今年のクレーコート前哨戦(といってもマスターズ1000グレードもありましたが)で、錦織圭はリシャール・ガスケに初勝利を飾った後、もう一つ勝って連勝とし、過去6連敗の汚名返上を果たしていました。
本番(選手ご本人がそう考えていたかどうかは知りませんが)たる全仏オープンでもこのカードになり、結果はセットカウント1-3でガスケに軍配が上がりました。
ファンはみんながっかりした試合でしたね!けどやっぱり錦織圭選手本人が期するものもあったという通り、自分でもわかるレベルアップした感じをつかめていたところだと思いますので、優勝すらイメージ出来ていたところのベスト16ですから、負けた事にはがっかりしていることだと思います。
試合は終始、見ていました。
最初のリターンゲーム(2ゲーム目)で、逆クロスへウィナーを取りに行ったようなフォアハンドが続けてアウトします。
ん?うまくアジャストしていないのか?という目で見てしまいましたが、ブレイクに成功して4-2アップまでは錦織は前回の試合と同様に攻め続けてプレッシャーをかけてうまくいっていました。ガスケは押されている?消極的?な印象でもありました。
そのゲームの途中で雨が降ってきて、40-40で中断。
主審の判断による、ということでしたが、そのゲームは終わらせておいてほしかった。
結局中断後のデュースを落とし、ブレイクバックされた後、ガスケは強烈な攻撃テニスに変貌し、防戦や無理攻めに見えるようなミスを繰り返した錦織はなかなかゲームを奪えませんでした。
クレーですから、攻めてきた、といってもラリーは長引き、どこかに活路を見出そうと錦織もずっと我慢しながらそのチャンスを待っていたと思います。
ガスケの攻めてくるバックハンドの深いこと。錦織がフォアに崩しに行ったショットの切り替えしもクロスに角度も深さもある、いいテニスでした。錦織はなかなかフリーで打てるショットをもらえず、苦しいテニスでした。
そして、浅めに落ちるショットのスピン量が多く、また湿って飛びが悪くなっていた?スピードの出づらいボールになかなか攻めるボールが入りません。
第3セットに入り、錦織も弾道を上げてペースダウンするラリーを混ぜるなどして戦術を変えてきましたが、連続してポイントをあげられたり、相手が焦ってミスをするような形にはなりませんでした。
あの、スピンが多くて絶妙に浅い球って、けっこう前に入って打てそうなんですができないんですよね。。。
まったくレベルが違いますが、ワタシもミスを自分からしてこない、しかもロブやスライスでないいわゆる「打ちじこり」の人から勝てませんでした。ワタシの場合は単純に高い打点がうまくなくて、かといって相手のショットはきつく感じないので無理に打ってはミスをするという低レベルなものだったのですが、ガスケのショットも、浅いから攻めれそうだ、と思っても跳ね方がすごくてうまくアジャストしなかったのではないかと思います。
高い打点にハードヒットをするのに、胸の高さよりもはっきり高くなってしまうと足が伸びきってボールの伸びが出しづらくなります。
そこへ無理に?スイング量を多く(運動角度を広くして)して、強打のレベルを落とさないようにしても、どうしても精度は落ちてしまうでしょう。
錦織のセンスでも気候によるボールの条件の変化、相手のショットの見極め、自分が勝ちたいと思う気持ちなどのどこにバランスをとって攻めるのかはとてもむつかしい判断なのではないかと思います。
もちろん、優勝すら視野に入れられると思っていたほどの錦織ですから、がっかりするのも無理はありませんが、今回はガスケのテニスがあまりにもよかったということに尽きると思います。
5セットマッチでどこかに突破口や、流れの変わりそうな糸目があったかもしれないのに、それがわかりませんでした。つぎのマレーにも勝ってくれないかな・・・