ドーピング検査で、体調不良から血液サンプルの提出を翌日へと延期してもらった事が、反ドーピング・ルールに違反したとして、出場停止処分を下されてしまったヴィクター・トロイキだけど、18ヶ月の出場停止処分から12ヶ月へ減刑されたけど、それでも1年間大会に出場出来ないの。
トロイキは体調不良をその時訪れた担当者の女性に伝えると、彼女はそれをレポートとして国際テニス連盟へ提出すれば問題はないって言われて、血液採取を翌日へと延期したの。
翌日に提出した血液サンプルからは、何の禁止薬物の反応も出なかったトロイキだけど、彼のその行動がドーピング・ルールに違反しているとして、今回の厳しい処分になってしまってたの。
トロイキはその時の担当者の意見に従っただけと無実を主張したんだけど、1年間はツアーに出ることは許されていないわ。
同郷で世界ランク2位のノヴァーク・ジョコビッチはこの決断に怒り心頭でこう語ってました。
「その時の担当者の女性はその後一度も公の場に現れていない。彼(トロイキ)は彼女の言う通りにしたまで。彼女のその怠慢さとプロ精神の無さから、彼は1年も試合に出れないんだ。もう誰も信用できないし、反ドーピング機構が行っている事さえ信用できない。」
「明日、自分の所にドーピング検査官が現れても、そのプロ精神の無さや正しいルール説明の無さを知った今となっては、どんな間違いが起こるか分からない。そして、スポーツ裁判所の手続きや決断は、全くもって選手に対して不利だし、選手の権利も無視している。」って、かなりお怒りな様子なの。
「彼の場合、来年の7月までコートに立てない。コートに立つ事は彼の仕事なんだ。けれどその担当者の女性は、明日も普通に職場へ行き、普段のように仕事をする。どうして彼だけが処罰されなければならないんだ。全く不当だし信じられない。」
「今回のケースで、苦しんでいるのは選手だけ。ATP(男子プロテニス連盟)と言うものは、プロテニス選手の連盟のはずで、選手側に立ってくれる機関のはずなのに、この事に関して何のコメントも出さず、彼に対しても何もしてくれてはいない。彼は一人で戦わなければならない。明日は我が身かも知れない。」
そうね、これはテニス界からドーピングを追放しようとする選手に課された厳しいルールだけど、それが正当に、また罪のない 選手に取って有効なものでなければ意味がないわよね。
当のトロイキは、12ヶ月へと減刑されながらも、罪を課されてしまった事への落胆は相当なものだったはずね。
「その判決が下された後にジョコビッチのコメントを読んだんだ。彼があんな事を言うとは思っていなかった。とても感謝している。現実を受け入れなければならないけど、自分は全くもって被害者さ。」ってトロイキは語ってるわ。
更に続けてコメントしてました。
「ドーピング検査は必要な物だし、テニスと言うスポーツをクリーンな物にしたいとは思っている。しかし、今回の自分のケースはミスだらけさ。」
「苦しんでいるのは自分だけ。1年間も試合に出られないんだ。それだけじゃない。1年経つとランキング・ポイントは全く無くなってしまう。またゼロからのやり直したいさ。それが何よりも辛い。優秀なサッカー選手などは、それでも良いチームが迎えてくれるかも知れないけど、テニスは自分1人でゼロから戦わなければならないんだ。」
「今が人生で最も辛い時期さ。多くのミスが起きて、裁判所はそのミスを間違いだと認めてはくれなかった。このドーピング・ルールから自分が得られた最小の罪が12ヶ月と言う長いものなんだ。」
「祖国のクロアチアがデビスカップの準決勝を地元のベオグラードで戦った時、アリーナの中へ入る事さえも許してもらえなかった。一般の観客と同じくチケットを買って、選手から遠く離れた所からの観戦さえ許してもらえなかった。犯罪者扱いされて、あれほど辛かった事はなかった。」
「今回の判決が自分の夢を全て絶ってしまった。トップ選手になる事、ツアー最終戦へ出場する事、世界のベストと言われる選手達と戦う事をね。今までの人生は、それを目指して必死に頑張って来た。その全てが、ある日の午後、見知らぬ女性によって奪われてしまったんだ。」
「ノヴァークやヤンコ(ティプサレビッチ)や家族、チームの皆など、自分の無実を信じてくれている人には感謝の気持ちしかない。一生忘れない。今から何をして何処へ行ったら良いのか検討も付かない。どうにかまたこの件に対して戦える事を願うよ。」
現在27歳のトロイキ。2011年6月には自己最高位の12位を記録したけど、復帰する来年の7月までしっかり練習を続けて欲しいわ。そして夢を諦めずに復帰して欲しいわね!