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80%の過ごし方

大会を運営していると出場者の方とこんなやりとりが

「私の試合は何時頃はいりますか?」

「前の試合が終わり次第なのでなんとも言えないんですよ、…」

「う~ん、だいたいでいいのですが…」

「60と76では約倍時間がかわってくるので、すみません試合進行を気を付けて見ていて下さい…」

 

テニスの試合はなかなか時間が読めませのでうかつな事は言えないのです。大会を運営する時に大体平均的に1試合40分位を目安に考えることが多いですが、本部をしていて辛いのは、76や75の連続のコートもあれば、60や61ばかりでサクサク進むコートもあって試合進行に大差がついて運営が大変苦労する事ですね(笑)

今日はそんな苦労話ではなく、ゲームの「時間」についてちょっと触れようかと思います。

 

「インプレー」

 

いわゆるボールを打っている時間は一試合のうちどれくらいだと思いますか?

1試合で約40分かかる試合があったとします。

 

例えばラリーが8回から10回とけっこう長く続いたとすると、時間に直して約6秒から8秒程度。サービスエース、リターンミスなら2秒~3秒。ポイント間が20秒、チェンジエンドが90秒。そう考えると実はインプレーの時間は約20%あるかないかぐらいなのです。

40分の20%ですから約8分しかプレーしていません、ちょっと驚きの数字ではありませんか?

残りの32分間(80%)がポイント間やゲーム間となります。

もちろんインプレー中が最も大切ですが、この32分間の使い方が同じくらい大切と言えるでしょう。

この32分間も含めて試合と考える必要があるのです。

ゲームの流れ、相手の特徴や戦略、自分の精神面、戦略や対策、体力回復、などなどを考える時間は十分にあります。しかし、テニスはコーチや仲間からのアドバイスや作戦タイムは取れません、この時間も一人で過ごさなければならないのです。この貴重な時間の過ごし方を見直すことで試合の行方は大きく変わる可能性があると言う事です。

 

ポイント間の20秒を過ごすのに必ずやった方が良いポイントが3つほどあります。

1感情などをはき出しリセットする

2リラックスする(特にマイナスのイメージを引きずらない)

3次のポイントは何をすべきかをしっかりまとめる

こんな感じです。

例えば、相手のショットがまさかのイレギュラーで返球できないとしましょう

1「なんだあ!ムカつく!」

2「もうなんで俺ばっかり?ついてない…」

3「もう、あれ取ってりゃゲームだったのにぃ…」

これでは完全に気持ちを引きずって次のポイントに入っています。そんな入り方をするとまたつまらないミスをしてしまいだんだん苦しくなります。

それを

1 「ドンマイドンマイ、しゃあない(笑)」

2 「さあリラックスして、忘れよう」

3 「ここ大事なポイントだからまずはファースト入れて(リターンを確実に返して)あせらず相手の弱点のバックにボールを集め浅くなったら一気にネットに出よう」とこんな感じです。

まあ実際上手くいくかどうかは分かりませんが、前者はもともと些細なかすり傷だったものを自分から広げていって戦況を悪化させていき、後者はかすり傷をかすり傷で終わらせて自ら崩れていくことがかなり少ない事は事実でしょう。

 

昨日、東山でMUFGジュニアの大会があったので会場に行っていろんなゲームを見てきました。

非常に興味深かったのは、ショットだけを比較すると明らかに差のある試合。

当然ファーストセットは技術の高い選手が奪いましたが、セカンドに入ると徐々に戦況がかわり始めました。

ファーストを落とした選手が、セカンドに入ると「相手はどんなボールが嫌なのか」を見抜いたようにスローボールを入れたり、かと思えば突然攻め果敢にネットに出たりし始め、戸惑う相手は徐々にイージーエラーが多くなって行きました。明らかにファーストアップの選手の中に「やりにくい」雰囲気が生まれ始め、しきりに「嫌な顔」や「苛立ち」「がっくり」という仕草が多くなり「どんどんミスが早くなっていきます」

対戦相手はそんな様子をちゃんと観ていて自分からはつまらないミスはしません、淡々と試合を進めていきます。

相手はどんどん無理な攻めを繰り返します。

結果は逆転勝ち。

これが32分の過ごし方なんですね。

ゲームはショットのコンテストではありません。ショットは単なるツールにしか過ぎないのです。

もちろんツールのレベルが高いに越したことはありませんが、その試合中に飛躍的にレベルアップする事はないと言って良いでしょう。

だったら今の自分の持っている技術でどう倒すかを真剣に考えて試行錯誤しなければなりません。

その為の重要な時間なのです。

アニメ「ベイビーステップ」の主人公「エーちゃん」は実に相手の観察を見事に行い強者に向かって行き倒しています。

テニスは「強い」と「上手い」という表現をよくされますが、もう一つ加えるならばテニスを「よく知っている」があると思います。

テニスもスマホのゲームも一番使うのは「頭」

 

だからおもろいんですね。

【名古屋テニススクール 茨木テニスクラブ】

カテゴリー: 未分類 | 投稿者楢木コーチ 18:33 | コメントをどうぞ