今年もジャパンオープンを

火曜日のことですが、ことしもジャパンオープンテニスを観戦しに行くことができました。いつも招待してくださるお客さんには感謝です。ホントにたのしみで。。。

で、毎年火曜日に行くことになるのですが、今年が違ったのは、有明ではない会場でおこなわれた、ということですね。調布の飛田給駅、味の素スタジアムの隣にある、武蔵野の森スポーツプラザを会場にして、空調の利いたインドアハードコートの試合として観戦できました。

有明にはアウトコートがあって、広場でメーカーブースやキッチンカーを見て回る楽しみとともに、コートをめぐってダブルスを見たり、ランキングが高くなくてそんなに注目を浴びていない選手をオタクだから知ってるので見てみたりする楽しみがあったのですが、今年はアリーナ1と2との2面展開で、外のコートがありません。

指定の座席(4階席でした)にずっと居座っていられたのですが、これはこれ…というか、今年の火曜日のカードが?なのかわかりませんが、私にとってはたまらない好カードが見れて、やっぱり行ってよかったなぁと思っています。

到着は14時ころでしたので、ガスケの試合は見れませんでしたが、そのあとガスケはダブルスで見ることができました。今年は金髪ですよね!金髪にひげがすごく似合う。

で、到着した時のカードは、ワウリンカ対テイラー・フリッツ。ついたところでワウリンカの調子のよさが分かるような攻め方で、なにしろボールが浮かない。深いところにスパスパ入って常に優位に立てる展開でした。サーブもよければリターンもよくて、フリッツがかなりレベルの高い応酬を見せますがどうにもならん、という感じでしたね。

今日はもう木曜日なんですが、昨日そのワウリンカはシャポバロフに逆転負け。。。

それでも、ワタシ的には東京でワウリンカが勝つ試合を始めてみることができました。調子がいいときのワウリンカって、一目でわかるんだなぁっていうのがどれだけものすごいレベルなのか、生で見ることができたのは良かったです。私がみるとワウリンカって負けるんですよね。15年にジャパンオープン優勝してるんですけどね。。。(錦織がペールに負けてそのペールと決勝で当たって勝った)

 

そのあとはチリッチでした。お相手はマクラクラン勉と組んで全豪4強に入った時のペアである、ヤン=レナード・シュトルフ。

コイントスのときに、係の女性がネットのところにいて、ベンチからまずシュトルフが。

でけー。

そのあとがチリッチ。さらにでけー!198センチですからね。4階席からでもそのでかさがよくわかります。シュトルフも196くらいあるんじゃないですかね。(情報を見たら合ってました)

シュトルフは、マクラクランもそうですがダブルスでいろいろとペアを変えても強い選手、という印象ですが、今年のグランドスラムは全部に本選出場しています。予選なしだとしたら、ランキングは最低でも90台。それってかなり強いです。去年杉山が40位台行きましたけど、現在が110位台まで行ってるってことは、ある程度勝ち続けられないとキープできないわけですから。

とはいえ相手は第一シードのチリッチ。地力の差はあって当然でしょう。

ファーストセットはシュトルフが速い展開を仕掛けてプレッシャーをかけるも、ことごとく跳ね返すかそれ以上をお見舞いするチリッチが常に優位にいる状態での6-3。チリッチのレベルの高さ、それと初戦からしっかり集中して自分の流れを手放さない姿勢に感嘆の声が漏れます。

セカンドセットも最初のシュトルフのゲームをブレイクで入って、優位は揺るがないように見えました。しかし、その後もブレイクチャンスは訪れるものの、取り切れなくなっているうちに、シュトルフがリターンをミスらなくなり、タフなラリーがみられるようになってきました。シュトルフは前のセットから「無理打ち」しているようにすら見える果敢に強打するスタイルを変えず、とうとうここでチリッチにアジャストしてきた、ということなんでしょう。

5-4リードで迎えた、チリッチのサービングフォーザセットのゲームを、0-40からチリッチが落とします。流れはすでにシュトルフ。おそらく、流れの平均はゆっくりと4ゲームくらい前からシュトルフのほうに傾きかけていて、欲しかったポイントをしっかりとったとか、同時にリターンに手ごたえを感じ始めたとかで、ここで一気に変わったのでは。

セカンドセットは5-7で落とし、シュトルフのものに。

ファイナルセットも同じようにリードして迎えた5-4でキープに失敗したチリッチが、タイブレークまでいってなんと1-7で初戦敗退になりました。マッチポイントでのシュトルフのファーストが速すぎて見えないくらいだったのが、とても象徴的な逆転劇でした。

二つ前の列にいた、小さなかわいい赤ちゃんを抱っこしたご夫婦が、サインボールをゲットしていました。その後の赤ちゃんがご機嫌で、わかってんのかな。。っていう。。。

なにしろこの試合は面白かった。最初シュトルフは120%で打ってるようにすら見えて、「いつも以上」が出なければチリッチに勝てない!という態度と打球。セカンドセット以降、頻繁にではないがネットを取るとダブラーらしい鮮やかなボレーと詰め方で、ラリーを優位に展開できてきたのがうかがえました。ポイントは短いラリーになりがちでしたが、一本をしっかり打つ!という集中がものすごく高まったのが見えたのが、こちらも背中に汗をかくような思いでした。

それからその後のチチパスがやばかった!

すごくリズミカルでカッコいい!でまた片手バックハンドっていう。。。フレンチから注目を浴びる存在になった彼ですが、クレーコーターには見えないスピーディーなテニスと、バックハンドを狙われやすいのを逆に取れるタッチの良さとインテリジェンスがありましたね。相手をすごくよく見てるというか、わかっている。

今年は高い位置から、真横から感染する座席だったんですが、真横ってすごくワタシ的には珍しくて、新鮮でした。ボールのスピードがリアルに見えて、いつも以上に興奮しながら観戦していました。

ダニエル太郎ちゃんを、応援して盛り上げよう、と思うんですが、よいポイントの後にチチパスがさらにグレートなポイントで、太郎ちゃんのミスヒットでうなだれるような感じになると、そこから会場も波に乗れない。。。応援のしづらい?空気でした。私はいつも声を出したりしちゃうほうなんですが、以前に伊藤竜馬選手がワウリンカに勝った時や、アルマグロに勝った時は、有明が一体になって竜馬の応援だったような感じがあったんですが、アレの再現がしてみたかったですね。。。

 

最後に、私の座っていた席から、となりのアリーナ2コートがちょいちょい見えるんですが、ダブルスが始まって、見たかったチョン・ヒョン(前日に敗退)が見れたり、ダブルスのスーパースター(ワタシ的ですが)・クレシを見ることができました!

いやー。。。眼福。

なんだあのバックボレー。めちゃめちゃ反応速い。しかも形が全く崩れない。メドベージェフと組んで負けてしまいましたけど、たぶんメドベージェフのせい(笑)。

シュワルツマンはこのメドベージェフに負けてしまっていたのですが、これまたダブルスで見ることができました。去年は勝った試合を見れたんですが、この日はダブルスでも負けてしまいましたね。だけどアグレッシブによく動いていい試合だった!と思った後のクレシの動きでしたから、やっぱりスペシャリストはちがう。おっかな…っていうくらいネットでのプレッシャーがつよい。

目の前では太郎ちゃんが苦戦していたんですが、となりのクレシのプレーが見えると、感動で笑っちゃう私。。。

 

今年も堪能しました!よかった!

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:20 | コメントをどうぞ

肩甲骨の動きが悪くなってから

もう50歳も目前の私。45歳くらいからまず老眼に気付いて、それから疲れ?の回復にすごく時間がかかるようになって、とくに朝起きて2階から下りてくる時に股関節とヒザがギシギシして手すりにつかまって下りてくる感じ(笑)。

そんな風にしているうちに、左足の付け根の裏側、ハムストリングスの上の方っていうかお尻の下っていうかのあたりが伸びなくなって、前屈する時に痛む。たぶん坐骨神経痛?とかなんでしょう。それと去年の春に肩関節の腱をやっちゃって、鍵盤損傷と診断されました。

サーブが打てなくなる、という恐怖から、なんとかしてコーチとしての役割分くらいは形を保とうとしながらサーブの研究をもう一度やったり、お医者さんに勧められたほかの腱を強くするというトレーニングもちょいちょい意識的にやるようにしていて、とりあえずはデモンストレーションとか、お客さんと一緒にゲーム形式をするときなどは依然と同じ程度のサーブが打てています。

しかし肩の痛みは少なく感じているもののやはりあって、引っかかるというか詰まるというか、腕を上げるときに少しギシっとなるんです。上がってしまえば割と大丈夫なので、腕を先にあげておくフォームにしたりして何とかしています。

今年の春になって、ちょっとトレーナーさんに上半身をみてもらった際に、「ナガキさん、肩甲骨ぜんぜん動かないですね」って言われて「ああ、そうなのか」と改めて認識しちゃいました。

もう1年経っていたんですが、なんとかしちゃってるうちになんとかなっていた部分で自分でできるケアを怠っていたのかなぁと思いました。

肩甲骨は胴体とは直接結ばれていないので、肋骨の上をすべるように動くように出来ています。だから自重をつかって出来る範囲で方の周りのアウターの筋肉をほぐしたり、可動域の邪魔にならないようにストレッチしたりしてみるんですが、改めてそっち方向に痛みが出ないように気遣っていた1年分の凝り固まったものがあると、横っ腹から腰のあたりまで伸びるような気がします。

とはいえ、自分で改めてチェックすると、そういうことをやったとしても腕を上げるときに軽い痛みがあるので、それを嫌ってやっていくうちに、腕を上げておいた形からサーブのフォームに入る方がやりやすくなってきました。

ボール投げが上手く出来ないのは、私の利き腕じゃない方(左)もかなりひどいもんなんですが、肘の位置を高くして、釣り竿のようにしなりながら投げるとそこそこスナップまで繋げて動作できるようになります。

右手のようには動かしても力が乗せられず、速く腕を振ってもボールは力なくふわっと上がってしまいます。

これって要するに、女性の方とかジュニアの小さい子がサーブを打つ時に羽子板のような打ち方になってしまうのも、私の左手の時と同じってことなのかなと。

ボール投げのような動作になれていない、というのは、動きの面に注目するとスピネーション方向への動きが十分になされない、という意味かと思います。

これって上腕部分から方までを上手くひねるような形にして前腕や手首のスナップに繋がっていくようになるものなので、肩甲骨のあたりの動きから関連しているはず。

だから、そこの部分に負荷をかけない、肘を高くキープしておいて肘から先をしならせて強さを出す(絶対的なパワーは少なくなります)と、ラケットヘッドまでの動きの伝達の仕方さえわかってしまえば鋭い当たりのサーブは打てるんじゃないのかな、と思います。

動きに慣れてくればすこし動作する範囲を広げることで、要するに体がなじんでくれれば可動域も少し期待していいかな、という発展の仕方もあると思います。

トロフィーポーズで肘を90度に、というのは大事な項目なのかもしれませんが、そこまでの可動域がない場合にはそれよりも小さな角度で高めに肘を保っておくと打てるのかも。

 

先週くらいから、自分のその可動域に自信がなくなって、肘を上げたらちょっと安定するようになったので、やっぱりそうなんだろうなぁと思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:22 | コメントをどうぞ

リターンの方が強い

一般クラスを見ているとか、ジュニアクラスの選手たちでないレベルの子たちの試合を見ていると、サービスゲームをキープするのは本当に難しいことだなぁと思います。

サービスゲームをいかにキープできるようになるか?というのはもしかしたら一般のテニスプレーヤーの大きな課題となるかもしれません。

 

一方で、リターンがそんなに得意でない、という人もけっこういます。

 

サーブを返球する時に、なにか特別なメンタルにでもなるっていう事でしょうか?

・・・なんて、まるで意味が分からない、という立場で書いているような文章ですが、リターンが不得意なのは私自身だったりしました。

私の場合、試合をして「うん、なんとかいける」って感じられる材料があればキュッと集中しやすかったりするんですが、その材料ってたぶん「サービスをちゃんと返球できること」だと思います。

まあそれはそれで置いておくことにしますが…

 

私はスクールではどちらかというと初心者のクラスよりも経験者のクラスの方が多く担当させてもらっているんですが、そうするとやっぱり最後にはゲーム形式やポイント形式で終わる事になります。

慣れれば慣れるほど、サーブを入れるのに苦労するサーバーに対して、リターンをどこにでも打っていいレシーバーの方が有利になってきます。

ダブルスで、サーブの後をステイする人だと、セカンドサーブになってリターンを強打されるともうどうしようもなくなることが多い。

 

ボールが深かったり、すごく強かったりすると、もうブロックするしかないので、相手がそのまま詰めてくるとか前衛さんが積極的にポーチに来るとかすると早速状況はヤバくなってきます。

かといって真っ向勝負のフルスイングをしてもそんなに鮮やかなカウンターが取れるってこともないんです。

 

サーバーは、シングルスでもそうなんですが、3球目のイメージをしっかり持つべきですね。相手が強めに打ってくるとか分かっているのなら対策のとりようもありそうなもんですし。突然の奇襲とかはやっぱりびっくりすると思いますけど、それって相手の方にもリスクはある。

「入れなきゃいけない」と思うボールほど、置きに行くような死んだボールになってしまうのも相手にとっては美味しいのかもしれません。そもそもリターンの強打だってけっこうリスキーな感じがすると思います。だけど「入れに来る」サーブが一番どの辺にどんなボールがわかって構えていられるショットですから、「よおし、打っちゃおう!」って気になるのもわかりますよね。

打ってくるのなら、ノーバウンドで返す、っていうのも策です。

ようするにサーブ&ボレーをしろってことなんですが、ボールが往復する時間の使い方が出来るようになってくれれば、早くて深い相手のショットが目の前でバウンドしてから返すよりも簡単に思えてくるようになるかもしれません。

これも、「3球目のイメージ」を工夫した結果、といえるかもしれません。

得意になったら常用するのもよし、相手のリズムを崩すための一手として取っておくのもよし。「苦手だからやらない」というのはすぐにばれてしまいますから、練習では普通にできるくらにしておく、っていうのも日々の練習を締めてくれる楽しいキーワードになるかもしれませんね。

リターンを自由に打たせない、ということが出来るか、リターンが何かしてきても対応できる、という所から考えないと、サービスゲームをキープする、というのはむつかしいことの一つになってくると思いますから、よく考えておきましょう!

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 16:55 | コメントをどうぞ

人によってちがう事

ボールを上手く打てるようになりたい、というのは一般テニスプレーヤーならほとんどの方がそう思うことだと思います。

ですが、県大会上位とかに入っている人たちは、おそらくボールなら普通に打てる、って感じていると思います。練習では感覚と実際のギャップを埋める事・・・イメージ通りのタッチでボールが打てれば狙った方へコントロールできる、という感覚を持っていると思います。

 

ボールが上手く打てるようになりたい、とは私自身が人一倍願っていたことでもあり、いまの研究というか、勉強のおおもとになっています。テニスコーチとしてのアイデンティティといっていい。

 

それで勉強しているうちに、ただ動作の解析が出来てそれの説明が出来ればテニスコーチが務まるのか、という所に疑問が出てきて、やっぱり知識だけがあっても使い方が分からないと役に立たないなぁとここ数年は痛感するばかり。

私がいくら勉強したことだからと言って「正しい打ち方というのは、こうです」って教え方をしても、おそらく少数の人にしか上手く伝わらない。それでその少数の人っていうのは、たぶんそれを言う前にほとんどできている人たち。

まあ実際には「正しい打ち方」なんていう一つの物は存在しないものなんですが。テニスはショットの多様性があってゲームが面白くなっていくスポーツ。トップスピンもスライスもドロップショットもフラットもあっていい。

 

だからプレーヤーによっては得意なショットや苦手なショットがあってよくて、もちろん得意を伸ばしたり、苦手を克服する喜びもあるでしょうし、活かし方で戦える部分もある。

そんな中で、何かにこだわりを持って指導法を見つけるのもコーチとしての道だったかもしれませんが、私は基礎ってなにか、を追求していくようになっていきました。

・ラケットとボールの衝突、という力学的な面

・筋肉や関節の役割や動きからみた、身体動作的な面

・個人や、レベルによってボールの見え方が違う、という時間や空間把握の面

・ラケットにボールが当たったのがわかる、という手のひらの感覚の面

大きく分けて、これら四つの分野にそれぞれの見方が出来ると、単純にラケットをどう扱ったらうまくなるのか、というだけでは生徒さんの悩みに答えたことにならないのではないか、という事に気が付きます。

一度のスイングで一度のインパクトがあり、それが打球という結果になって行くわけですから、これら4つの要素は全て同時に複合しあって絡んでいる要素なわけです。

動作の一つひとつを分けて説明してみようとトライしたこともありましたが、複雑すぎて意味がないやって気がついたり、そんなにゆっくり考えている暇はプレーヤーにはないってことにも気づいたりして勉強しても難しいものはむつかしく感じるままでした。

だけどできる人は簡単にこなすわけです。要するに一本のショットは一回スイングするだけなんですから、そうでないと難しいことは上手い人でも難しいことになってしまいますよね。

難しいんじゃなくて、慣れてしまえばいいんです。訓練して、出来る感覚がすぐに得られているのならハーフボレーでドロップショットとか、追い込まれてランニングアングルパスとかやろうと思って出来ると感じながら打つはずなんですね。それも一瞬の判断で体が反応します。

訓練する間は、ミスもたくさんすると思います。だけど感覚があるなら、やっぱりやってみる価値が上がっているわけですね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:08 | コメントをどうぞ

ああ、フェデラー。。

今年の夏は、北半球が暑かったそうで、日本ばかりでなく世界の大陸の7割があるという北半球で異常気象的な暑さに見舞われたそうです。

私も今年の夏にはやられました。。。気温もさることながら、湿度が体にまとわりつくようで、どうにも逃げ場のない感があってきつかったです。

さて、全米オープンもそんな中で行われており、ヒートポリシーがあんなに適用されるGS大会もなかったんじゃないでしょうか。もともと全豪オープンがよく40度にもなる日があって聞くようになったヒートポリシーですが、熱中症で棄権する選手も多かったと聞きます。

4回戦ではフェデラーがミルマンに敗れる波乱があって世界中に衝撃が走ったとかっていうニュースを目にしました。

私の予想ではちょっと前に書いたかもしれませんが、今年のフェデラーは明らかに去年よりも劣る部分が目立っていて、この全米のタイトルからは遠い存在なんだろうと思っていました。

ウインブルドンのころから、その予兆?というか、明らかにロジャーらしからぬミスが目立ち、パスミスもあるし、バックハンドは浅くなるし、なによりリターンを返しあぐねているように見えたのがこれまでにないことでハラハラしながら見ていました。

準々決勝でアンダーソンにフルセットの11-13で敗れましたが、それをもってもフェデラーのゲームの進行のうまさだけが見えて、力が衰えたとしてもゲームを取る力が抜きに出ているので勝てるんだなぁと、その地力がどれだけのものか想像がつかないと思ったものです。

若いころのフェデラーはネコ科の動物のように静かに素早くしなやかで、タフなラリーを驚くべきショットで必ずものにするという印象があり、フットワークにも世界のトップとして誇るべきものがありました。

去年のフェデラーはそういった素早い身のこなし、というよりも確実に重たいボールを欲しいときに一本打てればラリーの主導権が手に入るかのようなうまさがありました。ラリーをしながらそういう一本を待つ我慢、そしてそれを打てた後の一気に畳みかける展開のうまさと速さで相手にまともなテニスをさせないうちに自分のポジションにボールを呼び寄せるように見えるプレーがおおくて、身体能力が落ちても神様のような力でゲームを支配しているかのようなプレーでした。

ウインブルドンのフェデラーには、去年と同じような魔法というかむしろ神様がそこにいるようなプレーを期待していたのですが、みるとリターンミスが増え、ネットを取る相手にバックハンドのパスミスが目立つようになっていました。キープする力がものすごく高いのでセットを取られないですが、相手を圧倒するというほどの圧力をそれほど感じなくなっているなぁと思っていました。

なんだかラケットを今年バージョンのサイドが白いプロスタッフにしてからショットのフィーリングが悪いような?ギリギリのアウトも増えてきて、それが全米に来てみれば去年までの黒いプロスタッフになっているじゃないですか。本人も異常に気付いて自力で修正できずに去年の感触に戻りたくなったのかと個人的には勘ぐってしまいました。

開幕前に若いヒッティングパートナー2人を相手にしている動画が公開されていたんですが、バックハンドの軌道が低くなってしまうためにネットミスや浅くなることが多くて、私の個人的な心配は増えるばかり。シンシナティの大会では決勝まで進んだものの、ジョコビッチのショットに反応が遅れるシーンもややあって、全米は苦しそうだなぁと思ってしまったんです。

 

 

それでも試合が始まれば余裕のある勝ち上がり。

 

4回戦でミルマンと当たると聞いても、「さすが第2シード、ドローに恵まれてる感じだなぁ」と思っていたんです。

じじつ、第1セットはミルマンを圧倒しているかのような、自在なゲームを進めてあっさり奪いました。・・・いや、見た目では、です。

そのセット、硬軟織り交ぜての多彩な攻撃、そしてネットに出てプレッシャーをかけるなどがうまくはまってミルマンがうまくプレーできていない感じ…という印象のセットではありましたが、実際には後半にはそういった多彩さにはミルマンは対応してきていて、結局はワンブレークでセットをものにした感じになりました。

2セット目になって、フェデラーはミルマンのまっすぐな重そうなサーブに対して一本置きに行くようなリターンが増え、ラリーの主導権をなかなかものにできなくなりました。

そしてあろうことか、フェデラーの最大の武器であるあの完璧にコントロールされたサービスがことごとく入らない。1stサービスがネットにばかり当たるどころか、ダブルフォルトも1ゲームの中に2度もする。そしてミルマンのリターンからストロークはさえてきて、結局ブレイクを許してしまいます。

その日底から仕事に出なきゃならなかったので映像で追うことはできませんでしたが、ほどなく結果を知ることになりました。2セット以降を全部落として4セットでフェデラーが敗退したニュースをみて、がっかりしたほうが先で驚くことはそれほどでもありませんでした。

もうダイジェストを見る気にもならず、私の中では優勝予想はナダル、ジョコビッチ、デルポトロ、チリッチあたりかなぁとなんとなくではありますが、顔が浮かんできました。

ドローはちゃんとは見ていなかったんです。

 

そしたら準々決勝に勝ち上がってきた錦織がチリッチと!

この試合は全部見ることができましたが、正直、途中眠気に勝てない時間帯もありました。。。しかし、フルセットで錦織がチリッチを破り、解説していた松岡修造さんが泣くのと同じく私も感動で涙が。。。

チリッチは去年のウインブルドンからGS決勝を二つ、経験していて調子のよさというか、自分のテニスの強さに気づいてものにしてきているという印象がありました。

くわえてハードコートでサーブ力があり、そしてリーチの広い強烈なリターンを持っています。ラリーの主導権を先に持てる武器を、彼は持っていると思うじゃないですか。

そんなイメージ映像をかき消すかのような錦織の鮮やかなゲーム。あいてのメンタルを手中に入れて戦っているかのようなポジショニングの操作、そしてダウンザラインの精度。

あらためて惚れ直しました。やっぱり錦織のテニスって魅力に満ち溢れている。

そのあとにジョコビッチにあたってストレートセットで対戦成績で14連敗となる敗戦を喫しましたが、テニスのレベルをできる限り上げてコートに立つ雄々しい姿はやっぱりカッコいい錦織でした。

ジョコビッチはもうだめですね、アレです。無敵。

ジョコビッチ的に苦手なタイプの選手っていると思うんです。いちばんはワウリンカ。やっぱり重要な大会の決勝で全部勝っているし、その前にも当たれば死闘を演じることになるタフな相手だと思っていると思います。

勝てはしませんでしたが、ミルマンの演じていた長いラリーもたぶんあまり好きじゃないでしょう。シモンを相手にミスをしまくった16年の全豪も記憶にあるので、ジョコビッチのショットにきっちりタメを作って売ってくる選手のことはちょっと苦手、というか嫌いなのでしょう。

ただ、彼らはジョコビッチの苦手なラリーまではできてもその上のギアがないためにジョコビッチが崩れてくれなければ勝ちきるまでは結構大きな壁があるように思えます。ワウリンカはそれを持っているといえると思いますが、それならガスケそうなんじゃね?と思いましたがそうでもないんですよね。

 

で、個人的には錦織にもそういう、ワウリンカみたいなテニスを?と思うこともあるんですが、自分のリズムでできないテニスほど上手くできない試合もないでしょうから、それも無理なんじゃないかと思います。

ラリーであるていど手ごたえを感じていて、打ち勝ってみたい、と思っている強い相手に、遅いリズム、弱い球、遅い球を使う、っていうのが甘い球を好き勝手打たれると思っちゃいますよね。恐ろしくてできない。

戦略的には違うかもしれませんが、ラリーのリズムってフェデラーと錦織ってハイテンポで似ているところがあると思うんですよね。

それと、油断をするとすぐに厳しいところに打ってきて攻めてくる、っていう油断のできなさ。

そういったプレッシャーを撥ね退けるテニスの仕方をジョコビッチは手に入れているんだと思います。フェデラーが神なら、ジョコビッチは悪魔に魂でも打ったのか?っていうくらいに。。。

 

ああもう1時間も書いてる。。。もう寝ます。おやすみなさい!

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:44 | コメントをどうぞ

「ひねる」はけっこう使う

ラケットを引きながら、あるいは振り出しながら、という動きをしている最中って、腕を伸ばしっぱなしにすると、重たくて動作が遅くなります。

支点からの動かすものまでの距離が遠いほど、トルクが必要になって重たくなります。自転車の重たいギアでは速く走れて、軽いギアでは坂道もスイスイっていうのがそのトルクの働きの理屈です。

早い動作をする時に、関節を上手く使って素早さをものにしたり重くしてい力を上げたりする、という事があります。

テイクバックでは後ろから勢いを付けてフォワードスイングにつなげる、という事を単純に理解すると「二度引き」する方がボールとリズムが合うような気がします。

実際には期待しているようなバウンドをしない、なんてことがあるし、ボールにタイミングだけを合わせる様ではコントロールの精度がでないので、二度引きはドンピシャのタイミングになることもありますがやはり安定しないものです。

より早い段階からフォワードスイングでボールを狙い通りに捉えるための準備をし、飛球に備えて合わせられるようにしながらもスイングを完了させるようにします。

効率よくストロークの為のテイクバックをするなら、面を外向きにひねるようにしながらテイクバックすべきですが、この時にもお腹の前にスイングのエリアを作る形にするとか、同時にボールを呼び込むためのエリアとして動きとボールを合わせるリズムを作ります。

先日はシングルススティックをつかって「綱引き」のような格好であるお客様に試してもらったのですが、テイクバックをラケットヘッドを後ろの方にくるっと手首で返してしまうだけで腰のターンが出来ない感じでした。

腕もラケットも重さがあるわけですし、素早く動くには大きなパワーが引き出しやすい形である方がいろいろ融通が利くので、その「綱引き」の形になれば下半身もしっかりさせるのがイメージしやすいかと思ってそうしたわけです。

それで、重心を落として引く際に、スティックを私の方でこのくらい、という感じでひねってあげたら、そのままフォアハンドの準備に近い形になりました。

その段階でお客様の方も「あっ」と気が付いたようで、じゃあその形になってボールを打ってみましょう、といって球出しのボールを打ってもらいました。

最初のうちはパワーが予想以上に出てどこを制御するか時間が掛かりましたが、結果的には5球目くらいからはかなり当たりの良いトップスピンを打つようになりましたから、自分の準備が確実に打点を捉えられる形になったと感じたのでしょう。

えてしてサーブやボレーでもそのような要素は少なからずあって、そこの動きが自然にできる人はコーチのデモンストレーションを見ただけで真似ができ、そうでもない人ってそこんところの形になる方法を簡単に紹介してあげてから少し自由に打たせてあげる中で気づいてもらえることがあると思います。

動作の中に「ひねる」というのは意識しないでやるものでもあると思うんですが、意識しないと使わない、というようではやっぱりよくなかったりもするものなんですね。

 

再認識しました。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:49 | コメントをどうぞ

全米が始まりまして

なんだかワクワクしていた、待ちに待った全米が始まりました。

今朝、錦織の初戦がありましたね!6-2・6-2・6-3でしたが、セカンドセットまでしか見ていられませんでした。

ファーストの確率が高いとは言えませんでしたがサーブの使い方が効果的でポイント獲得率が高く、それよりも自信に満ちたパフォーマンスでブレイクされるような気がしない試合だったと思います。

相手のマーテラーはドイツの23才ですが、今年のフレンチでシャポバロフを破って勝ち上がり、ベスト16でナダルと激しい試合をしたことから、今年躍進を果たした選手として認知され始めた選手でした。左利きでビッグサーブを持っていますし、油断ならない相手なんじゃないかなと思っていましたが、いきなり第一セットのファーストゲームで強烈な錦織のリターンや展開の速さに驚いている?うちに0-4になりプレッシャーは半端なかったと思います。

 

さてさて、とはいえこれまでのビッグネームもまだ元気で、ディミトロフは復活途上のワウリンカに負けたりなどのシードダウン、ハレプは去年のシャラポワに苦杯をなめさせられたのに続き今年も初戦敗退など、若干のシードダウンがありましたが、上位シードはそれなりに初戦をこなしてきています。

そんななか、やはり世代交代の波は勢いをましてきているんだなぁと思わざるを得ませんね。

西岡はフェデラーに、杉田はガスケにそれぞれ破れましたが、ダニエル太郎はオーストラリアのデミナーに完敗でした。デミナーは去年の暮れくらいから名前を聞くようになっていて、よく走ってテンポのいいテニスを展開しており、精神的にもタフで簡単にあきらめないファイターでもあります。

若い奴が出てきたなぁー、と記事を読んだ後の、デミナーの2回戦はアメリカのティアフォーとだとか。黒人で背が高くてどこかキリオスに重ねてみちゃうことがあるティアフォーですが、プレーの間にかわいげのあるリアクションなんかがあって、大きな勝ちは期待ほどないような感じではありますが、それは期待が大きい選手という意味かなぁなんて感じてしまう若い世代のひとです。

30歳オーバーの復活劇を演じている選手たちも、実力を発揮し始めているし、20代前半や10代の選手、初日には19歳のシャポバロフ対17歳のアリアシムの試合という、カナダの若手同士の試合もありました。

シャポバロフの2セット先取のあと、第3セット途中、4-1でシャラポワがリードしているところで熱中症?だかで棄権してしまいましたが、このアリアシムという選手は全米の前哨戦の期間に初めて名前を聞いた選手です。カナダにもまだこうして次期スター候補が出てくるんですね。スケールの大きいテニスを感じさせる選手でした。

 

試合はショットで見るよりもプレッシャーのかかる場面や、ラリーカーの駆け引きなどを見るようになって、それがすごくスリリングで面白いと思っているんですが、「すっげえなぁ、強いぞこの選手!」って思っていた選手でも錦織と対戦するとするっと錦織が勝っちゃったりするんですよね。

トッププレーヤーの底力ってどれくらいなのか、やっぱり図りきれないもんだなぁと思います。

 

 

 

 

そうそう、錦織のサービスゲームでバモスわたなべさんが3回もカメラに抜かれて笑っちゃいました!

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:56 | コメントをどうぞ

手の中のラケットの動きを感じる

「硬式」テニスでは、手首は固定!と教わったのは中学生のころ。(昭和60年かちょっと前)。公園の広場でチャリンコのサドルの高さをネットにして軟式のボールを打ち合って初めてテニスラケットに触れたころの話です。

なんとなく、高校に入った夏?だかに兄貴にテニスに誘われて、Dマートっていうスーパーで買ってもらった3000円の「american ace」というアルミのラケットが最初の自分のラケットでした。

野球で遊んでいた小学生の時代から、グリップを握った棒状の道具でボールを打つという動きは経験があり、テニスのラケットってなんて軽いんだ、って思っていました。

そのラケットを一年くらい使って、テニス部の友達から譲ってもらった「staff mid」というウイルソンのラケットに持ち替え、とうとうテニスにハマったことを自認する形に。

当時はトップスピンをかける、といえばレンドルかヴィランデルっていうイメージがあったんですが、見よう見まねでかけようと思えばスピンがかかるんですが、どうしても当たりそこねが増えたり、気持ちよくアウトしちゃったりとかで「できることはできるけど使わないショット」みたいなものにしちゃっていました。

まあ部活にも入らないでやっていたんですから、そんなもんなんでしょうけど。

それが大学生になってテニスコーチのアルバイトを始めてからも変わらず、最初に教わった手首をしっかり固定するのとスライスがよくコントロールできるイメージだったので、その時に女性にモテる超かっこいい先輩や、遊びでワンセット戦ってもらったら一点ももらえなかったバイト先の校長先生がスライスオンリーの戦い方で、とてもスタイリッシュでスマートなかっこいいテニスに見えたので、そこから10年くらいはワングリップのスライスのテニスで頑張っていました。

 

今になって改めて知ることになったのは、フェデラーやナダルのように振り抜きよく強打して自由にコントロールできる人は「手首ゆるゆる」で、サーブ&ボレーで繊細なタッチは到底まねできないように見えたマッケンローやエドバーグは「がっちり握って固定」という事実。

硬軟織り交ぜてボールをコントロールできるのは両者ともですが、ストロークで威力のある人って「豪打」なイメージがあるからパワーショットを打つナダルなんか握力が100くらいあるんじゃないの、って普通に思ったりしますがそうでもないらしい。

というわけで(?)スライスメインだった私はがっちり固定の一派で、とくに小指側をしっかり握ることがラケットを握るコツだと思っていました。

トップスピンが扱えるようになったのは35歳過ぎ。ある日突然、なんか「思い切って打っちゃったほうが」いいような気がして打ってみたら感覚よく入ったんですね。

感覚よくっていうのは、しっかり振るのがまるで野球のころのように腕も振っているけどラケットも野球のバットのように加速して、なおかつしっかりスピンがかかって狙ったとおりの弾道で入った、ということなんです。

学生時代からコーチをやっていたわけですし、スライスって多様なショットですからフラットっぽく強い当たりをするところから、ネット際にふわっと落とすようなタッチショットまで感覚さえつけばできるようになるわけです。そりゃあ10数年もそうやって生活していてうまくならないわけがない。

トップスピンは恐怖症というか、どうせ安定しない、と思ってはいたものの、単発でなら打てたんです。だけどゲームの中でそういうショットが欲しいときにやっても緊張もあってたいてい失敗するのでやらなかった、ということ。

ちゃんと練習を積んでおけばよかったし、そういう方向に指導してくれる人に出会ったほうがよかったのかもしれませんね。

ラケットって、振りぬくほどボールのコントロールをリニアに感じられるものだと思います。

あるときに気づいたのは、スピンが十分にかからないと思って動画に取った時のこと。

私のフォアハンドは、いまだにそういう部分がありますがヘッドが落ちないんですね。

薄い握りの経験が長くて、どうしても小指側でヘッドの動きを抑えて真ん中に当てるときの不安を除こうとしている節がありました。

人間、それぞれに「感覚」があるわけで、慣れ親しんだものが使いやすいもの。グリップが太いほうが好きという人もいれば、細くなきゃダメ、という人がいるのもそういう理由だと思います。

ボールとラケットとのコーディネーションが合うところ、というのも体のどこかの物差しを基準にして測っているんだと思います。

今日ではその時よりもスピン量は増やせるし、ラケットの違いもあるかと思いますが、手の中のラケットの存在感も変わりました。

いまは、親指と中指が接するところを中心に、ラケットヘッドが打点付近では走っているような感覚を得ることができます。

手の中では、グリップ側とヘッド側とで相反した方向へ動くのを感じたり、力を加減して助長したりしています。

もちろん、ラケットの動きのためにやっているという感覚ではなく、ネットもアウトもしないボール軌道を生むためにやっています。だからボールをうまくつかんだような感覚を得るためには、という感じでそういうことになっちゃっている、というほうが速いかもしれませんね。

私のラケットは、スイングとラケットの動きがうまく合っていないなぁ、とか無理やりに手首とか指先の動きでラケットをどうにかコントロールさせようとしている人に渡すととても自然な振りになって、貸した人が「!」という顔になることがあります。

そういうチューニングにしている、というのは自分のテニスがコントロールの感覚を持っていてくれるようにしているんですが、すごく腕力がある人とかでなければ女性でも効果があることがちょくちょくあります。

そういうのも、自分のテニスを考えるにしても、他人のテニスを観察するにしても、コーチとしてテニスを毎日やっている私にとっては興味深いことなんです。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:52 | コメントをどうぞ

いや暑いだろう

日曜日はジュニアのイベントレッスンをするようになっていて、毎週ではないんですが、テーマレッスンをして、ジュニアで試合に出始めているくらいのレベルの子が多いですが、サーブだったり、フットワークだったり、コントロール(ストローク)だったりと2時間レッスンを2コマ、やるようにしています。

主催は、「すくすくのっぽ君」という大会で全国的に展開している「すぽ人」さんに協力する形でやらせていただいています。

とくに、サーブは毎回満員になる人気企画。基礎力を見て、段階的に要素を追って出来ていること、出来るようになるべきことを見極められるようなレッスンをしています。

2時間サーブだけで持つ、というのも我ながらなかなか。。。なんて思いますが、現場では個々に8人くらいの子たちを見ながらなので、もう1時間あってもいいくらい。

大人でもサーブを課題にしている方はけっこういそうですが、ジュニア選手たちは形にはなっているけどなかなかサービスボックスに安定して入らない、というまだフォームが固まっていない状態の子が多いですよね。

そういうところのニーズにはあっているんじゃないかと思います。

 

さて、昨日は残暑というにはあまりにも暑い一日で、晴れて風も穏やか、というだけでなく風も南風なので湿気もあるし風自体の温度も高い、という「不快指数」が高い日でした。

午前中から、運動量といえばそんなでもないサーブの練習会で、暑さに耐えられなくなる子が続出。こりゃあ午後の部も考えないとな。。。

ということで、30分ごとにテーマをつくり、段階的にステージを上げることにして、一つ終わるごとに10分間の休憩をはさむようにしました。幸いにもクラブハウスがしっかり冷房の効いたロビーがあり、そこで24時間テレビを眺めながらすこし落ち着くまで休むようにしていました。

今年の夏は本当に暑くて、いままでそういう措置を考えておいても実際にはみんな元気でやり切っちゃうようなことが多かったんですが、昨日のような暑さは今年になって何度もありました。

もっともっと気を付けて、帰宅してから具合が悪くなるような子がでないようにもしていかなければなぁと思った今日この頃です。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:34 | コメントをどうぞ

リズム

テニスって、「時間と空間のゲーム」と言われます。

・・・というようなことを、結構若いときに聞いたことがあって、その時にもなぜか納得はしたように記憶しています。だけど、それを自分のテニスの中でどういう風に意識すればいいのかは全くわかっていなかった。

自分が思い描く「理想のテニス」って・・・皆さんはどうですか?

私はですね。。。例えば若いころは、憧れのプロ選手のイメージをもってコートに立ってる、みたいなことしかできなかった。若いころだから、コナーズとかベッカーとかエドバーグとか好きでしたね。

当時はサーブ&ボレーのような、サーブが返ってきたところを決めに行く、というようなラリーをポイントに使っても有効だったりしたものですから、プレイスタイルをそういう「だれか」と似たパターンにしたりそうでなくてもそう見えたりするようになったりしたものです。

ただしストロークのラリーっていうのがどうにもわからなかった。自分が打てると思ったボールは打てると思った方向に打つ、っていうことをやっていて、サーブ&ボレーのイメージがあったりするもんだからベースラインからでもすごく「積極的な」ショットを打っては自滅していたかも。

 

そんな私でも、最近はレッスン生のかたに「ボールのスピードはあんまり見ないほうがいいよ!」なんて声をかけたりするようになりました。

自分が打てるところにボールが来ていても、「うわっこのボール速っ!」なんて思ったりすると身構えちゃってうまく打てなくなったりするものです。

私も経験上、例えばそのクラスで3列のラリーとかをしていて、自分の列を守るようなコントロールができる日とできない日があったりしました。ローテーションで、その前の生徒さんとは丁寧につなぎあうようなコントロールができていたのに、その次の生徒さんのボールが速いとか深いとかっていう要素が私(コーチのくせに)のコントロールを狂わせてきます。それで隣の列に「ゴメンなさーい!」とか声をかけることになる。

それがなんかいつのころからか、どんなボールが来てもそこそこ自分の列は普通に守れるようになってくるものなんですね。

何の話かっていうと、さっきのスピードをあんまり見るな、っていう話につながります。

相手のショットを評価するのに自分の動作を基準に作れるようになった、ということなんです。

要するに「よし、間に合いそうだ」と思ったのなら落ち着いて打点を合わせよう、ということ。

ボールの軌道が見えて、自分の動けるスピードもわかっていて、ラケットを動かし始めて打点までに間に合うのなら、間に合う打点が狙ったところへ打つための打点だったらいいわけです。

どうせ一回スイングするときには一回しか打点のチャンスはなく(当たり前ですが)、そして失敗するわけにもいかないんですから、ボールに合わせて自分のスイングのリズムに乗せるしかないわけですね。

 

以前にもどこかで書いたかもしれませんが、テニスコーチをしていて、例えば初心者のクラスを担当している。テニスの楽しさって、ラリーがつながった時の喜びからですよね。

だから、コーチが上手くて(笑)、そのおかげででもラリーが10回でもつながると喜んでもらえると思っています。そこから「よし、テニスを続けよう」って思ってもらえるように担当すると思うんです。

そういう時に使う秘策があって、同じリズムのボールを打ち続ける、ということなんです。相手次第でもあるので、いつもいつも成功するわけではないですが、成功するときは必ず私のほうが一定のバウンドのリズムを作ってあげて、打点にボールを入れてあげるようなことができるとき。

ちなみにですが、相手のリズムがバラバラすぎると、コーチの私のほうがリズムを守れなくなったりすることもあるんです(汗)。

そうすると、生徒さんのほうに持っていてほしい要素を練習する、ということがそのクラスの当面のテーマになったりもする。

ボールを打つ方法ももちろん皆さん知りたいでしょうが、同時に「打った後の動き」も覚えてもらいます。打ったら戻り、また次のボールへの反応をしっかりしてもらう。

そもそもラリーってこうやって成立しているんだなぁ、と思います。初心忘るべからず。

一般のスクール生の人たちが打つボールを計ってみたことがありまして、インパクトから相手のベースラインに届くショットでツーバウンドするまでの時間は約2.5秒かかります。

ラリーで使う、自分側のインパクトまでの時間は、最大でも2秒半ですから、1.5~2秒の間に準備からインパクトをこなせればいい。

逆に言えば、たいして多くのことはできません。でも決まったことを決まった順番でこなして「間に合わせる」ことができると思うんです。

相手のショットがバウンドの位置がよくなかったり、回転がきつくてリズムが狂ったりします。そういうのも、相手のショットに「ミスをさせられた」という経験がまたあるものだから、打つ前に緊張します。

そしてその平均値よりも速いと思われるショットを打たれると、「間に合わないかも」というプレッシャーを感じ、動きが固くなります。

 

そこいら辺の悪循環をなくせるようにするのが練習だし、世の中のコーチたちが「早く準備すること」「ボールをよく見ること」とかいうし、さらに言えば「もっと足を動かせ」と「打ったら戻れ」ということが言えるようになるわけですね。

打って戻っても、反対側に打たれるかどうかはわからないわけですし、プロの試合を見ていると必ずしも打った後は必ずセンターに、というわけでもないですね。特に相手側がチャンスになったようなショットを打ってしまった後は、先読みしてどちらかにシフトしたポジショニングを取ったりすることもある。

だけど、「戻って(リセットして)」はいるわけです。自分の左右にそれぞれ守備範囲を設定して、相手のショットに間に合うだけの空間を確保しておく。

そこを守ることにして、取れないところがあることも理解しているはずなんですね。

打ち方の中では、軸足側にしっかり踏ん張ることができれば、例えば走りながらでもラケットのスイングをしっかり始めることができます。試合中のプレーヤーが走り抜けるようにしながらカウンターを打つようにするのは、その要素を合わせられれば「止まって打つ」ことができないながらも一矢報いることができるっていうことですよね。

それが、「脚→スイング」のリズム。自分側ではこれをまず確立しておかないと、相手のショットに合わせる基準を持ち合わせないことになります。

球出しのボールだけを打ち続けていると、バウンドにテイクバックを合わせると腕の動きがボールのリズムに合わせやすいものになってしまうので、足を動かす練習をしなくなりがちです。

実践的、という練習は足の動きにリズムを担当させて、腕は打点のためにたった一回のスイングを、適切なインパクトのために合わせられるようにしておきたい、ということになりますね。

だから、練習では決め急ぐような練習をすることがあっても、アップの時には一級のボールで長くつながるように意識して「打ち返す」という動きに自信がつくようにする必要がある、ということにつながっていきます。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:55 | コメントをどうぞ