上のさいごの支える点(支点)があるので、弛めていい方向といけない方向があります。

ラケットを握れば、親指と中指が接するのが普通ですね。グリップを貫いたその反対側には、人差し指のパッドがあるはずです。手の中心が損な物ですから、ラケットを握っているそのあたりに動きの中心が来るはず。

そこでラケット面が意識できるようになっています。

スイングには遠心力が働くはずなので、テニスのラケットにもグリップエンドがおおきくなっていてすっぽ抜け防止の役割をしています。

ラケットにも、というのは、野球のバットにもあって、重たくてもすっぽ抜けしないようにエンドがおおきくなっているってことが言いたい。

小指側がグリップ(ハンドル部分)を包むように巻いていて、そこにエンドのふくらみがつっかえてくれればいいわけですね。

そうすると、手のひらの中心を軸とした手首の動きがそこで感じられていいはず。

エンド部分の動きは、そのまま逆位相でヘッドの動きでもあるわけです。

握りとは面の向きであり、インパクトの支えの形であり、動きを与える場所でもあります。

決して力だったり、速度だったりすることはありません。握りの中で速度を上げようとしてもコントロールが失われるだけだし、一つが出来たとしても多様性は損なわれます。

手のひらの中でラケットの動きがでる…手の中でグリップがズレるって意味じゃないですよ。ヘッドが走る感覚ってことです。

そこに面の感覚がでるように握ることですね。

 

うまく当たって狙ったように飛んでいったショットって、ラケットでうまくボールを「掴んだ」ような感覚があるはずです。

その感覚を何度でも思ったように出来るようになるってことが、「当て方」のわかる「スイング」の仕方がわかるってことなんでしょうね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:25 | コメントをどうぞ

打球リズムについて

最近はyoutubeなどもみんなが見られるので、プロ選手の試合や練習の動画をすきな時に閲覧することが出来ます。

プレーヤーごとに、それぞれの打球リズムがありますよね。

フットワークでもあり、スイングのリズムでもあると思います。それらが調和していることがイメージ通りのショットを生む秘訣でもあると思いますし、そのプレーヤーがとても大事に感じている事だと思います。

「ここのコートサーフェスにはフィットしない」

「この大会はボールが気に入らない」

などと選手のコメントが出る場合がありますが、その自分のリズムが守れずに違和感を抱えながら試合をしているんだと思います。

コートでは風も吹くし、太陽も照り付けるし、サーフェスやボールの条件でバウンドが違ったりもします。ナダルのような強烈なスピンで打ってくる選手と当たったりすれば、そういう事も自分のリズムでテニスが出来なくなる条件だと思います。

 

我々一般プレーヤーが改善しなければならないポイントも、そのリズムに関する事になってしまう事が多いのかもしれませんね。

たとえば球出しのボールではほぼミスをしないで打ち返せるけど、ラリーになるとむつかしく感じる事とか、

特徴のあるフォームで得意な方向やスピードで打てるけどそうじゃないショットが打てないとか、

横の守りは出来るけど前後に振られると打点が合わせにくくなるとか、動作のリズムに慣れない事をするとそれだけそのプレーヤーさんにとっては「難しいこと」をさせられていることになりますよね。

試合でロブを多用するような人が相手になった時に、自分からミスをするようにして負けていく事があります。相手のショットは遅くて良く見えているんだけど、普段なら打てるショットがミスになったりします。試合のプレッシャーってのもあると思いますが、それ以前の問題としてもリズムの合わないボールにやられてしまう事がある・・・皆さんも経験があるんじゃないでしょうか。

打球リズムの中で守らなければいけないのは、「さいごの一歩」を上手くあわせられるってことかなと感じています。

軸足に乗ってスイングを始めて、踏み込む足の方へ体重移動したりする部分ですね。軸足が決まり「いまから」インパクトに向けて「打ちます」ってかんじで合わせられている時は、あっているはずなんですね。

 

打点にしている位置(スイング軌道上の最適なポイント)にボールがいてくれるよう移動してきて、タイミングを合わせて打てるようにしている訳です。

腕のリズムで出来る事もあるんですが、腕を使うには引いてから振るしかできないので、スイングのリズムがボールの動きに関わらず一定になりやすいものです。要するに対応幅が狭いことに。

軸足というのはその足一本で後ろにも前にも身体が回せるようになっています。スイング方向に対して、腰をひねるような形にしてすぐに戻せるようにしておけば、スイングをスタートさせるタイミングを足に依存することが出来るようになりますから、その形になっている事を「肩が入る」という表現にしているかな、と思います。

相手のショットをみて、想定される移動距離へ何歩、そこで軸足からインパクトまでのタイミングでグウッ、ドンていうリズムが見えるようになれば、あとはボールをよく見てしっかり当ててやることでスイングは完結します。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:38 | コメントをどうぞ

片手バックハンドを「引き手」で考える

前回のブログ記事の続きです。

写真を撮れそうな機会がちょっとなく、野球で検索して写真を拝借しました。

テニスとはスイングの型が違いますが、ボールにパワーをぶつける、という要素は共通のものがあるわけです。

form01クリックで拡大して下さい。

この画像でいう右手は押し手で、肘をたたんで腕は打点にはやく到達しても、ヘッドは遅れてパワーをため込みます。手首を支点に腕からの運動エネルギーがバットに伝わると、スイングのパワーは打点に集中させられるようになります。

野球の打ち方だと、このままボールの中心よりもやや下側にバットの芯が入ることが理想。テニスのトップスピンとは違いますし、大人の硬式野球だとバットが1kgくらいあるらしいですから、そうしないとどこかに余計な力を使ってスイングのベクトルと打球のベクトルが合わなくなる。

テニスのラケットの動きもそういうところから、テニス用の軌道を描く必要がありますが、力の伝達としては基本、そういう要素が必要になります。

さて、左手、つまり引き手の方にも注目してみましょう。このスイングでは肘が伸びきって、押し手側のコントロールに「物差し」の役割のようなことをやってアシストしています。

インパクトでは両腕を打点でのブロックのような形としてバットを後ろから支える形になります。これは止めて考える形ではなく、ヘッドの動きがトップスピードになる位置での形を再現するための形です。

その後、ヘッドが走っていきますから、フィニッシュに向けてはこんな風に。

takebat_article241これもクリックで拡大

急に右バッターになりましたが、押し手側が引き手側の上にぐるっと回ります。スイングのスタート時点で肘をたたむようにしてそのルートを通りやすくなっていますし、バットのような重たいものを両手で持てば、野球のスイングがうまくなくてもカタチ的にはこうなるでしょう。

引き手側は、手のひらを上に向けるようにして肘を返しています。これは肘がお腹に近くないと右手が離れて行ってしまうからで、現実野球のフォームの中ではスイングの終わりに押手側を離すケースもあります。

両手で持てば、引き手側はその回外(スピネーション=回外及び外旋)の動きは意識されていないと思いますが、片手でバックハンドを打つとなれば、そういう動きを促してもよい?(筋力を使って=手首を上手く使って・・・という意味ではなく)でしょう。

dimitlov back

手のひらが上向きで終わるような形なわけです。

スイング中にはプロネーションした腕がスピネーションを行いながら振られてくることで大きなスイング軌道を描けるようになります。

グリップをやや厚めに握れば、その動きがあっても打点付近での面維持が可能になります。

手首というか、手のひらの中に支点があって、ヘッドの動きが感じられるようなら、面の維持をしながらそれが出来る握り方を調整してみましょう。

テイクバックというか、バックスイングを大きくとってスイングエリアを広げられるようなら、スピン軌道のスイングや、フラット軌道のスイングなどを、スイングスタートの位置を変える事で変化させられるようになります。

打点でのラケットの動きが出来るのなら、そこに合わせて打点の範囲をある程度持てるようになります。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:44 | コメントをどうぞ

片手バックハンドはフォアハンドの理屈にあわないこともある

ラケットとボールの関係、っていう事で注目する事で、フォアハンドで出来るインパクトの理屈が、片手バックのストロークでは理屈に合わないことがある、ってことが分かりました。

いままでわかってなかったんかい、っていうツッコミ、アリですね。わかってなかった。。。

例えば、フォアハンドストロークでトップスピンを打つ場合に、手首は後屈します。それが、前から来る衝撃を受け止める形だからです。

理由というか、その他にも後屈する事でよいことがいっぱいあります。ラケットヘッドが手首のスイングよりもやや遅れてくることでヘッドのパンチ力が上がるし、斜めに打点に侵入してくることは回転がかかるっていう事にもなります。スイング中に面を維持しやすいというメリットもあります。なにしろフォアハンドストロークでトップスピンを打つには、グリップは厚いほうがよく、そのせいでできる、手首とラケットのなす角は重要な要素を握っています。

そもそも「厚い」という表現自体がそういうことをすべて示唆しているもので、打点を前にとっても面が正面向きになるくらいの手首の角度が必要になります。パワーもスピンもそれで同時に得られる。

 

それが、バックハンド(シングルハンド)ストロークに当てはめるとどうでしょうか。

手出し送球の簡単なボールを打つには、同じように出来るものなんですね。理屈にかなう部分を認めます。

だってラケットとボールの関係は、フォアハンドと同じですから。腕はラケットを後ろから支える形で、手首とラケットのなす角は打点にスイングを斜めから侵入させることになります。

打点を止まったシーンとして瞬間的にとらえられるなら、それで同じような球質のショットを望めるかと思いますが、試合とか真剣なラリーで動きの中でそれを再現し続けていくには、フォアよりもバックの方がむつかしく感じることが多いはず。

フォアハンドは両腕をひらいて、左手と右手の間という「腹の前」の空間でボールを感じることが出来ます。スイングエリアとして最も扱いやすい(作業性も視認性もよい)ところでインパクトをイメージし、実践できるわけです。

片手バックは、そのエリアの外側(いうなれば外壁)に合わせたような感覚になるはずなので、ライジングでとらえなければならない時とか、打点が高くなった時にフォアハンドだったらどうにかなるものが片手バックだとものすごくむつかしく感じます。

フォアハンドストロークで言うところの「打点でボールを押し出すように」が実感できている人が、バックハンドを片手で打つときに同じような力が入るところが見つからないことがあると思います。

ラケットの芯を食っていれば、そんなに大差ない感じになる事もありますが、感覚的にむつかしい「エリアの外側」に打点を求めている以上、フォアハンド並みの感覚になる事はないんじゃないかと思います。

 

dimitlov backこの終わり方。後ろから”押してる”んじゃないですよね

federer back

この写真はたまたまそう見えるだけの角度かもしれませんけど、スイングには野球のバットを振るスイングの、「押し手」と「引き手」とがあるわけです。

全てがテニスに当てはまるわけではないですが、押し手が効率の良いスイングをしていると同時に、引き手側はヘッドを前に出す方向へ動かざるを得ません。

両手でバットを振って、押し手と引き手それぞれで片手でスイングをしてみる。

それぞれ、ヘッドスピードが最大になるポイントが違うはずです。肩幅分だけバックハンド(引き手側)が前に出る。

両手で持ってスイングするところにそのポイントを合わせて振ることも出来るはず。だって両手で持ってバランスよく振っている訳ですから。

そうすると、ちょっと無理やり感もでますが、腕を前に出さずにヘッドを前に出すような格好で、押して側のアシストをするような形でも振れることが分かります。

それが一番いいスイングじゃない。けど、面の維持にはしやすい位置でもあります。食い込まれそうな時とか、スピンの量を増やしたいときにはそこまでインパクトのエリアを作ってもよさそう。

グリップを厚く握れば、手首とラケットのなす角は確保できますから、後ろから押す形で打つ事も出来ますし、手首から先のヘッドを先行させるようなスイングをしたからこそ、上のディミトロフのようなフィニッシュにもなりそうです。

レンドルとか、サンプラスはこのスイングのフィニッシュとは違いましたよね。今の片手バックの選手はほぼみんなこういうフィニッシュ。

こんど写真撮ってもう一回説明に挑戦してみたいと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:26 | コメントをどうぞ

打点についての最もシンプルな答え

研究し続けてきて、苦節20余年。。。もう30年にちかづいてます。

テニスが好きで、うまくなりたいと思っている自分自身がコーチの仕事が出来ていて、自分よりもうまい人がいるんだから、少しでもエキスを分けてもらおうと思っていたので、打ち方の研究はずうっとしていました。

打ち方って身体をひねりなさいとか腰を使えとか膝を曲げろとか、手首はどうだとか脇を空けるなとか、だって身体回さないといけないのに、回し過ぎると開いてるって言われるんですよ?そのさじ加減はどうすりゃいいの?出来る人はわかってるけど、うまくいかない人にどうやって言ってあげればいいの?っていうのがとても複雑なことに思えて、人によって変えてあげればいいや、その分自分は出来るだけどんな人にでも答えが用意できるようにしておこう、ってなってきたころが、このブログを始めたころです。(旧ブログもあるので、2007年ころ)

それで、何度か行き当たって結局はそうだよな、と思っても打ち方自体は人によってさまざま。打ち方自体が似たような癖を持っていても、プレーヤーの内部感覚は聞いてみるとやっぱり同じことはないものです。コーチとしてはそれをどうすればいいのかってことに悩んでまたむつかしい道の方へ入っていったりしていました。

でも結局、打点をしっかりしようってことですよね。振り方をちゃんとすればボールがちゃんとなる、っていう見方もありますけど、イメージしたとおりにラケットが当てられているのなら、そこそこ狙い通りのボールを打ち返せているはずなので、当て方の分かっているスイングをしている人の方が正解に近い所にいるわけです。

スイングの仕方に悩みながら当たったラケットの感触を確かめてみるのは練習法であって、実践のコートでそれをやっていたら誰と試合しているのか良く分からない状態なわけですし。

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スピンと、スライス。この二つは当て方として両方手に入れておいた方が良いでしょう。

何しろ、スイングの形そのものは同じ型から出ています。使うところが違うだけ。むつかしくはありません。

トップスピンは下から上、スライスは上から下、なんて言われていますが、この両方の写真を見れば、両方とも上からラケット出てますよね?

今日はちょっと細かい解説は省きますが、トップスピンを打つときの打点は、スイングの中で言えば、プロネーションが使えるところです。自然にヘッドが変えるはずの場所がありますね?

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振り始めの高さと振り終わりの高さを写真のように同じくらいにするには、このスイング(振り子運動)の下端でラケットヘッドは腕よりも速く動き、手首を追い越していきます。その時に腕の関節は手首がひっくり返ったような動きをするわけですが、その動きがつまり、ラケットのヘッドスピードが出る部分。

その動きが出来るときに面が向くようにするには、厚く握り替えてあげればよく、多少スナッピーな動きをしても面の向きを維持している事が出来ます。

そこだけがトップスピンのコントロールが出来る打点の位置で、それ以外はスライス面でコントロールができるエリアがあります。

手首をひねるような動きをしなければ、スイング中の面の向きは維持できるので、向きがわかるならそのままぎゅっと握ってブロックすることが出来ます。

ブロックしながら狙った高さに軌道を作るようにするスイングが出来れば、その時にはスライスになっているはずなので、これでトップスピンとスライスを両方できることになります。

 

意図的に使い分けるには、そういった(自然に)対応していたものが、事前にわかるようになるっていうことです。

このバウンドだったら、うまく手首が先に入ってスピンでしっかり打てそうだ、とか慌てて下がるよりも面を上手く入れれば軸を崩さずにスライス面で対応が利くだろうとかっていう想像がつくってこと。

経験則から得たものを自分でコントロールできるようになるってことですね。

だから、相手が打ったショットがどんなボールなのかは、すぐにわかるようにしましょう。高いのか低いのか、速いのか遅いのか、トップスピンかスライスか、浅いのか深いのか…見たらすぐに体が反応できるようにするってことが「構え」ですね。

 

見て考えてから動くと遅くなります。

みて、動いちゃってからの方が時間がありますから、その時にできそうなことが見えてくるでしょうし、そこで思いつくことは出来る確率が高いものです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:14 | コメントをどうぞ

イレギュラーバウンドに対応する

このテーマは深いですね。。。

イレギュラーバウンドは、たとえば砂の多いオムニコートや、フットワークによって削れたクレーコート、またクレーコートではラインに乗って滑ったりラインの角で高く跳ねあがったりします。ハードコートやカーペットコートでも、サーフェスの不陸によってはイレギュラーするポイントがあったりしますから、そんなに限定したシーンでのみってわけでもないんでしょう。

それに、テニスの頻度がそんなに多くない人にとっては、バウンドって毎回違う…って思っている人もいるんじゃないでしょうか。回転の方向や強さによってバウンドも変わりますし、自分がうまく軌道上にいるぞ、って準備したつもりでもバウンドが予測と違っててバランスを崩されちゃう、なんてことはけっこうあると思います。

これの対応への答えはですね。。。

軸足です。

アンドレ・アガシが出初めの頃、まだ長髪がなびいていたころですね。ライジングの名手として注目を浴びていました。それまでのライジンガ―といえば、コナーズ先生がその筆頭でしたが、アガシの出現によって、より攻撃的なテニスにみんなが目を見張ったモノでした。

その頃に読んだ記事の記憶ですが、そのひと時代前に若くして活躍したアーロン・クリックステインという選手がいて、10代で天才少年と騒がれたけどバーンアウトしたようなキャリアになってしまった選手と、アガシがあるコートで練習していて、そのコートがイレギュラーのひどいコートでクリックステインはちょくちょくバランスを崩された格好になっていたが、アガシのサイドはまるで普通のコートでやっているように見事にすべて打ち返していた、という逸話?があって記憶に残っているものです。

その映像を見たわけではないのですが、その記事のなかに「軸がしっかりしている為に…」そのようにできるんだと解説してあったと思います。私もたぶん10代の頃でしたから、トッププロ同士でもそんなに差があるんだ、すごいなぁ~って思いながらも想像がつきませんでした。

ほどなくヒンギスが現れて、乗馬もこなす彼女は振り回されても軸がしっかりしていてぶれないので強い、ということが解説されていました。アガシとおんなじだなぁと。

その後かなり経ってからですね。「体幹」をしっかりトレーニングした、という選手が多くなってきたのは。

さてそんな私も40を過ぎていまのアルドールおゆみ野校にお世話になるようになり、そこで初めてオムニコート(インドア)が主戦場になるわけです。インドアの砂はいつもだいたい乾いていて、フットワークによって砂が寄る場所もあればなくなる場所もあり、けっこうイレギュラーが多いものです。

ここのスクールにコーチとしてやってきて、生徒さんに試合に出ている人がけっこういる事や、中上級くらいからはラリーのレベルがなんか高いな、と当時は思っていました。トップスピンの高く跳ねるバウンドが苦手だった私にはそこも緊張する要因だったし、強烈な球を打つ生徒さんに返せないでいるシーンもかなりあったと思います。今だから言えるんですけど(笑)。

けどまあコーチとしてそれじゃあ恥ずかしいから対応の仕方と、自分のそういう場面での欠点にきちんと向き合わないと、これからここで仕事としてテニスをしていくんだから、事は急を要するわけです。

まあテニスコーチをしてるんですから、トップスピンのショットが急に滑るなんてことはないってことはわかってます。だから、いつもよりも高めで予測してバウンドをまっていよう、っていうことが出来ればいいので、あとはそれに慣れるまで下がらずに合わせられるようになるようにしていました。自分的にはむつかしい方に課題を置いて、さらにミスは絶対に許されない、という状況にしておいてラリーの相手に入るようにしたりして、訓練していました。

軸足(後ろ足)側でしっかり立つ事、前に突っ込まないようにバランスは背筋をピンとたてるようにして、バウンドが上がってくるところで姿勢を崩されないようにすること、速い球が足元を刺すようにやってくれば、どうしても頭が下がってしまうのですが、それが一番イカン!と自分に戒めをつくりながらストロークやボレーを相手にラリーしました。当時は時間の合間に空いているコートなどももっとあったので、若いコーチと打ってもらったりしながらっ感覚をつかむ練習をしていました。

そうすると、打点よりも後ろ側で行われるスイングの方に意識が行くようになりました。テイクバックが完了した位置から、フォワードスイングで打点を取りに行くところまでがいかに可変が利くか。

そこまでわかっても、バウンドが見えてからしか対応できないので、腕を内側にたたむような格好になってヘッドを上げていくような対応になっていましたから、初期の頃はトップスピンの構えからスライスやフラットの当たり損ないみたいなショットでごまかすことが多かったと思います。

スピンを打つのにも慣れてきたのとイレギュラーへの対応の両方が上達しながらこの何年かを過ごしているのですが、軸足側にしっかり乗るだけじゃなくて、肩をしっかり入れる事と、テイクバックを終えたところでフェースを伏せ気味にする事が私のその次の答えでした。

右肩が後ろに残っている事で、バウンドが跳ね上がった時にもスピンの軌道でスイングを入れられるようになりました。
伏せ気味のフェースでは手打ちで無理やり対応する方がむつかしくなるので、自然にスイングにポイントを作って打点にすることが出来るようになります。

高く弾むボールだけじゃなく、急に低くるようなイレギュラーにも、ヘッドを下げやすいのでストライクゾーンの広いかまえ(テイクバック完了の形)が出来るようになったと思います。

スイングエリアを広くとることになったわけですね。

軸足、っていうのは後ろへターンする事も、前にスイングする為に身体を回すことも出来る足です。

打点の後ろ側、っていう事は、「まだ打っていない間」の時間ですから、そこで出来ることが打った結果に影響する事なんです。

ボールを打つために前向きに動くのが早すぎると、その時間を取らないことになりますから、イレギュラーバウンドが見えてからは対応がきつくなりますね。ボールの弾む位置につい顔が向かっていってしまうと、「突っ込む」って言われますけど、それはバウンドへの対応をかえって遅くすることになります。

軸足から踏み込み足へ行く前に肩ごと腕がスイングを始めちゃっているので、途中から修正の効きにくいスイングになってしまいますね。

私の場合は、グリップが厚くなったことも、スイング方向に対してバウンドが合わせやすくなるんだなってことに気づかせてくれたことも大きかった。

すごいスピードのボールを打たなきゃなんないってわけでもないのですから、うまく対応してミスしたりとか甘くなったりとかしなければそれでいい。

軸足側でまっすぐ立って、両腕の間のスペースがあるように感じられれば、それで結構バウンドがみえます。

間に合う感じがするってことがこちらのアドバンテージです。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:14 | コメントをどうぞ